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しばらく私は実家に帰ります…
c0042908_13501883.jpg本日より一週間ほど、実家に帰り、ご先祖様のお墓にお参りしたりして来ます。ですから、しばらくブログを更新できません。
八月二日か三日には戻りますので、また戻りましたら賑々しくお運びのほど、お願いいたします。

写真はスイス、チューリッヒのトーンハレのエントランス。八月末にはこのブラームスがこけら落としをしたという由緒あるホールで私の曲が響くのだ…。嬉しいばかりである!

あっ、スイス行きはまだまだ先ですので…。では、しばらく実家に帰ってきます。
by Schweizer_Musik | 2008-07-28 13:52 | 日々の出来事
シュナイト指揮神奈川フィルによるヴィヴァルディの「四季」
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作曲者 : VIVALDI, Antonio 1678-1741 伊
曲名  : 協奏曲集「和声と創意への試み」Op.8 (1724出版) 第1番〜第4番「四季」
演奏者 : ハンス=マルティン・シュナイト指揮 神奈川フィルハーモニー管弦楽団, 石田泰尚(vn)
CD番号 : MusicScape/MSCD-0027

yurikamomeさんのご厚意で聞かせて頂いたものである。
イ・ムジチ合奏団などの軽妙で明るい響きを想像していると驚かされる。どの位の弦楽で演奏したのかは知らないけれど、最近は多くても10人程度で演奏されることの多いこの曲をかなりの人数でやっているみたいに聞こえる。
アンサンブルか楷書風のがっちりしたもの。一方、石田氏のヴァイオリンは実に美しい。リピートする際の即興的な変奏は、近頃の演奏からしたらかなり控えめで、シュナイト氏の指揮によく寄り添っていると思われる。
しかし、ソロのテンポはかなり自由で、シュナイトと通奏低音を担当する演奏家たちは、ソリストをとてもよく引き立て、支えている。
チェロは恐らくは山本氏。これもとても良い。サウンドは今の季節には少々暑苦しい(すみません!)けれど、この熱さ、妥協の無さがとても良いと思う。
イタリアの地へのドイツ人の憧れがそのまま出ているようで、神奈川フィルがミュンヘン・フィルにでもなったみたいである。弦楽のアンサンブルの美しさは石田氏が豪語するだけのことはある。その辺のオケでこの音が出せるところはまずないだろう。
特に厚みのある低音の響きは特筆されるべきだろう。それは「夏」の第1楽章で特に感じさせられるところである。
今更「四季」なんてと思われる方でも、この録音は一度耳にされても良いと思う。シュナイト氏のうなり声付きでライブ感に溢れた名演だと思う。

録音はいつもより良い。ただ、もっと残響を取り入れたマイク・セッティングが望ましい。迫力はあっても音楽の潤いがないのは、素晴らしい演奏を記録する上で配慮に欠けると思う。いつもながら、録音に対しては今ひとつ…でも演奏は最高で、神奈川フィルの実力を示すものだ。

写真はルガーノのサン・サルヴァトーレ山の山頂からイタリア方面を撮った一枚。ミラノの写真でも良かったのだけれど…こちらの方が涼しそうなので。
by Schweizer_Musik | 2008-07-28 11:56 | CD試聴記
ミューザ・サマー・フェスタでトゥーランドットを聞く
川崎にあるミューザで現田茂夫指揮神奈川フィルによる演奏会形式のプッチーニの歌劇「トゥーランドット」抜粋を聞く。
カラフは福井敬、リューを歌ったのは大隈智佳子(これが素晴らしかった!!)、トゥーランドットは岡田昌子他のキャストで、神奈川フィル合唱団と合唱指揮の近藤政伸氏が案内役としてストーリーなどを流暢に説明された。
yurikamomeさんにとっていただいたチケット代がなんとS席3000円。ホント、こんな値段で聞いていいの?と心配になるほどであった。
で、演奏は最高のもので、管弦楽、合唱はほぼ完璧だった。現田茂夫氏のバトンテクニックは、日本では最高水準にあると思う。コンマスの石田氏をはじめとする神奈川フィルのパフォーマンスも最高のもので、プッチーニのインスピレーションに満ちた素晴らしいスコアを完璧に音にしていく。あれは見事だった。CDでもこんな音を聞くことができることは滅多にない。まして実演では残念ながら皆無に近いけれど、数少ない例外がこの神奈川フィルというわけである。
今のこの組み合わせで聞く音楽は、聞き逃すのはもったいない!

