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ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第2番
ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第2番を聞く。yurikamomeさんがクロイツェルをとりあげておられたので、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタと言えば一番好きなのがこれ、というわけで久しぶりに聞き返した次第。
この曲について書かれたものは見たことがない。というか、この曲が好きだという人も私は知らない。でも冒頭から何とも洒落ていて、ピアノ・ソナタの第2番イ長調(偶然とは思うが同じ調性!)の終楽章のうっとりするような洒落っ気とともに、気難しいばかりのベートーヴェンと構えて聞くと完全に肩すかしを食うことになる。
で、この曲の最高の演奏と言えばもうアルチュール・グリュミオーとクララ・ハスキルの古いモノラル録音である。絶妙なテンポ!軽くスウィングするテーマをこんなに上品に、それでいて生き生きとした表現で演奏した例は他にあるだろうか?
第2楽章の感傷も決してオーバーになることなく、音楽そのものが自然に語り出すかのような趣が、なんともしみじみとして良いのである。こんなに単純でいいのかと思うほど音数が少ない楽章であるが、だからこそ人の心の琴線に触れる演奏は難しいのではないか。他の演奏ではついぞ味わうことのできない世界だ。
終楽章の洒落たテーマと何気ないようで入念な展開はさすがにベートーヴェンである。で、それを快調なテンポでどこにも力が入らず、それでいて生き生きとしていて、ベートーヴェンの意図を過不足なく歌い上げたグリュミオーとハスキルの見事さは、この録音の歴史的名盤としての価値を明らかにしているものと私は信じる。
クロイツェルも含め、このグリュミオーとハスキルのベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集は私の好みでは名高いオイストラフなどのものよりずっと良いと思う。あくまで私の好みなので悪しからず!メニューインやシェリング、パールマン、ハイフェッツなど色々良いものがあることは承知の上で、私のファースト・チョイスがこれである。
by Schweizer_Musik | 2007-01-29 21:03 | CD試聴記
晩酌をした。明日に備えてそろそろ休むか…早いな…
一本(三斤)5000円の食パンやら一枚4500円ほどの鯵の開きをテレビでやっている。美味しいと力説しているが、そんなこと言われなくてもわかる。
でもこういう法外とも思われる高額な食材を、大阪人の私には全く理解できない。私はお金をかければ美味しいものができるのは当たり前だと思うからだ。そんなお金をかけないで美味しいものを人々に安価に提供する技術こそが讃えられるべきで、ただの成金趣味をマスメディアがチヤホヤして宣伝するのは、ただただ下品な趣味にしか見えなかった。

先ほど湯豆腐とぬる燗で晩酌をする。湯豆腐は目の前のスーパーで買った一丁28円のもので、昆布出汁でサッと暖めたもので、その残り湯でぬる燗にした2リットル698円の日本酒のパックである。
色々試してみたのだが、確かに剣菱などだと美味しいし、「辛口一献」なども良い。でもぬる燗をしてみて味の差はほとんどないのだ。お燗のタイミングの差の方がずっと大きい。(冷やだとお酒の味の差は大きいが、冷やしすぎたら香りなどより冷えた飲み物が喉を通っていく気持ちよさに味の違いがわからない。吟醸酒などを味わうならば、適温が大切!)
また豆腐も、昆布だしのタイミングと、最終的にかけるポン酢の味の差であり(私はポン酢派です…。もちろん時には湯豆腐用の汁も作ることもあるが、呑むのに手間をかけすぎるのもどうかと…)暖めすぎて簀の入った酷い湯豆腐にしてしまう愚をしなければ(何しろ湯豆腐にお燗は一にも二にもタイミング!)充分に味わい深いものが味わえる。ちょっとした生姜をおろしてコマ油を隠し味にしたりした冷や奴とともに湯豆腐もこの季節は良いものだ。
それに一つ28円である!良いところに私は住んでいるものだ。ちょっとでかければ北鎌倉の風景にとけ込むこともできる。

