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アルゲリッチとヨッフムによるモーツァルトのピアノ協奏曲第18番
作曲者 : MOZART, Wolfgang Amadeus 1756-1791 オーストリア
曲名  : ピアノ協奏曲 第18番 変ロ長調 K.456 (1784)
演奏者 : マルタ・アルゲリッチ(pf), オイゲン・ヨッフム指揮 バイエルン放送交響楽団
このアルバムは こちら

最初は小澤征爾と組んだベートーヴェンの一番を取り上げようかと聞き始めたのだが、昔レーザーディスクで見た印象は今ひとつで、なんだこれはと思った演奏だった。
自分の記憶が間違っていることを期待して聞き始めたのだが、アルゲリッチの感度抜群のピアノに対して、オケが全く反応せず、途中で聞くのを止めてしまった。何故小澤の棒であんなに重く、雑なアンサンブルだったのだろう?不思議だ…。ゼルキン(父)との録音などとは全く比べようもない演奏だ。
それに比べて、モーツァルトの方はヨッフムが共演ということである上、この曲を彼女のピアノで聞くのははじめてなので、期待大であった。
さて、ベートーヴェンの10年前のアルゲリッチは、ずいぶんお行儀の良い演奏をしていたものである。録音は1973年6月22日。ヨッフムの棒も冴えている。ただ、あまりにオンマイクで演奏ノイズがちょっと気になったけれど、全体には大変高い完成度である。
あまり話題にならないけれど、この曲の第2楽章は短調のなんとも泣かせるメロディーで、聞きながらこんなセンチメンタルに感じていていいのだろうかと思うほど。いや、k.466や488などの超がつく有名曲ばかり聞いてこんなきれいな曲を忘れていてはもったいない!!
ただ、弦の響きが録音のせいか、ややささくれだって聞こえてしまう。もっと柔らかな響きであって欲しいが、これはヨッフムのせいではなく、多分録音でのマイクのセッティングの問題なのだろう。ライブ録音はやはりこうして何度も聞かれることを前提としていない場合が多く、真価を聞き取るのは難しい。
きれいなことで言えば、アシュケナージの録音などをきけば誰もがうっとりとなれるだろう。でもこの曲に惚れ込んでいる私としては(いや正確にはこの第2楽章が好きで好きでたまらないのだ…)アルゲリッチの演奏も美しく、心から楽しめた。
他にも名演はたくさんあるけれど、このアルゲリッチも一度いかが?
by Schweizer_Musik | 2009-11-30 22:14 | ナクソスのHPで聞いた録音
ミルシテインとクレツキによるモーツァルトの協奏曲第4番
作曲者 : MOZART, Wolfgang Amadeus 1756-1791 オーストリア
曲名  : ヴァイオリン協奏曲 第4番 ニ長調 K.218 (1775)
演奏者 : ナタン・ミルシテイン(vn), パウル・クレツキ指揮 ローザンヌ室内管弦楽団
CD番号 : iTune−Storeで購入

ヴァイオリンやヴィオラの飛行機での機内持ち込みが許されないこととなった。預ければ良いじゃないかという航空会社が、ヴァイオリンなどの取り扱いを責任をもってできるのか…こういうことを考えた人たちは思わなかったに違いない。
在京のオケならば、平均しても一千万以上の本体とその一割程度の弓を放り投げたりする貨物に預けて大丈夫だというのか?もし壊したら、そしてそれがコンマス(コンミス)の高額な楽器ならば、航空会社は億単位の賠償をしてもらわなくてもならない。ソリストで高額なギャラをもらっている人たちならば、あまり気にすることもないだろうが、ギリギリのギャラで(人によっては気の毒なくらい安いこともある…)やっている人たちにとっては大きい負担で、オケの地方公演、もしくは地方オケの引っ越し公演は無理ということになりそうだ。
チェロなどは多くの場合、荷物用の航空券代を払って機内に持ち込んでいる。なぜなら、トランクなどの下敷きになってケースが破損したり、楽器が壊れたりしないように、そしてそれによって公演が中止になったりして大きな責任を追及されないようにするためにしていることである。コンバスくらい大きくなれば諦めるのだろうが、それでも人任せには出来ないと、一人自家用車に楽器を積み込んで、地方公演に向かう猛者(もさ)もいるほどなのである。
楽器の機内持ち込みは音楽家のワガママではないのだ。
民主党政権になって、(特にクラシック系の)音楽文化は風前の灯火となっている。オーケストラや歌劇などの大型の公演に対しての助成はおそらく大きく縮減となることだろう。さらに負担をこの業界に求めるのだろうか?理不尽なことだと思う。