歌はリューの大隈智佳子さんが素晴らしい出来で、2つのアリアをあんなにきれいに歌うとは!!色々聞いてきたけれど、今まででナンバーワン!の歌だった。あれが聞けただけでも私は昨日出かけた意味があったと思う。
もちろん福井敬氏の歌も心から堪能させていただいた。「泣くなリュー」と「誰も寝てはならぬ」も良い出来で、会場からブラボーが聞かれたのも当然だった。この役に合ってないと、ちょっと思ったことは否定しないけれど、彼のテクニックはそんなことを感じさせる隙間を作らない。さすがである。
トゥーランドットの岡田昌子さんも大変難しい役柄だと思うが、それをよくこなしていたと思う。大体、このトゥーランドット役を満足したことは今までほとんどなく、ただビルギット・ニルソンの2つの盤と全く対照的なカラヤンのリッチャレッリの歌で満足したに過ぎない。
ビルギット・ニルソンの切れ味鋭いトゥーランドット姫はドラマに緊迫感をもたらすが、リッチャレッリは薄倖の姫君の趣で、さてどちらを選ぶべきか…(笑)。
昨日の岡田昌子さんは切れ味のある歌唱で、ドラマを盛り上げていた。私はもう少し広がりのある響きが欲しいと思った。でも昨日のあの環境でそれを望むのは、あまりに贅沢に過ぎると思う。
合唱も素晴らしい出来であった。ピッチも決まっていて、さすがにオケの名を冠した合唱団である。これでこそ最高のパフォーマンスと言えよう。
ああ良い演奏会だった。勝手に神奈川フィルを応援する会のyurikamomeさんとご一緒させていただき、終わってからそのまま居酒屋で飲んで帰る。いや良い一日だった。
by Schweizer_Musik | 2008-07-28 07:50 | 神奈川フィルを聞く
夏…涼しくして音楽を聞こう -18. ブラームスのヴァイオリンとチェロのための協奏曲
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作曲者 : BRAHMS, Johannes 1833-1897 独
曲名  : ヴァイオリンとチェロのための協奏曲 イ短調 Op.102 (1887)
演奏者 : ジノ・フランチェスカッティ(vn),ピエール・フルニエ(vc),ブルーノ・ワルター指揮コロンビア交響楽団
CD番号 : SONY-classical/SMK 64 479

ブラームスの音楽と言えば、北ドイツの重苦しい冬空を思わせるような重厚な音楽を思い浮かべる方が多いけれど、彼が秋から春のシーズンにおもに仕事をしたのはウィーンであり、夏になるとスイスのチューリッヒやトゥーン、あるいはオーストリアのペルチャッハなどで過ごして作曲を行った。
ウィーンに定住後に交響曲第1番以降の主要な作品が書かれたが、これらの多くは夏の期間に南オーストリアやイタリア、スイスの各地で作曲された。
晩年のブラームスは友人に「ここからすぐにでも列車に乗ってスイスに行きたい」と書いているけれど、彼の音楽を聞いているとこのアルプス地方からイタリアへの憧れのようなものが、重々しい楽想に光を当てて音楽を魅力的にしているように思う。
実際、彼の音楽を聞いていると、アルペンホルンの響きなどがふと曲の中に浮かび上がってきたりして、聞く者を「ハッ」とさせる瞬間がある。
交響曲第1番の終楽章が好例であろうが、私はスイス、ベルナー・オーバーラント地方の魅力的な湖畔の町トゥーンで書かれたこのドッペル協奏曲にまさる作品はないと思っている。
ブラームスは自身の作品に全くと言って良いほど「標題」を付けなかった。またそのせいで「重苦しい」とか「堅苦しい」という印象を与えていて、随分ソンをしているように思う。
私が、このドッペル協奏曲にタイトルをつけるならドヴォルザークの「新世界より」をもじって「スイスより」と付けるだろう。
この曲の第2楽章はいかにもブラームスらしいと思うが、それ以上にアルペンホルン風の出だしの後、しみじみとしたメロディーがアルプスの夕暮れを思い起こさせ、ささくれだった心を和ませる。ヴァイオリンにヴィオラが寄り添い、更にヴァイオリン・ソロが花を添える。ああなんて美しいのだろう。
ブラームスはスイスを心から愛していた。彼がハイキングをしたコースを私もいくつか歩いたけれど、その健脚ぶりにはとてもとても私などには真似できないものだった…。