美味しい食材を否定するのではないが、法外な値段にむらがる成金を羨ましがる愚か者にはなりたくないものだ。
by Schweizer_Musik | 2007-01-29 19:23 | 日々の出来事
ミュージカルの曲を一部公開!
今日はミュージカルの授業のための曲作りと補作を行う。
先ほど、序曲が出来たのでアップしたのだが、あれは元が学生の曲なので、やはり公開は控えようと思う。で、その後、チャゲ&飛鳥の番組を見たりしながら三時間ほどで書き上げた回想シーンの音楽をアップすることにした。短い曲なのでそんな不謹慎なやり方でも2分ほどの作品となっている。
雰囲気はドビュッシー。でもちょっとひねってあるが、私の曲としては珍しく最初から最後まで四拍子でテンポも変わらず出来ている(笑)。全音音階〜ドリア旋法〜全音音階〜フリギア旋法〜全音音階〜リディア旋法〜全音音階〜ミクソリディアという形で、最後はフリギアで終わっている。一種のロンド形式とも言えなくはないが、同じサイズのものが交互にモードを変えて繰り言のように出てくることで、回想シーンに合うのではと思ったのだ。かなり力を抜いて作ったつもりだが、考えてみると、重い音楽になってしまった。つい一管編成の楽器を使いたくなってしまった。これは書き直した方が良いかなぁ…。とりあえず、皆様のお耳汚しとは存じますが、ご意見拝聴いたしたく存じます。
二月五日までの期間限定公開といたします。

ミュージカル「8フレンズ」回想シーンの音楽

結局諦めて改訂版を作りました。テレビなどでは重すぎるのですが、舞台ならばこれでもいけるかなと…
全面的に全音音階を使ったもので、安直な曲です。
ミュージカル「8フレンズ」回想シーンの音楽(改訂版)

2007年1月30日22時追記
更に今朝出がけに30分ほどで最終稿を書きました。芝居をしている時に流れる音楽ですから、あまり充実した音を書いてはいけません。ということで、実に安直な薄っぺらな音楽!
回想シーンの音楽(最終稿)
by Schweizer_Musik | 2007-01-29 00:36 | 授業のための覚え書き
今日は休養日〜!
ミュージカルの授業が佳境に入ると同時に、アカデミーの共通科目の作曲の授業もオケ作品を作るという段階に入り、佳境に入っている。
授業時間はもう大変なのだが、ミュージカルは序曲など、オーケストラがまだ完全に使いこなせないこともあって、私がやらなくてはならないこととなってしまった。
基本的なところは書かれてあるので、私がオーケストレーションの手直しをするのであるが、意外なほど手間がかかりそうだ。
明日にはあげないといけない。でないと、他の仕事に差し支えるので…。
今日は一日休み。よくこんなに寝られるものだと思うほどよく寝た。序曲は出来たらアップしよう。学生の作品ながらちょっと古い時代のミュージカルの序曲らしい書法でうまく出来ているので…。
by Schweizer_Musik | 2007-01-27 21:22 | 日々の出来事
シラバス案、完成!
シラバスが完成した。現代音楽の2つの授業については、今年やってみて、少しだけ違和感を感じた部分を修正したりして、今までとは異なるプランを考えてみた。
そのために大変な時間がかかってしまった。こんな程度のものに何でこんなに時間をかけたのか、誰にもわかってもらえないだろうけれど…(泣)。
とりあえず、こんなプランで授業を組み立てるという道標のようなもので、まだ決定ではない。学校がこれでいいよと言ってくれて初めてシラバスとなるのであるから、今のところは、私の授業プランというところか…。

