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バッハのイタリア協奏曲をブレンデルの演奏で聞く
作曲者 : BACH, Johann Sebastian 1685-1750 独
曲名  : イタリア協奏曲
演奏者 : アルフレート・ブレンデル(pf)
CD番号 : PHILIPS/32CD-153

授業の準備に加えて、HDの整理にデータ化してあった楽譜の整理を一度にやっていたために、ホントに多忙となってしまったが、ようやく一段落ついた。明日は授業があるので、それの準備もせねばならないのだが、とりあえず、音楽をのんびり聞きたいと思い、バッハのイタリア協奏曲他を引退を表明しているアルフレート・ブレンデルの演奏で聞いていた。
その昔、この録音をはじめて聞いた頃、とてもとてもよく聞いていたもので、特に第2楽章のルバートのかけ方に感心したものである。
久しぶりに聞き返し、その当時、毎日毎日出張で長崎や佐賀、あるいは宮崎を飛び回っていた時代を懐かしく思い出していた。
1976年の録音で、確かLPでも持っていた。発売当初はずいぶん評判になったものだった。このあと、彼の本などを読んだりして、このクレバーなピアニストの神髄は、知性を快く刺激してくれる選曲と演奏にあるのだと悟った。例えば、あまり演奏されないBWV.922の前奏曲が入っていたり(ホントにバッハの曲なのだろうか?)。
昨年の12月で引退したブレンデル。今はどういう生活をしているのか知らないけれど、素晴らしい仕事をたくさんたくさんされた彼だから、今はゆったりと悠々自適に過ごしているのだろうか?
私もそうなりたいものだが、どうも私ごときでは無理そうだ…(笑)。
しかし、ブレンデルのバッハはなんとも面白い聞き物である。
by Schweizer_Musik | 2009-04-30 18:47 | CD試聴記
今、帰りました…
毎日、多忙ゆえ、ブログの書き込みもほとんど出来ないまま、過ごしております。
ようやく、怒濤の1週間が終わりました。昨日は休みだったのですが、通院やらあって、夜まで結局息つく暇無く…という状態で、おかげでずいぶん痩せました…(笑)。
明日には少し復活いたします。やたらめったら忙しいのも、来週の金曜で一段落です。
水曜のオーケストレーションの作例を載せておきますので、学生諸氏は各自参考にして下さい。
また、木管五重奏での第一回の音だしは、連休明けすぐでは、休んだ者もいるので遅らせることにし、5月20日の授業内で音だししますので、各自作品を制作し、パート譜などを用意しておくこと!!
また参考楽譜のダウンロードなどについては、IMSLP
モーツァルトの作品なら、モーツァルテウム財団からどうぞ。
たくさんあるので、これとナクソスを組み合わせれば良いと思っています。
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今日は完全に電池切れですので、このくらいにしておきます。ああ疲れた〜。
by Schweizer_Musik | 2009-04-24 22:15 | 日々の出来事
超多忙…
超がつく多忙状態で、全く何も手に付かず…です。
頂いたメールのお返事もみの数日、全く出来ておりません。誠に申し訳ありません。週末には少し余裕が出てきそうなので、それまでお待ち下さいませ。
以下業務連絡です。
K女史、ご依頼の件、承知いたしました。明日までには振り込みますので、よろしくお計らい下さいませ。その他のことは明日の午後にでもメールいたします…。
皆様、ごめんなさい!!

23:40 追記
今、帰りました…。今日は少し早かったです。完全にグロッキー…。色々あるのですが、明日にします。では今日はもう寝ます。疲れた…。
by Schweizer_Musik | 2009-04-22 09:06 | 日々の出来事
昨日の授業…
さすがに学校が始まると色々と多忙を極めていて大変だった。
まったりとした時間もないこともないのだが、最後の三限ぶっとおしの現代音楽からオーケストレーションの授業は、かなり濃厚な時間で、十分に準備したつもりなのだが、楽器の説明でホルンとファゴットが時間切れとなってしまった。
作曲の弟子は専攻生は一人だけなのだが、あとは全部管弦打の学生たちで、かなりの人数になりそうということで、これはまた重いなぁと思いつつ、楽器ができる学生たちだから色々と学生たちと楽しめるなぁとも思う。良い一年になりそうで、この仕事が出来ることにただただ感謝!
昨日はくたくたに疲れて夜九時半過ぎの帰還であった。空腹を満たすとそのままシャワーもあびずに寝てしまう。おかげで朝シャワーを浴び、食事、そして翌日の準備という流れで一日がスタートしたが、思いっきり寝坊をし、今朝は七時起きとなってしまった。