この作品は実は当時、ヨアヒムの邪推から険悪となっていたブラームスとヨアヒムの和解をもたらした作品で、初演当時は「和解の協奏曲」とも呼ばれていた。しかし、これほどの名曲だったにも関わらず、評判は今ひとつだったようである。
それは二重協奏曲という形式というより、合奏協奏曲風のソロがアンサンブルの一部分となっていくスタイルにあったと思われる。
何しろ協奏曲と言えば、華麗なソロを聴衆は期待していたわけなのだが、そうしたものには目もくれず、ブラームスは作品優先で仕上げている。華麗なソロを聞きたければサラサーテなどを聞けばよろしいというわけであろう。

スイスで生まれた名曲であり、それが夏の間、アルプスを歩き回る中から生み出されたことを知ると、重厚で「北ドイツ風の」というわかったような批評が、なんて軽薄な言葉かわかるはずだ。

写真はブラームスがよく散歩したというトゥーンのアーレ河畔の道。写真ではよく見えないけれど、この向こうには白銀に輝くベルナー・オーバーラントの山々が望める。
演奏はあまりに沢山の名演奏がありすぎて選べず、スイスにゆかりの演奏家たちのステレオ録音ということで選んだ。
フルニエはジュネーヴに住んでいたし、ワルターはルガーノに家があった。ワルター一家のお墓はルガーノ郊外の聖アボンディオ教会の墓地にヘルマン・ヘッセなどとともに眠っている。下の写真はワルター一家のお墓。
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by Schweizer_Musik | 2008-07-27 10:15 | 夏…涼しくして音楽を聞こう
夏…涼しくして音楽を聞こう -17. オネゲルの「夏の牧歌」
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作曲者 : HONEGGER, Arthur 1892-1955 スイス
曲名  : オネゲル/夏の牧歌 (1920) Pastorale d'Été
演奏者 : ジャン・マルティノン指揮 フランス国立放送管弦楽団
CD番号 : 1971年6月,7月録音

この名作は、パリ音楽院を卒業した若いオネゲルがスイスのヴェンゲンで一夏を過ごした際に書かれた。
E音を主音とするミクソリディア旋法による作品で、こうしたモード技法の作品において今日では常套手段となったオスティナート作法を使っている。その上にカノンなどの手法で音楽が弛緩するようなことがないようにと様々に手を凝らしている音楽である。
中間部には素朴な民謡風のメロディーをあてがっているが、動機処理で展開するのではなく、カノンなどの素朴な手法によっているところに、オネゲルの優れたバランス感覚を聞くことができる。
このように素朴な調性音楽からオネゲルは「ダヴィデ王」以降離れて行く。ポリ・コードや多調性を近代的な合成音階によるモード技法の衣を纏って、重厚で厳しい響きの世界へと向かうのだが、この曲で使われた技法の音楽は映画音楽で再び戻ってくることとなる。