少し前に、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲 第4番の分析をヴァイオリンを専攻する学生の作曲のレッスンで行ったが(彼女はユース・オケのコンミスだった子で、大変優秀な学生である)、その時はアルチュール・グリュミオーとコリン・デイヴィスの録音とダヴィド・オイストラフが弾き振りしたものを使った。
そのため、ミルシテインとクレツキ指揮ローザンヌ室内管弦楽団の演奏は聞いていなかったが、今聞き直すと、1971年録音というのに、ミルシテインさん、なかなか颯爽としていて良いので驚く。更に、私のご贔屓であるパウル・クレツキ指揮のローザンヌ室内管弦楽団がなんとも良いのである。
別に特筆するほどではないのかもしれないが、贔屓なのでご勘弁を。
しかし、どうしてモーツァルトはこの年だけヴァイオリン協奏曲を書いたのだろう。晩年の陰影の深い世界を、この楽器のためにかいてくれていたなら、もの凄い傑作が生まれていたことだろう。ああそんなことを言うのなら、もう少し長生きしてチェロ協奏曲なども…。
こんなことを言っても仕方がないのは分かっているのだが、なんとも残念なことである。そしてスイスに帰化したパウル・クレツキの録音が少ないのも私は残念に思っている。
いや、買いそびれたものが多いというだけなのだが、1946年、再開されたばかりのルツェルン音楽祭でのブラームスの交響曲第4番など、超がつく名演だし、アンドレ・ジェルトレルと共演したベルクのヴァイオリン協奏曲の名演は、彼の絶妙な指揮があってこそ達成できたものではないだろうか?(ナクソスのメンバーはこちらで試聴可能)
パウル・クレツキの良さは、私はこの数年でわかるようになってきた。なんという不明であろう。LP時代に愛聴していたクレツキとウィーン・フィルのマーラーの一番は素晴らしいもので、そのことについてはこちらに書いたが、他にもマルツィと共演したブラームスとメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲やフランソワと共演したシューマンのピアノ協奏曲など、LP初期、1950年代から1960年代にかけてウォルター・レッグのオケ(フィルハーモニア管弦楽団)と協奏曲録音でその実力を示している。
彼は、エルネスト・アンセルメの指名でスイス・ロマンド管弦楽団の音楽監督にならなかったのは、返す返すも残念なことであった。
これを書いていて、Wikiでパウル・クレツキのことやスイス・ロマンド管弦楽団のことを確認しようと思って見てみたら、スイス・ロマンド管弦楽団について、あまりに酷い記述であった。そこでスイス・ロマンド管弦楽団についての大きな書き換えをした。Wikiへの投稿はかつてはよくやっていたのだけれど、久しぶりで、ちょっと時間がかかってしまった…。履歴に一杯残してしまった。ああ、下手くそ!!

結局、モーツァルトの曲の話からずいぶんかけ離れた話になってしまった…やれやれ、仕事に戻ろう。
by Schweizer_Musik | 2009-11-30 09:29 | CD試聴記
「スケルツォ」です
曲名は「スケルツォ」で、演奏はやや難易度が高い作品ではあるが、このところ仕事で編曲をやっていたため、頭がちょっと惚けてきたかもと心配になり、それを中断して昨日から書いていたもの。
2分ほどの小品だが、いつものところのNEWというフォルダに置いておくので、お聞きになりたいという方はどうぞ。ファイル名は"Scherzo"。
この曲は超がつくほど古典的なスタイルで書いたもので、どこかで聞いた感じのスケルツォになっていると思う。もちろんオリジナル!
12月4日までの期間限定です。
by Schweizer_Musik | 2009-11-29 20:41 | 新曲出来ました
ヴァント指揮ベルリン・ドイツ交響楽団のライブよりシューベルトの「グレイト」
作曲者 : SCHUBERT, Franz Peter 1797-1828 オーストリア
曲名  : 交響曲 第8(9)番 ハ長調「グレイト」D.944 (1825?-28)
演奏者 : ギュンター・ヴァント指揮 ベルリン・ドイツ交響楽団
このアルバムは こちら