まず本科生のためのシラバスであるが、前期はまず古典モードから合成音階などの近代から現代に至る音階の使用方法を作品の分析から、更に4度構成の和声などから多調性、そしてバルトークの論理的な作曲法についてその基本的な考え方を学び、作品を試作してみるということを目指すこととした。
01) 近代のはじまり : ワーグナーのトリスタン和音から調性の拡大と崩壊と二十世紀を俯瞰する
02) モードの説明 : 古典モードの基本的説明
03) モードによる作品の分析(1) : ドビュッシーの夜想曲より「祭り」(各種モードの使用について)
04) モードによる作品の分析(2) : オネゲルの「夏の牧歌」、イベールの「寄港地」第2曲の分析。
05) モードによる作品の分析(3) : 芥川也寸志の交響管弦楽のための二章の分析。オスティナート作法の可能性について
06) モードによる作品の分析(4) : ウォルトンのヴァイオリン協奏曲第2楽章、第3楽章の分析
07) モードによる作品の分析(5) : バルトークのミクロコスモスの分析 (試験)
08) 古典モードから合成音階へ : 近代のモード、ペンタトニック、ヘキサトニックについて基本的な説明
09) 合成音階(1) : オネゲルの交響曲第5番、メシアンのみどり子イエスの20のまなざし、シベリウス交響曲第四番、ストラヴィンスキーの火の鳥
10) 合成音階(2) : オネゲルの「機関車パシフィック231」の分析
11) 多調性(1) : ミヨーの小交響曲第1番「春」の分析
12) 多調性(2) : オネゲルのダヴィデ王、交響曲第五番の終楽章の分析
13) 中心軸システムの分析 : バルトークの二台のピアノと打楽器のためのソナタの第1楽章の分析
14) 中心軸システムと黄金分割 : バルトークの弦・打・チェレスタのための音楽の第1楽章の分析
15) フィボナッチの数列の応用 : バルトークのアレグロ・バルバロの分析

続いて後期の授業は調性を崩壊から無調、そして12音主義への20世紀前半における重要な技法を学び、それによる小品を試作してみることから、クラスターなどの和音の使い方、4度構成のハーモニーから2度構成のハーモニーと、和音という切り口から近現代の作曲技法を学ぶ。

16) 12音に至る経緯 (1) : 無調の試作の段階 シェーンベルクの室内交響曲第1番からピエロ・リュネール
17) 12音に至る経緯 (2) : ベルクのピアノ・ソナタの分析、歌劇「ヴォツェック」の紹介〜古典形式へのアプローチ
18) 12音に至る経緯 (3) : 音色への興味/ウェーベルンのパッサカリア〜バッハの編曲作品から交響曲へ(音色旋律)トータル・セリエルへ
19) 12音による作品の分析(1) : シェーンベルクの木管五重奏曲の分析
20) 12音による作品の分析(2) : ウェーベルンのピアノのための変奏曲の分析
21) 12音列の制作実習(1) : 音列を制作しメロディーを作り、伴奏を書く
22) 12音列の制作実習(2) : 音列を制作し二声もしくは三声のカノンを書く
23) 近現代音楽における和音の考え方 : 高次倍音と二度和声、四度和声について
24) 11の和音から13の和音(1) : ラヴェルの高雅で感傷的なワルツの分析
25) 11の和音から13の和音(2) : ストラヴィンスキーの管楽八重奏曲、スクリャービンのピアノ・ソナタ第8番
26) 15、17の和音 : オネゲルの交響曲第3番の終楽章、ラヴェルの「マダガスカルの土人の歌」の分析
27) 4度構成の和音(1) : ストラヴィンスキーの小管弦楽のための組曲の分析、4度構成のハーモナイズ
28) 4度構成の和音(2) : 3和音〜4和音について、ストラヴィンスキーの7重奏曲、オネゲルのダヴィデ王の分析
29) 付加音和音 : 増6の和音(伊・仏)から短3、増8、重増8、増3などの付加音、開離での使用などヒナステラのソナタ、ジョリヴェのファゴット協奏曲などの分析
30) 二度構成の和音からクラスターへ