さて、ここで紹介したCDは、多くの「夏の牧歌」の録音の中でもシャルル・ミュンシュのそれと並んで最も美しいものの一つ。
オネゲルの作品の中でも人気の作品なので、名演は多い。ヘルマン・シェルヘンがロイヤル・フィルを振ってウェストミンスターにいれたものやファビオ・ルイジがスイス・ロマンド管弦楽団と録音したものなど、とても美しい演奏だった。
マルティノンは冒頭の部分の録音がやや混濁していて聞きづらく、とても惜しい。それでも全体のとらえ方というか描き方が大変スケールがお大きく、ただ美しく鳴らせばいいという程度の音楽とは根本的に異なる、大きさというか、広がりを感じさせるので好きな演奏である。
ファビオ・ルイジの演奏とどちらをあげるか、ずいぶん悩んだのだけれど、やはり古いマルティノンをあげておこう。

写真はそのヴェンゲンの…と言いたいところであったのだが、良い写真が無く、ヴァレーの谷、グレッヒェンのハンニックアルプのパノラマ写真である。塔のように天に向かうビーチホルンがきれいだった…。
この時泊まったホテルには、あの犬養道子女史も泊まっておられた。私は気後れしてお声をかけることもできなかった。今だったら図々しく話しかけていたことだろうが…(笑)。
ちなみにそのホテルは翌年、閉館になっていた。とても良いホテルだったのだけれど…。
by Schweizer_Musik | 2008-07-27 07:15 | 夏…涼しくして音楽を聞こう
夏…涼しくして音楽を聞こう -16. グリーグのピアノ協奏曲
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作曲者 : GRIEG, Edvard 1843-1907 ノルウェー
曲名  : ピアノ協奏曲 イ短調 Op.16 (1868/1906-7改訂)
演奏者 : レイフ・オヴェ・アンスネス(pf), マリス・ヤンソンス指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
CD番号 : EMI/5034192

この曲。なんとも涼しげな音楽だと思う。懸垂氷河が崩れ落ちるような冒頭のアルペジオから、木管とオケの受け答え、そしてピアノが登場してのピアノの弦楽の受け答えはどことなく寒々として、涼しげでとてもよろしい。
グリーグというと、ピアノ・ソナタや3曲あるヴァイオリン・ソナタ、あるいは生前は世に出なかった交響曲(スヴェンセンの作品を聞いて、引っ込めてしまったと言われている)がある。
でも生前、名ピアニストとしてヨーロッパに鳴り響いたグリーグだけに、私には数多く残された魅力的なピアノの小品の数々や、歌曲にこそ、グリーグの最良の筆致が表れているように思われてならない。
しかし、このピアノ協奏曲だけは別で、昔からとてもよく聞いてきた。通俗名曲としてあまりに多くの人の演奏を聞き、やや食傷気味であることは否めないものの、良い演奏で聞くとやはりよく書けているなぁと思うし、感動もする。それに涼しげで、夏の暑い日に涼しい部屋で聞くのに最高の音楽だと私は思う。

昔、はじめてこの音楽を聞いたのは、ディヌ・リパッティのピアノによるものであった。指揮は名匠アルチェオ・ガリエラ。一カ所だけテープに脱落があるものながら、最高の演奏として名高いものであった。私はリパッティの演奏を何度も聞きながら、厭きることなかったけれど、オケの解像度の悪さ、録音の古さに閉口していたことも事実だった。
その後、ラドゥ・ルプーのピアノ、アンドレ・プレヴィン指揮ロンドン交響楽団による名演に出会ったのが高校二年生の時。以来この演奏が私のグリーグのピアノ協奏曲の愛聴盤でありつづけたのだけれど、何年か前にこのアンスネスの演奏に出会い、一度にその虜となってしまった。ヤンソンスの指揮するベルリン・フィルも素晴らしく、完璧だ。
良い音楽だ。一緒に収められているシューマンのピアノ協奏曲も名演!
この涼しげな音楽とともに、そろそろ寝よう。昨日の疲れで、今日は何もできないまま寝て過ごしてしまった…。
写真は、あの名テノール歌手エルンスト・ヘフリガーの故郷、スイス東部のダヴォスの駅前からみた残照である。ダヴォス会議がここの国際会議場で行われたことで知っておられる方が多いだろう。
ただ、比較的新しいリゾート地なので、私のような者にはあまり面白い村ではなかった…。
by Schweizer_Musik | 2008-07-26 23:18 | 夏…涼しくして音楽を聞こう
夏…涼しくして音楽を聞こう -15. ロッシーニの歌劇「ウィリアム・テル」序曲
c0042908_21425335.jpg作曲者 : ROSSINI, Gioacchino 1792-1868 伊
曲名  : 歌劇「ウィリアム・テル "Guillaume Tell"」(1829) 〜 序曲
演奏者 : ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮フィルハーモニア管弦楽団
CD番号 : EMI_CMS 769437 2