この曲はヴァントの得意の作品だったらしく、いくつもの録音が存在しているが、このライブは1993年6月14日にベルリン・フィルハーモニーでのライブだとのことである。
私はケルン放送交響楽団との全集録音を愛聴している。実はシューベルトの交響曲全集についてはカール・ベームのものとならんでヴァントのものが最高だと思っている。晩年、いきなり神格化されていまった感があるが、1970年代の録音がやはり最も良いと思われる。
この新しいライブを聞いて、やはりその感を強くした。良い演奏だとは思うが、テンポの動きがぎこちなく感じるところもある。例えば第2楽章の最初のフォルテ(弦楽による部分)でのテンポは明らかに少し前のめりになってしまう。これはベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とのライブでも気にかかったところだが、このベルリン・ドイツ交響楽団との演奏では更に増幅されている。古いケルン放送交響楽団との録音でもこの傾向はあったが、もっと小さな動きだった。
同時期のミュンヘン・フィルとのライブ(1993年5月28日ミュンヘン、ガスタイク、ライヴ録音→ナクソスで聞くならこちら)では最初のケルンでの全集録音と同じ程度の動きだった。それよりもこの部分でのボウイングは大変特徴的で、テヌート気味に演奏される。カール・ベームやブルーノ・ワルター、フルトヴェングラーなどの伝統的な解釈では、短めのマルカートで演奏されるし、ここでテンポ・アップする人はいない。
ミュンヘン・フィルとのライブについては以前書いた(こちら)。ただ、このベルリンでのライブは少し不安定な感じが否めない。
これはヴァントの解釈の問題であるので、私ごときがああだこうだと言うレベルの問題ではなさそうなので、この位にしておくが、この楽章以外は大変気に入っている。第3楽章はやはり第一級の演奏だと思うし、気力も充実しているようだ。
トリオで大きくテンポを落として、どこか悲しげな表情を聞かせるあたりは、最高の演出だと思うし、終楽章のメリハリの効いた活力のある表現は、はち切れんばかりのエネルギーの横溢を感じさせる。終生、老いに伴うかのような円熟とは無縁だった指揮者なのだ。
終楽章の充実感は、かつてケルン放送交響楽団との録音(1977年3月19日録音)で聞かれたものと同じであるが、更に充実している。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とのライブよりも良いと思うが、この終楽章はあり演奏よりも充実している。細かなテンポの動きが、ここに来てスムーズになっているし、アーティキュレーションなどの解釈もしっくり来ている。録音も残響を適度に取り入れながら、なかなか良いのだ。
ただ、もう私はヴァントのシューベルトの全集を持っているので、わざわざこのライブを買わなければとまでは思っていない。ベルリン・フィルやミュンヘン・フィルとのライブの方が全体としては出来は上だと思う。この録音について、ヴァントもきっと「もう録音したではないか、どうしてこれを出すのか?」と言うのではとも思う。
しかし、私はこの終楽章のために買っても良いと思い始めている。
by Schweizer_Musik | 2009-11-28 03:56 | ナクソスのHPで聞いた録音
オーケストレーションの妙技 -01. チャイコフスキーの組曲「白鳥の湖」
チャイコフスキーの組曲「白鳥の湖」のスコアは、中学生の時に買った数冊のスコアの一つだった。以来、大学時代まで、私のオーケストレーションのバイブルとなった。これと同じ作曲家のヴァイオリン協奏曲の2曲のスコアが私のオーケストレーションの原点である。
今は滅多に開くこともなくなったスコアであるが、ちょっと開いてみて、その作品について少し書いてみようと思った。大体チャイコフスキーのスコアについてあまり書いたものを見かけないので、珍しいかもしれない。
スコアは、当時買った音楽之友社の組曲版のポケット・スコアを使う。(1952年刊)