こんな流れで本科生の現代音楽の授業を組み立ててみた。今までは12音をさきに行っていたのだが、現実にドデカフォニーからトータル・セリエルの方が過去の遺物となりつつある現在、モードなどを最初に学んだ方が、それを使った作品制作が早く出来るということもあって、これを入れ替えることにした。それに伴い、色々な要素を前後に入れ替えると同時に使用する曲も一部に変更を加えた。
ケックランやパーシケッティの本などを教科書に使いたいのだが、多くは絶版で使えず、今年もスコアなどをみんなで見合いながらのアナリーゼとなりそうだ。
しかし、どう考えても20世紀前半の作品が中心の分析であるから、現代音楽作曲法という科目名にちょっとプレッシャーを感じずにはいられない。

アカデミーの方はもう少し現代音楽らしい内容となる予定である。続いてアカデミーの方の案を…。

まず前期は、トータル・セリエルなど1950年代の理論的根拠となったウェーベルンの作品、メシアンの初期のドビュッシーの影響下の作品を中心に分析することから、論理的な作曲について習得することを目指す。
01) 無調への道(1) : ストラヴィンスキーの兵士の物語の分析(調性の新たな可能性の模索)
02) 多調性の音楽(1) : ストラヴィンスキーの「春の祭典」のもたらしたもの、その影響について
03) 多調性の音楽(2) : ストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」「春の祭典」の分析。ポリ・コード、ポリ・リズムなどの説明
04) 多調性の音楽(3) : オネゲルの「ダヴィデ王」、交響曲第5番終楽章の分析(復習)
05) 無調への道(2) : シェーンベルクのピエロ・リュネールの分析(調性の際限の無い拡大)。語りと朗唱について。
06) 12音への到達と崩壊 : ウェーベルンの交響曲の分析(本科の復習/音色旋律と十二音)
07) 12音以後 : 矢代秋雄のピアノ・ソナタ
08) メシアンの音楽(1) : 世の終わりのための四重奏曲の分析(1)
09) メシアンの音楽(2) :世の終わりのための四重奏曲の分析(2)
10) トータル・セリエルへの接近 : メシアンの4つのリズムの練習曲の分析
11) トータル・セリエルの後 : チャンス・オペレーションと音世界の拡大(ケージ)
12) ポーランド楽派の跳梁 : ペンデレツキの「広島の犠牲者に捧げる哀歌」の分析
13) ポーランド楽派の跳梁 : ルトスワフスキの「オーケストラのための書」の分析
14) リゲティの音楽 : リゲティの初期から中期にかけての音楽の技法(音群作法について)
15) ポップカルチャー : ポップカルチャーのアンチテーゼ。ミニマル・ミュージックの跳梁と

後期は、武満徹などの戦後の日本の作曲家による作品を分析し、その技法を学ぶことに集中することにした。
16) バルトークの音楽 : 管弦楽のための協奏曲の分析
17) ショスタコーヴィチの音楽 : 交響曲第4番の分析
18) 雅楽などの伝統音楽への接近 : 近衛秀麿の「越天楽」の分析〜早坂文推の音楽
19) 日本の民族主義 (1) : リトミカ・オスティナータの分析(モードとリズム)
20) 日本の民族主義 (2) : 3人の会の音楽(1) 團伊玖麿の「夕鶴」 芥川也寸志「弦楽のためのトリプティーク」
21) 日本の民族主義 (3) : 3人の会の音楽(2) 黛 敏郎の涅槃交響曲などの分析"
22) 日本の民族主義 (4) : 早坂文推の映画音楽とシリアスな作品を俯瞰する
23) 日本の民族主義 (5) : 外山雄三のラプソディ、小山清茂の管弦楽のための木挽歌などの分析
24) 日本の民族主義 (6) : 間宮芳生のヴァイオリン協奏曲、セレナーデの分析
25) アカデミズムの音楽(1) : 矢代秋雄のピアノ協奏曲の分析
26) アカデミズムの音楽(2) : 三善晃の交響三章の分析
27) 武満 徹の音楽(1) : 弦楽のためのレクイエムの分析 (弦楽の可能性)
28) 武満 徹の音楽(2) : 地平線上のドーリアの分析(雅楽への接近)
29) 武満 徹の音楽(3) : ガーデン・レインの分析(ブラスによる音色の多様さの追求)
30) 90年代以降の音楽 : 吉松隆の「朱鷺によせる哀歌」の分析