この有名なスイス建国の物語は、フィクションだということがわかったのはつい100年ほど前のことである。当然この曲が書かれた19世紀はじめには、英雄テルは実在の人物だと信じられていた。

スイス建国の実際の話は、かなり違ったものであるようだが、歴史の専門家でもない私がそれをここに書くのはどうかと思うので、この位にしておこう。
色んなガイドブックにスイスのポストバス(スイスの村と村、深い谷や長距離をつなぐ郵便も運ぶ乗り合いバスのこと)の警笛の音が、このウィリアム・テルの音楽であると書かれていた。今もそうなのかどうかは知らないけれど、これは恐らく新田次郎の「アルプスの村、アルプスの谷」の中の記述から受け売りが色んな人が書いたせいではないかと推察している次第。ただ、これは大きなまちがいで、昔、走っていた郵便馬車が村々に着いたことを知らせたりするホルンの音(もちろん警笛などにも使われたのだろうけれど)を、バスの警笛にも使っているに過ぎない。
ホルンはもちろんナチュラル・ホルンで、単純な倍音を3つほど順番にならしているだけなのだ。
スイスに行って、一番驚いたのはこの警笛で、あんなにでかい音で鳴らさなくともわかるだろうに…とよく思ったものである。
で、このポストホルンは、モーツァルトのセレナードやドイツ舞曲「そりすべり」、あるいはベートーヴェンの交響曲第6番の終楽章などに使われているので、別にロッシーニの専売特許というわけでもない。

しかし、新田次郎のその話を真に受けて始めて行ったスイスで、ポストバスの警笛の音を聞いて驚いた経験は、懐かしい想い出となっている。
夏の峠越えのルートを女房と二人パスに乗って巡った想い出とともに、あのポストホルンの音があり、このウィリアム・テルの音楽を聞くとその時のことが思い出されてくるのである。

ところで、この曲は日本では因縁の曲で、この曲をやるとオケがつぶれるというジンクスがあったそうである。学生時代に大フィルの楽員の人などから聞いたけれど、どうも日本だけの話のようで、気にすることもないのだろうが…(笑)。

演奏はカラヤンが1960年にフィルハーモニア管弦楽団を振って録音したもので十分楽しんでいる。冒頭のチェロの重奏から惚れ惚れとするアンサンブルに、これ以外の録音がほしいという気にさせたことがない。(ちなみにこういう有名曲のピースは欲しい、欲しくないにかかわらず、CDを買い続けていると、色んなものに入っていることが多く、私も十種類以上持っているけれど…)
この演奏に勝るものがあるかどうかなどということを語るほど、色んな演奏を聞いていない私は、ただ、カラヤンとイギリスにレッグという名プロデューサーが作り上げたスーパー・オーケストラによる録音に満足してしまっているので、これを長年聞き続けているに過ぎない。