昨日の現代音楽の授業では、19世紀の音楽家たちが個性を追求するようになった背景からワーグナーの出現、そしてトリスタン和音のもたらした調性崩壊の予兆からシェーンベルクへ至る過程、そして無調という無政府主義を経て12音に至る歩み。
そしてもう一つ、革命で宗教音楽が崩壊したフランスで、スイス人ニーデルメイエールが創設した宗教音楽家養成を目的とした専門学校と、そこを卒業したフォーレがカトリックの典礼音楽などから学んだ技法を用いて書いたモード技法を取り入れた作品から、ドビュッシー、ラヴェルへと繋がっていく音楽の歩みについて説明。
そして今期はモードについてということで、その代表的な四つほどのモードをあげて(ドリア、フリギア、リディア、ミクソリディア)終わった。
オーケストレーションはブリテンの「青少年のための管弦楽入門」のナレーションのないものを、私のナレーションで(笑)に聞かせて、楽器の特徴をとらえて書くことの大切さを話した後、今期は木管五重奏が課題であることを告げ、一年生の時にすでに勉強はしていることであると聞いているけれど、もう一度代表的な木管楽器の音域、特徴をおさらいすることからはじめ、フルート、オーボエ、クラリネットと進んだところで時間切れとなった。
後、ちょっと打ち合わせがあったりして、一日が終わった。これで11時から19時までぶっ通しの授業、報告など色々あって学校を出たのが八時過ぎ、帰り着いたのが九時半過ぎということとなる。遅くなったのはちょっと本屋に寄ったりしたからだが、ああ疲れた…。
by Schweizer_Musik | 2009-04-16 10:31 | 授業のための覚え書き
復活祭オラトリオ
作曲者 : BACH, Johann Sebastian 1685-1750 独
曲名  : 復活祭オラトリオ BWV.249 (1725/32-35改訂)
演奏者 : カール・ミュンヒンガー指揮 シュトゥットガルト室内管弦楽団, ウィーン楽友協会合唱団 (クサヴァー・メイヤー合唱指揮), エリー・アメリンク(sop), ヘレン・ワッツ(alt), ウェルナー・クレン(ten), トム・クラウゼ(bs
CD番号 : LONDON/KICC-8150