第1曲「情景」は第2幕の冒頭で演奏される音楽である。古い私のスコアの解説には第1幕の終わりと書いてある。そういう版があるのかどうかは知らないが、ともかく、全曲盤のどれを聞いても第2幕の音楽として紹介されているので、間違いないだろう。
構成はA(a-b) - A'(a-b-c) - Coda
単純な二部形式の音楽であるが、A'の後半が三連符で扇情的に盛り上がり、Cadaで最初のテーマがfffで強奏された後、ディミヌエンドして消え入るように終わる。
3分弱のこの音楽を有名にしているのは、やはり冒頭のオーボエのメロディーであろう。
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オーボエのソロによるあまりにも有名な部分はハープのアルペジオとともに、上のような弦のトレモロによって伴奏される。時折チェロとコンバスのピツィカートがついているだけで、ハープが印象に残るが、密集位置でならされる弦のトレモロが背景にとけ込むことで、オーボエの抒情的なメロディーをこれでもかというほどもり立てていく。
チャイコフスキーの音楽はバスの順次進行が特徴で、多くがこのバスの順次進行が現れ、それがメロディーと反進行することで、音楽に動きを自然ともたらしている。
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A'はホルン4本でのテーマ吹奏で始まる。
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内声にメロディーを持ってきたので、メロディーが行方不明にならないためにもホルンは4本必要だったのだが、オケの指揮者も、フォルテと書かれてあっても同じようにフォルテで演奏したりしない。ここはちょっと注意が必要だが、そんなことはオケが先刻ご承知であろう。
更に木管が和音を刻み、ヴァイオリンとヴィオラがオクターブの幅広い響きでメロディーを雄大に演奏するところは次のように書かれている。
最初の小節以外は、交差法によっている。フルートは音域が高いので、そのままにしてあるが、ob-cl-ob-clというようにより音がよくブレンドされるように書かれてあることに注意し、原譜のスコアにあたってほしい。
もう一つ、ファゴットがチェロとコンバスのピツィカートのバスに二分音符で重ねられている。ピツィカートの起ち上がりが速く、急激な減衰音で、ファゴットのバスを明瞭な音色へと変化させている。
バスを聞かせるだけなら、バス・トロンボーンとチューバが編成の中にあるので、使えばいいのだが、それでは音が重くなってしまうし、コーダでの盛り上がりが惚けてしまう。色々な配慮がここに詰まっていると私は思う。
支えの和音がホルンに置かれ、三連符で刻まれる和音とメロディーが同じ音域であるが、リズムで区分されるので、メロディーが行方不明になるようなことはない。
この後、四分音符の三連符で盛り上げるところにははじめてバス・トロンボーンやチューバが活躍するが、バランスはこの延長にある。
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続くPiu mossoのコーダもトゥッティの書き方としては学生諸氏には参考になろうと思うが、今回はこのくらいにしておこう。
by Schweizer_Musik | 2009-11-27 11:59 | 授業のための覚え書き
横浜ゾリステンのデビュー・コンサートに行って来た
昔のこと…、
「先生、私ベートーヴェンのテンペストの3楽章が弾きたい」と言われ「そう、良い曲だねぇ。先生も大好きだよ。試験曲として弾いたこともある。でも弾きたい曲と弾ける曲は別だ。まずはこちらから…」