写真は、テルゆかりの町アルトドルフの広場にあるテルと息子の像である。
by Schweizer_Musik | 2008-07-26 21:43 | 夏…涼しくして音楽を聞こう
今日は学生たちの試演の日
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今日は、作品の試演の日。何曲音だししたのかはわからない…ほど音だしをした。ピアノも弾いたし、指揮もした。打楽器アンサンブルからそれぞれの専攻楽器とピアノのデュオ、木管五重奏、金管五重奏、弦楽四重奏、弦楽五重奏、それで良い曲があったのかと言われれば、将来を感じさせる楽しみな曲があったとだけ言っておこうか…。様式も無調の曲から十二音の曲、移調の限られたモードによるもの、教会旋法、ジャズ、etc…。
この多用さ、それぞれの完成度の高さは例年以上のもので、個々には更に優れた作品も過去にはあったけれど、全体としての水準の高さは今年の大きな特徴だと思った。学生たちの様々に創意を凝らした作品の数々を音していく楽しみはこの仕事をしている者だけの特権なのだろう。それをさせて下さっている学校に心から感謝!である。
これほどの量と内容だっただけに、仕事はモーレツに忙しく、こんなに忙しく働く日が年に何度あっただろう…。今日は本当に疲れた…。
これで夏休み…。ようやく夏休み前のとんでもない仕事の数々を終えることができた。
明日からは夏休み。私はスイス行きがあるので、九月はじめまで一ヶ月あまりの夏休みとなる。

今、帰ったところ、帰りの電車の中でこれを書いて、貼り付ける。色々いただいているコメントについては明日、返事を書きます。お休みなさい!!
写真はスイス国鉄の車窓に映るヴァーレンシュタットの湖。湖畔を歩いてみるのも良いけれど、車窓に見るこの湖が最も美しいのではないだろうか?
by Schweizer_Musik | 2008-07-25 23:43 | 日々の出来事
公式HPを作った
作曲家 徳備康純の公式ホームページを一応後悔…じゃなかった、公開します。
津田さんからだけでなく、ホームページはないのかと言われ続けてすでに六年あまり。スイス音楽紀行は趣味のページだし、ブログはそのまま日記だし…ということで、この度津田さんのおかげでチューリッヒでコンサートをしていただけるのに、そのホームページもないというのでは、ただの趣味でチューリッヒに行くのと一緒だから、やはり作らねば…と考え、こうして制作しようと思っている。
作品は古い物は全て気に入らないので、リストから外した。こうすると何だか最近作曲をはじめたみたいで良いなと思ったりしている。
ともかく作品名に全て英語などのタイトルを与えるという仕事は大変で大変で…。英語力は必要だなぁとつくづく思った(が、今更…どうしようもない…)。
ということで、ミスだらけだと思われますが、一応、ホント一応公開です。
by Schweizer_Musik | 2008-07-24 22:04 | 日々の出来事
友光雅司氏の"My Favorites" を聞いて
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CDタイトル : My Favorites
演奏者 : 友光雅司(pf)
CD番号 : Kantabile RECORDS/AFCD-0801

帰ると、古い友達からCDが届いていた。何だろうと思って見てみると、若いピアニストのCDが一枚。親戚の子らしく、応援しているのだけれどCDを聞いてみてくれとあるので、聞いてみた。
ピアニストの名前は友光雅司。岡山の生まれだそうだ。はじめて聞く名前である。曲はヒナステラの初期の有名曲である「アルゼンチン舞曲」Op.2のあとモーツァルトの幻想曲ニ短調、シューマンのアラベスク、ショパンの遺作の嬰ハ短調のノクターンが奏でられたかと思えば、バルトークの初期の「シク地方の3つの民謡」Sz.35aと有名曲「ルーマニア民俗舞曲」が流れ、続いてリストのスペイン狂詩曲、そしてガーシュウィンのなんと「アイ・ガット・リズム」が流れておしまいという次第。ついでにボーナス・トラック(必要なのかどうかわからないけれど…)ベーゼンで弾いたというモーツァルトの幻想曲ニ短調が収められている。
確かに「私のお気に入り」をランダムに入れたという感じで、解説もピアニストの思い入れをサッと言葉にしただけというシンプルなもの。
ここまで見てから聞き始めたわけだけれど、私がプロデュースするならこんなプログラムは絶対に反対するだろう。総花的に出すのでは、コンサート・ピアニストとしての「売り」が見えにくいからだ。
さて、プログラムに対してちょっと苦言を呈しておいて、聞いてみた印象を…。