復活祭のシーズンも終わったことだろう。先週末、海外から頂いたメールに復活祭の話題があったので、キリスト教徒でもないのに、暦を見てみたりしていた。
ということで、ベタな選曲だけれど、この復活祭オラトリオを…。
第1曲はTrombaとイタリア語で書かれたスコアを眺めながら、色々と復活祭という行事とこの音楽について思いめぐらせていたりした。
ニ長調の分散和音だけで出来た単純なテーマがなんとも晴れやかな気分を演出し、それに続くオーボエのソロによるadagioとの峻烈とも言うべき対比が描かれ、ようやく「来い、急げ、走れ、逃げまどう者たちよ "Kommt, eilet und laufet, ihr flüchtigen Füße"」という歌がはじまるという手続き(その前に、トランペット(Tromba)の前奏が入るのだけれど)の入念さに、永く待たされた春の訪れへの喜びが表れているように思うが、そうすればオーボエの嘆きの歌は、十字架の上に亡くなったイエスの不在への詠嘆であり、暗い冬への思いであり、前後に春の訪れとイエスの復活への喜びが溢れているということになろう。
この祭りについてそう詳しく調べているわけではないが、古いゲルマン、あるいはケルトの祭り、信仰などと結びついて今日のキリスト教の祝日もあるというこをどこかで読んだことがある。
まっ、彼らからすれば単なる異教徒に過ぎない私のような者には、春の訪れを祝う祭りと結びついたもののように思われる。
そうそう、スイスから届いた津田さんのメールにも、いきなり暖かくなってびっくりしていると書かれてあったが、スイスでは冬が終わるといきなり駆け足で春が過ぎて初夏に入るというか、春と初夏が一緒にやってくるという印象がある。
冬という「死」を経て、復活し、希望を語るイエスを信じることに、春の訪れがうまく重なるのだ。
クリスマスよりも信者にとってはずっと重要なイベントであるけれど、毎年春分の日のあとの最初の満月を迎える週の日曜日(前か後かで西方教会と東方教会で違いがあるそうだ)という移動祝日ということもあり、どの宗教の祝い事でも自分のお祝いにしてしまう日本人にもあまり認知されていない。(どうでもいいことだけれど…)
この演奏、私はエリー・アメリンクの歌故に永遠の名盤であり続けている。ヤコブの母マリアのアリア「魂よ、あなたの香油はもはや没薬ではありません "Seele, deine Spezereien Sollen nicht mehr Myrrhen sein"」の凛とした美しさと、どこかにほほえみをたたえた優しさの入り交じった歌に、心がとろけそうになる。
1968年5月の録音とあるから、全盛期の彼女の歌の、それも絶好調の声が聞ける。もちろん、ヘレン・ワッツなど他のソリストにも大きな不満はないが、この曲は彼女のソロが全てなのだ。
さて、仕事に戻ろう。今日も忙しい…。
by Schweizer_Musik | 2009-04-14 08:48 | CD試聴記
あさかバンドのライブでした!
昨日はあのあさかバンドのライブに出かけた。沖縄テイストで充ち満ちたライブは、リード・ボーカルのりえさんが20才になり、そのアニヴァーサリーも兼ねたライブであったのだが、いつものように暖かい雰囲気で一体となったライブはとても楽しいものだった。
こういう人たちに囲まれ、見守られ育つ子供たちは幸せだなぁと思うし、毎回来る人たちも暖かい眼差しで見守る。
曲は、前回と大きく変わらなかったけれど、りえさんがCDデビュー?するとかで、一曲、カラオケで歌ったのが目新しいものだった。私は彼女のメッセージ性がもっと生かされた作品であったならと思った。サビのフレーズが全部おじぎしていて(フレーズの終わりが下がって収まってしまっている)インパクトに欠ける感じがしたのだ。
まっ、私のちょっと聞いての印象なので、プロデューサーでもないのだから「批判」とか「気に入らなかった」とか言うようなものではないのだけれど、りえさんのファンとしては、ちょっとだけ物足りなく思ったのだ。
でも、いつもながらぴたりとくる音程、走りまくるギターの伴奏にサラリとあわせて歌うなんて、前回にはないスリリングな面白さだった。
ファミリーで心から楽しんでいて、それがそのまま聞く者の心に響いてくる、そんなあさかバンドの世界は健在で、とてもても楽しい時間を過ごすことができた。
今回は、スペシャル・ゲストに極楽亭とんぽさん(まちがっていないかな…、ちょっと心配…)の寿限無がやられたり、沖縄のアーティスト仲地のぶひでさんのあさかパパとのデュオで聞く「山原や (やんばるや)」などという凄い聞き物が挟まれていた。もちろん、仲地さんがリードしてのリエさんへの「ハッピーバースデイ」も。
美味しい料理とワインを楽しませて頂き、ちょっとお疲れ気味だったところに大いなる癒しを頂いた。
ところで、あさか邸で、本番までの間、お庭に出てペンチに座ってお知り合いになったOさんご夫妻やyurikamomeさん、横浜の素晴らしいデザイナーのK女史などと話していたのだけれど、昨年行ったスイスのヴィンタートゥーアの美術館となっているヴィラの庭先と何となく似ていて、ああここもそんな世界なのだと、その豊かな生活の一端をお裾分けしたいただいた思いであった。あさかファミリーに感謝!感謝!である。また集まった暖かい心の人々に乾杯!!
それにしても昨日は飲み過ぎた。それに昨日遊んだ分、今日は目の回る忙しさだった。良い思いをしたのだから仕方がないな…(笑)。
by Schweizer_Musik | 2009-04-13 21:05 | 音楽時事
ベートーヴェンのセプテットのトリオ編曲
作曲者 : BEETHOVEN, Ludwig van 1770-1827 独
曲名  : ピアノ三重奏曲 変ホ長調 Op.38 (1800)
演奏者 : ハイドン・トリオ・アイゼンシュタット【ハラルド・コシーク(pf), ヴェレナ・シュトルツー(vn), ハンネス・グラッドウォール(vc)】
このアルバムは こちら