こうしたプランを作るのは意外なほど大変だった。とはいえ、こうして勉強できるのだから、文句を言うと罰が当たるというものだ。この他にもオーケストレーションのシラバスなど持っている授業コマ数が多いので、結構大変だったが、まぁなんとか期限内に作成して提出を終えることができた。
今日は一日授業もあって、現代系の一年生たちと、ボレロの分析とペルトのカントゥス(ブリテンの死を悼んで)を聞く。ついでにコダーイのハーリ・ヤーノシュの第一曲のくしゃみの部分の書法について説明しつつ、イベールなどにこうした書法が聞かれることや、「ウィーンの音楽時計」でバスが全く使われない、ウィンド・アンサンブルでのアレンジの妙についてもスコアを見ながら話す。
楽しみながらの三時間であったが、さすがに一日となると疲れた。明日は完全休養にあてよう。
by Schweizer_Musik | 2007-01-26 22:14 | 授業のための覚え書き
松下真一のフレスク・ソノール(音の壁画)について
数学者にして作曲家、松下真一(1922-1990)の7楽器のためのフレスク・ソノール(音の壁画)について考える。(今日の現代音楽の授業のテーマはこれである。その私の予習である)
1965年に作曲され、その年の五月にザグレブで初演され、更にマドリッドSICM現代音楽祭で入選し、ベルリン・フェストヴォヒェンでブーレーズがベルリン・フィルのメンバーと演奏した、松下真一の代表作とされるものである。
いわゆる前衛音楽というものが、クラシック音楽界の先頭をきって走っていた時代の作品であり、この前に書かれた「11楽器のための「3つの時間」のようなウェーベルン風の点描主義的な音楽から、より響きの官能性に向かった頃の作品である。
彼はこの後、シンフォニア・サンガという仏教をテーマにした合唱を加えた東洋神秘主義とでも言いたくなる新しい世界へと向かうのだが、その間に書かれた名作がこれである。
「持続音と即興性、響きへの傾斜」これがこの作品のテーマではないか。
ハープを除くフルート、オーボエ、クラリネット、ホルン、ヴィオラ、チェロなどが織りなす持続音がこの作品にある官能性を与えていることは間違いない。対してハープが様々な技巧を使ってアクセントをつけていく。