さて、昨日、横浜ゾリステン(ホーム・ページはこちら)のデビュー・コンサートがあり、出かけたが、若い人たちが指揮者なしで、ベートーヴェンの「命名序曲」、ヴァイオリン・ソロと管弦楽のためのロマンスが2曲、そして交響曲第5番が指揮者なしで演奏した。
記念すべき第1曲目は序曲「命名祝日 "Namensfeier"」Op.115 (1814)。
「おめでたい響き」とマイナーな作品に光りを当てていくという趣旨でこの曲でこの団体の最初のコンサートのトップを飾る作品として選ばれたのだという(プログラムによれば…)。清新な演奏だった。対向配置のオケのトップにうら若きコンミスの印田千裕さんが座り、多くは二十代と思しき若者達がずらりと並んで、快調なテンポで演奏していた。
こうしたオケではゆったりとしたテンポをとることは少ない。遅くすると走ってしまう者が出やすく事故の確率が増すけれど、少し速めに設定しておけばそうした事故は防げる。清新な演奏となるが、重厚さはなくなる。この辺りのバランスが難しいところがあるけれど、オルフェウス室内管弦楽団の演奏などはとても音楽的で美しいものだけれど、この傾向は常につきまとう。
この「命名祝日」序曲はそうした演奏だった。いや指揮者なしで大健闘だと思った。
続くロマンスは、第1番が水村浩司氏、第2番が須山暢大氏がソロを担当した。コンミスはそのままトップに座り、ソリストは一応楽譜を置いて演奏していた。
この2曲は簡単そうで、意外に難しいところがある。やはり速めのテンポで、まるでギドン・クレメルとアーノンクールみたいなテンポで進んでいく。ただ、テンポを落としたいところでもオケに引っ張られというかソリストもそういう演奏を望んだのか、結構走り気味に聞こえて落ち着きがないように思った。
私はクレメルのようにサラサラ弾いてしまうよりも、シェリングとハイティンクがやったように一つ一つの拍、響きを大切に演奏したものの方が好きだ。
大変美しい演奏であったが、この曲でブレスの浅さ、フレージングが詰まったように感じてしまったと、ソロの音色が一様でもう一つ変化というか、立体感がないように思われた。
第2番も同じ傾向があり、少しテンポが前のめりで落ち着きがなく、オケに引っ張られたりしていて、もう少しピントが合っていればと思った。

ここで休憩が入り、後半は水村浩司氏がコンマスに座り、ベートーヴェンの5番のシンフォニーを演奏した。途中でチェロの多分一人の楽器が調子が悪く、調子外れの音になってしまったのは気の毒だったが、それは横に置いて、ほぼコンマスが重要なキューを出し、全体をリードしていた。前半でコンミスをしていた印田千裕さんは、第2ヴァイオリンのトップに座っておられた。
コンマスに座った水村氏はかなり忙しく仕事をこなしていた。ほぼ指揮者の役割をしながら、アンサンブルの要としての仕事もこなさなくてはならないのだから、他の楽員も受け身でなく精一杯の協力体制で臨んでいたのは間違いない。
少し苦言を言えば、少し速めのテンポであるが、第2楽章など少々一本調子になるなどまだまだ研鑽を積んでほしいところはある。また、中低音にメロディーが来た時に、大切なメロディーが行方不明になってしまっていたのは残念。(メロディーの上にある音にフォルテと付いていても、メロディーが音が立ちにくいチェロなどであれば、もう少し軽く、あるいはフォルテのような音色でメゾ・フォルテかメゾ・ピアノで演奏しないと、聞こえなくなってしまう)
しかし、コンマスによるキュー。あそこまでやるのであれば、立ってやっても良かった(それなら指揮者ではないか?)
いや、指揮者なしというコンセプトでやるには無理がある選曲だったのだ。彼らがこのベートーヴェンの名作をやる技術、能力を有していることは間違いない。しかし、曲はそれ以上を要求しているのだ。指揮者なしでやるには無理がある。少なくとももっと経験を積んだ人がコンマスで、いない指揮者の役割を果たさなくては難しいのではないだろうか?
次はブラームス・プログラムなのだそうだ。何をやるのかしらないが、その内「春の祭典」を指揮者なしでやりたいと言いかねない感じである。(まさか、そんなことはないだろうが…笑)
で、最初の私の昔のお話に戻る。やりたい曲とやれる曲は別物なのだ。もっと自分たちの身の丈にあった服をあつらえた方が良いのではと私は老婆心ながら感じた次第である。