ナクソスのページには、演奏者の名前がアインシュタット・ハイドン三重奏団とあるが、Haydn Trio Eisenstadt というのが正式名称であるし、ナクソスのページでもEisenstadt Haydn Trioと順番が違うけれど書いてあるので、こう呼ぶことにした。各奏者の名前の読み方は全く不明…で、私の推測の域を出ないので悪しからず…。
先日、N君にもらったシュポアのノネットのスコアを読んでいて(何て面白い曲なのだろう!!)こうした大規模な室内楽作品を書くきっかけがベートーヴェンのこのセプテットの成功によるのではないかと思い、これを昨日の夜から聞き、スコアを見、そしてこれをベートーヴェン自身が編曲したピアノ・トリオ版を聞き、スコアを見、色々と考えていたら、ついつい遅くなってしまい、今朝はちょっと寝坊をして六時過ぎの起床となった。
ベートーヴェンはこの曲が大当たりをし「あのセプテットのベートーヴェン」と呼ばれるほどだったというが、今日では想像もつかないことである。
こうした室内アンサンブルのリ・アレンジを作曲者自身が(多分、お金のために)するほどだったのだ。今日、この作品をベートーヴェンの代表作にあげる人は少ないが、こんな面白く、創意に満ちた作品を忘れていてはいけないと、昨日から考えていた。
トリオ版はもっと良い演奏もあるのだろうが、手元に見つからなかったので、ナクソスのこの演奏で間に合わせたけれど、まあまあ良い演奏だと思った。が、他にも良いものがあるのかも知れない。
セプテットのオリジナルとともに、この三重奏版はいつか生で聞きたいと思う。そんな機会が来ないかなぁ。
by Schweizer_Musik | 2009-04-12 10:55 | ナクソスのHPで聞いた録音
パレーの「田園」…うーん…イマイチ
作曲者 : BEETHOVEN, Ludwig van 1770-1827 独
曲名  : 交響曲 第6番 ヘ長調「田園」Op.68 (1807-08)
演奏者 : ポール・パレー指揮 デトロイト交響楽団
CD番号 : Mercury(TOWER-RECORDS企画)/PROA-287〜88

ベートーヴェンのこの曲を、パレーがどう料理するかと思い、購入したものである。そして期待に違わず、パレーらしい演奏が繰り広げられ、大変面白かった。モノラルながらとても良い復刻で、聞きやすいものだった。
第1楽章はAllegro non troppoなので、これは速い。Allegro vivoもしくはAllegro con brioと言っても良いだろう。non troppo(ほどほどに…)はいささか無視された感のあるテンポで、私には速すぎると思う。「田舎について晴れ晴れとした気分がよみがえる」というのが楽章に添えられたベートーヴェンの言葉である。こんなにせかせかしていて良いのだろうか?
テンポの速い演奏と言えば、ヘルマン・シェルヘンのウィーン国立歌劇場管弦楽団を振ったステレオ録音を思い出すが、あれもセカセカした「田園」だった。(シェルヘンのモノラル録音の方はあんなに速くなかった。ルガーノのオケとのライブも速かったけれど、あれは表情豊かな演奏で、速さをあまり意識させなかった…)
第2楽章以降はこれほど極端ではなく、速めのテンポであるという程度ではあるのだが、キビキビとした演奏には変わりない。だから「小川の情景」は流れの早い小川で、そのうち滝に流れ込むのではと思った…(笑)。
男性的な楷書のベートーヴェンであるが、この「田園」は私の好みではなかった。

追記
すみません、ドクター円海山さんのご指摘のように3月31日に書いていました。あのときはそれほどに思わなかったのに、速いテンポのシェルヘンなどの演奏と聞き比べてみたりしている内に、全く別の印象を持って、書いたことすら忘れていました。
実は、シェルヘンのルガーノ盤で書き始めて、これを聞いて、書いたことをすっかり忘れて今度はこきおろしてしまいました。私の耳なんていい加減なものとつくづく思います。
しかし、3楽章以下はなかなか良いもので、この解釈に慣れて来ているのか、聞けるなぁと思っていました。
しかし、シェルヘンの表現に対する執念のような意欲は凄いもので、パレーのこの演奏をはるかに凌駕していました。そのうち書いてみたいと思っています。
by Schweizer_Musik | 2009-04-11 16:59 | CD試聴記
フンメルの七重奏曲第1番を聞く
作曲者 : HUMMEL, Johann Nepomuk 1778-1837 独
曲名  : 七重奏曲 第1番 ニ短調 Op.74 (1816刊)
演奏者 : ナッシュ・アンサンブル【イアン・ブラウン(pf), ユディト・ピアーチェ(fl), ロビン・ミラー(ob), ジョン・ピネガイ(hr), ブライアン・ホーキンス(va), クリストファー・ファン・カンペン(vc), ロドネー・スラットフォード(cb)】
CD番号 : Brilliant/92294