冒頭にフルートが無伴奏で演奏するテーマとその変容と名付けられるのではないだろうか。主題と大体八つの変奏(というか変容)というのが私のこの作品の見方(聴き方)である。
二本ある弦楽器はほぼ持続音などの背景を作ることに費やされ、4本の管楽器が作品を展開していく。ハープが即興的にこれを主導する。
前衛華やかかりし頃の、極めて興味深い傑作であるにもかかわらず、今日、顧みられないのは、彼が大阪出身で九州大学卒業の数学者で、主に海外(ハンブルクだったと思うが大学の教授だった)ということもあるのではないか。
この時代の作品を過去の遺物として無視していては、不毛な未来しか見えてこない。確かに聴衆がいない現代音楽の演奏会なんていやだが、正しい評価を下さないと…。
ちなみに、私は秋山和慶の指揮でこの曲のLPを持っている。なんて素晴らしい指揮者なのだろう!久しぶりに取り出して聞いてみて、これには感激してしまった。そういえば、彼の指揮した松下真一の「星達の息ぶき」(1969)も素晴らしい演奏だった。CD化されたのだろうか?
by Schweizer_Musik | 2007-01-24 07:47 | 音楽時事
ヤンソンスの指揮によるラフマニノフの交響曲第2番
昨日は禁欲的な宗教音楽を堪能させていただいた。今日はその反動でちょっと色っぽい音楽を聞いてみようと、前から気になっていたシャンドスに録音していた頃のマリス・ヤンソンス指揮フィルハーモニア管弦楽団によるラフマニノフの交響曲第2番を聞く。
プレヴィン、オーマンディ、あるいはザンデルリンクなど色々良い演奏を聞いてきたが、このヤンソンスの録音は本当に素晴らしい。実はこの後10年ほどしてEMIに移ってヤンソンスは交響曲全集を録音しているのだが、気の抜けたサイダーみたいな安全運転の連続で、買ってからすぐに手放してしまった。こういう色っぽい音楽ってきれいに整っているだけではどうもピンと来ないことが多い。(ごめんなさい、ヤンソンス・ファンの方。個人の好みの問題ですから…お許しを!)
しかし、この1980年代中頃までのヤンソンスは、覇気にあふれている。そして音楽が歌い、うねり、饒舌に流れるのだ。ちょっとしたフレーズもチャーミングでうっとりさせる。プレヴィンやオーマンディのような完成度ではないものの、緊張感と集中力で聞かせる。
キュイなどの酷評にさらされ、すっかり自信を失ったラフマニノフがダール博士の治療によってようやく自信をとりもどし、あのピアノ協奏曲第2番を作曲し、その好評をバネに書いた作品であるが、冗長ということで繰り返しをカットしている場合がある。
繰り返すと1時間近い作品となるのだが、私は繰り返した方が良いと思う。美しいメロディー、美しいハーモニーはもっと聞きたいではないか。つまらない演奏ならさっさと終わってほしいのだが…。
この感覚的にも美しいメロディーは、二十世紀後半に完全に失われてしまったものだった。ポピュラー音楽だけに残り、シリアスな音楽はこうしたメロディアスなものを軽蔑することが大切だと思いこんでいたものだ。
まあ、それが間違っていたことだけは間違いのない話(変な言い回しだ!)であるが、私はこういう魅力的なメロディーを書くことは今も一つの憧れとなっている。
しかし、良い演奏である。聞いたことがないという方は、ぜひ一度ご賞味あれ!
ナクソス・ライブラリーで聞くことができる。
by Schweizer_Musik | 2007-01-22 21:11 | ナクソスのHPで聞いた録音
神奈川フィルの定期に出かけた
昨日はyurikamomeさんに誘われて、神奈川フィルの定期に出かけ、その後yurikamomeさんを中心としたオフ会(?)で、大いに飲んでしゃべった。楽しい一日になり、シラバスとの格闘から解放された。
シュナイト氏の指揮でドイツ・レクイエムを聞いたのだが、前半、合唱のピッチがフラットに聞こえ、まだ身体が温まっていないようだったが、後半になって調子が出てきた感じだった。
しかし、ドイツ・レクイエムはブラームスの比較的若い頃の作品にしては渋い作品で、響きも落ち着いていて静かに語るような趣で「怒りの日」などのドラマチックな部分が全くない。瑞々しいメロディーに満ちているが、退屈させないで聞かせることは至難の技のようだが、昨日のシュナイト氏は素晴らしい集中力でこの作品を一気に聞かせてくれたのだった。第6楽章は圧巻だった。フガートに移る前のたまっていた力があふれるように出てくるところは全く見事で、手に汗にぎるという感じだった。一方で第1、第2楽章などの穏やかな抑揚でひたひたと迫ってくる音楽が、細やかなニュアンスで歌い上げるあたりもまたとても良かった。