若いなぁというのが率直なところである。素直な好青年のピアノである。だからもの凄い「灰汁」というか「個性」というか、ここでしか聞けない何かをもっと出しても良かったのではないか。
シューマンなど手垢の散々ついた作品をサラリと弾いて余情を感じさせるなどというのは名人がすること。若者はもっとジタバタした方が良い。ジタバタして作品と格闘してその先に何かが見えて(聞こえて)来るのではないか。
しかし、それを育てる周りの環境を整えてあげてほしい。ピアニストを、音楽家を育てる一番の肥料というか栄養は聞く人の存在なのだ。その人に届ける音楽を音楽家は磨くのだ。
瀬戸内の方々は若い才能をほったらかしにして枯らしてしまわないように、その才能が実をつけるように、いつも聞きに行って応援してあげてほしいと心から願わずにいられない。
音楽なんて、聞く人がいなければ育たないから!!

だからついでに一言!演奏家は更に聞く人を大切にしなくてはならない。聞いて下さるお客様に育てて頂いているのだ。精進するのは自分。でもそれは聞く人あってのことなのだから、まずお客様を大切にしなくてはならない。

だから思ったのだけれど、ライナーは出来ればちゃんとした人に書いてもらった方が良い。演奏会のプログラムでそうだけれど、聞きにきた人がその音楽がどういう経緯で書かれたのか知っている人なんてごくわずかなのだ。CDの解説だって一緒!。
良かったら私が解説だってなんだって書いてあげるよ!若い人を育てるためだったらお
金なんかいらないから、相談においで!

さて演奏に戻ろう。
ルーマニア民俗舞曲はコチシュのように灰汁の強い演奏を聞きつけてきた耳にはあまりにあっさりしていて…ちょっと面食らう。ただ何の裏付けもないままに猿まねのようにコチシュのような歌い回しをしてもダメで、その意味でこの素直な弾きっぷりに私は彼のピアニストとしての素直な資質に好感を持った。

スペイン狂詩曲を聞きながら、録音のまずさ(ピアノは良いのに…)に次第に腹が立ってきてしまった。ピアノの音の良いところを全くとらえておらず、ダイナミック・レンジは狭く、どうすればここまでヘボな録音をやれるのかと心配になるほど。
この演奏がヘボに聞こえるのは、百パーセント録音スタッフの責任。
これではピアニストがかわいそうだ。プロデュースももうちょっと考えてやればいいのに、全く無策…。
CDとしての評価はあまり…。でも彼の将来を聞くつもりで二度、三度と聞き返してみてこんなことを感じ、その思いを彼に伝えたいと思った次第である。
地方を拠点してピアニストとして生きていくのは、本当に至難の業だろう。がんばってほしい!!

写真はリストゆかりのヴァーレンシュタットの湖の写真第2弾(だったっけ…)。今日は本当に暑かった。日差しを痛いと感じた午後。久しぶりに電車の座る座席を東側をと意識して座った。なので、気持ちだけでも涼しげになりますように…。

そうそう、友光雅司氏は来る8月31日(日)14時より瀬戸田のベル・カントホールでリサイタルをされるそうです。
バルトークのブルガリアン・リズムによる6つの舞曲(とあるけれどミクロコスモスの第6巻の最後の6曲のことだと思われる)…なかなかに難曲!!や「展覧会も絵」を演奏されるそうです。シングル券2000円、ペア券3500円で前売り中。ぜひ尾道近辺のみなさん、聞きに行って下さいませ!
by Schweizer_Musik | 2008-07-24 18:40 | CD試聴記