1816年に出版された作品であるが、ショパンに影響を与えたというピアノの書法上の特徴もよく出ている名作である。これが滅多に演奏されないのだから、世の中不思議なことも多い。
フンメルは2曲、全く編成の異なる七重奏曲を書いていて、これはヴァイオリンを欠いた七重奏であるが、第2番となる方はヴァイオリンもだが、トランペットが入る。このおかげで第2番は「軍隊」という名前がついていて、第1番よりは演奏される機会が多いようだ。どちらにもピアノが入るのも特徴で、ベートーヴェンの七重奏曲のように管楽器と弦楽だけで出来ているものより、表現の幅が広いのが特徴である。
ピアノが入ることで、伴奏に当たる楽器を減らし、対旋律やメロディーの装飾に使うアレンジ上の余裕が生まれるためで、通奏低音の名残とはもちろん違う。
全4楽章で出来ていて、小さな交響曲のような佇まいを聞かせる。メロディーも大変美しく、何故この曲があまり演奏されないのか、私のような者には全く理解に苦しむ次第である。
終楽章の対位法的な処理による展開の見事さ、そしてそのさりげなさはプロ中のプロの技だ。転調もバランスがとれていて自然で、展開は集中を要求するが、強制感はなく、実に心地よいのだ。
イギリスの腕利きたちの集団であるナッシュ・アンサンブルの演奏は全く不満はない。何度聞いても美しいこの曲の、今手に入る最高の演奏を繰り広げていると私は思う。
ところで、ショパンのピアノ協奏曲はこのフンメルの影響を強く受けているが、装飾的なピアノの書法に耳を傾ければ、この時代にフンメルがどれほど高名で多くの人に影響を与える存在であったかがよくわかる。
大作曲家とそうでない作曲家の格差は大きく、それを更に広げるだけでは、音楽の楽しみ方は狭く、貧しいものになってしまうことだろう。視野を広く、公平で偏りのない耳で、ありのままに音楽を享受すること…。このことの大切さはこうした音楽を聞くと今更ながらに痛感させられる。
一度お聞き下さい。涙が出るほど高雅で美しい!!
by Schweizer_Musik | 2009-04-11 06:51 | CD試聴記
ルーセルの室内楽全集よりピアノ・トリオを聞く
作曲者 : ROUSSEL, Albert 1869-1937 仏
曲名  : ピアノ三重奏曲 変ホ長調 Op.2 (1902)
演奏者 : イェット・レーリンク(pf), ジャン=ジャック・カントロフ(vn), ヘリ= ヤン・ステヘンガ(vc)
CD番号 : Brilliant/8413

この曲のCDが他で出ているのかは知らないけれど、私はこの演奏ではじめて聞いた。ルーセルと言えばバレエ音楽の「蜘蛛の饗宴」や4曲ある交響曲などが聞かれるものの、室内楽はフルートのための作品などがわずかに聞かれる程度で、こうした室内楽の全集がBrilliantレーベルで安く出されていることは実にありがたいことである。
アルベール・ルーセルは遅咲きの天才だった。もともとはフランス海軍の軍人だった。健康を害して25才で除隊して、音楽に進むことを決意し、ジグーから和声、対位法、ピアノ、オルガンを学び始めたのだから、かなり晩学であった。とは言え、小さい頃から音楽も学んでいたので、25才で始めたというのは間違いだ。(でなければ、25才でジグーに就くことはできない…)1898年からはヴァンサン・ダンディの元で学び始め、1902年からはダンディの元で学ぶと同時に、スコラ・カントゥルムで教鞭もとるようになっている。ちょうどその頃の作品がこのトリオである。
モダンで洒落たハーモニー、風通しの良いアレンジで聞くそれはフランス近代に多くの人が抱くイメージそのものと言っても良いだろう。
アルベール・ルーセルがダンディの元を修了したのは39才の時だったから、私の知る限り、最も晩学の作曲家であるが、若い頃、海に憧れ、海軍でインド洋などで異国の様々な響きを耳にしたことは、ルーセルの音楽にエキゾチシズムという特別の個性を与えたと私は思う。
循環形式など、フランクやダンディの直系の作曲家として、保守的な作風で知られた彼の出発点となった作品を、名手ジャン=ジャック・カントロフをはじめとする優れた演奏家によって聞けるのはとてもありがたいことで、ブリリアントが安価なボックスで出してくれているのだから、近代フランスの音楽が好きな方はぜひゲットすべしだろう。
by Schweizer_Musik | 2009-04-11 05:44 | CD試聴記