終わってからの飲み会は同好の士の集まりで、全く楽しく飲ませて頂いた。キリン・ビア・ホールであったので、久しぶりにビールをたらふく飲んだ。一週間ほど前に教え子たちと飲んで以来だったが、私が外で飲むなんて、滅多にないことであるので、これは珍しい現象だ。
ともかく楽しい一日を、多くのみなさんのおかげて過ごさせて頂いた。ああ楽しかった!
今日は一転、明日からの授業の準備とシラバスとの格闘が待っている。しっかり寝たのだから、さあがんばろう!
by Schweizer_Musik | 2007-01-22 10:44 | 日々の出来事
今朝のニュース…
気が付いたら日曜日である。
今朝の新聞で、先日の納豆ダイエットなる放送がねつ造だったという「笑い話」が一面トップに来ていた。この回を見るともなく見ていた私もそれをしようと買いに行ったが買えず、メディアの影響力の大きさに驚いた(かく言う私もそうなので影響を受けた一人だったのだが…)。
しかし、納豆が身体に悪いとは聞いていないので、食べるようにしようと思い、昨日買ってきたところだったが、私はそうショックを受けているわけではなく、関西出身であまり食べる習慣がない納豆を食べるようにしようかと思った程度である。
このくらいが健康番組に欺されて腹を立てないで生きていくコツなのではないかと思う。納豆をたくさん買い込んで「欺された」と言ってもう食べるのを止めようというのは、全く「うそ」に振り回されることだと思う。
しかし、一番迷惑を受けたのは納豆の生産者ではないだろうか。注文に対して生産が追いつかず、増産に入ったところでこの「発表」である。来週あたりから投げ売り状態になるのは必定であろう。愚かな関西テレビと制作会社のおかげである。納豆は何も悪くないので、これからもみなさん食べましょう!!身体には良いそうですよ。但し痩せるとは限りませんが…。
by Schweizer_Musik | 2007-01-21 07:47 | 日々の出来事
水曜日のことなど・・・
今週はずっと来年度のシラバスを作っていてネットに接続できていない。
一昨日の授業も準備の時間がとれず、手持ちのいくつかのネタで乗り切ってしまった。
現代音楽の時間ではサティのバラード(どこが現代音楽なんだ!)を用いて、近・現代の音楽に与えたサティの役割の大きさを話した。バレエ・リュスのために書いて1917年に初演されたこの作品は、第一次大戦後、再びパリに戻ったディアギレフが取り上げたものであるが、「春の祭典」のような複雑なスコアの次に、ここまで単純なスコアが出てきたところに、逆にとまどいがあったのではないだろうか。
「あなたがほしい」や「ジムノベティ」などだけでサティを知り、それで終わっているとしたら、本当に彼の凄さを知らないままに終わることであると思う。「バラード」や「本日休演」といったサティにしては大規模な作品や「貧者のミサ」などあまり知られていないが本当に素晴らしい傑作に耳を傾けるべきだろう。
しかし、ついでに「官僚的なソナチネ」をかけて、これが史上最初のものとは言わないが、クレメンティの見事なコラージュとなっているのはどうだろう!
凄い人である。ストラヴィンスキーのペルゴレージのコラージュである「プルチネルラ」があったのではないかなどと思ってしまう。

オーケストレーションの授業ではブリテンのシンフォニエッタをとりあげる。実はマルティヌーの調理場のレビューという作品をとりあげる予定だったのだが、ちょっと休み時間に近くのアカデミアという書店に出かけ(学校からほんの数分で行けるので)そこで手にとってみて、これをとりあげようと思った次第。
1管編成のオーケストレーションをとりあげていくのでこれがちょうど良かっただけなのだが、なかなか良い曲で、ブリテンが作品番号1をつけたのも頷ける。
来週はイベールのサックス協奏曲をとりあげる予定である。

しかし、シラバスを書くのは大変だ。しっかり考えておけば、一年苦労しないし、学生たちも何をどう学ぶのかがわかって授業に来るのだから、これはきちんとしないといけないのだが、私は担当教科が多いので大変なのだ。今週はこれで終わりそうである。
そろそろ学校だ。いそがなくては!
by Schweizer_Musik | 2007-01-19 07:47 | 日々の出来事