終わってから、yurikamomeさんと呑みまくって、最終で帰った。久しぶりに関内での飲み会だった。ついつい12月26日のベートーヴェンの第九を聞きに行く約束までしてしまった。「神奈川フィルを勝手に応援する会」の忘年会があるそうで、やはり末席を汚している(つもりの)私も馳せ参じたいと思ったもので…。大阪に帰るのはそれからになりそうだ…。
by Schweizer_Musik | 2009-11-26 08:17 | 日々の出来事
大根煮
大根煮を作り(ホントは油揚げも入れたかったが、無かったので…笑)、一合ほどお燗して飲み、その出汁を使ってそばを湯がいて食べる。
お酒のつまみに、もう一品。椎茸を焼いていただく。
焼き椎茸は、焼き松茸から思いついた代物で、オーブンで焼いた椎茸をテキトーに切って、わさび醤油をかけたもの。簡単もここまで来ると、料理というにはちょっと勇気がいる(笑)。

大根煮はまたまた簡単で、出汁に日本酒、味醂、昆布茶の素、出汁醤油(○×追い鰹…)をたっぷり入れて火にかけ、そこに手羽先など鶏肉、そして大きく切った大根を煮たもの。ここに今日は油揚げを入れたかったのだけれど…仕方がない。
酒を楽しみつつ、これをいただいた後、湯がいたそばに、この煮汁をかけて、掛け蕎麦をしてシメにする。いや、たまりませんなぁ。大根を煮たものはちょっと苦手なのだけれど、これは好きで、時々作って食べるが、お昼からかなり豪勢な食事となる。
ちょっと漬け物もあれば、もう完璧に近い。カロリーは低いし、満腹になるし、アルコールで良い気分になるし、これで不満があろうはずがない。
ちょっと昼寝をして風呂に入ったら、コンサートの時間になるだろう。今日はゆっくり時間が過ぎていく…(私だけ…幸せだ〜。
私も今日で51才の誕生日になった。今更、祝うような歳ではないが…(笑)。
by Schweizer_Musik | 2009-11-25 12:41 | 今日作った料理
チャイコフスキーの白鳥の湖
作曲者 : TCHAIKOVSKY, Pyotr Il'yich 1840-1893 露
曲名  : バレエ音楽「白鳥の湖」Op.20 (1875-76) 抜粋
演奏者 : ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団, ヨーゼフ・シヴォー(vn), エマヌエル・ブラベック(vc)
CD番号 : DECCA/UCCD4401

昨日は散々な一日だった。電車に乗り遅れ、ようやく乗った電車はストップするという事態に…。更に帰りはモノレールに乗らずに歩いていると途中で本降りになり、家に電話して迎えに来てもらう始末に…。雨に降られて一日はシメとなった。
クタクタに疲れ切って軽く食事をしてそのまま寝てしまう。風呂にも入らないままだったので、後で仕事終わりに風呂に入ってからピールで一杯…(笑)としよう。今日から試験休みなので、私は12月3日まで、作曲と編曲に没頭する予定である。とは言え、今日はyurikamomeさんにお誘いいただいた横浜ゾリステンのコンサートに行くことになっているので、遅くなりそうである。
コメントでシヴォーという名前が出てきて、彼の名前を私のHD内を検索したらこれが引っかかってきたので、久しぶりに聞いた。
これは組曲版だけれど、第6曲が第4幕の頭から使った版(私はこちらを最初に聞=ハンス・ユルゲン・ワルター指揮ハンブルグ放送交響楽団の演奏…音楽之友社のスコアがこれだったので…)ではなく、フィナーレをほぼそのまま使った版で、こちらを聞いた時はかなり不思議な感覚だった。
で、このことを書いている文献がなく、当時は私の「謎」の一つだった。
それはともかく、KAYOさんの一言で久しぶりに聞き始めたこのカラヤンの「白鳥の湖」。(当たり前だけれど…)いや良い演奏だ。シュヴァルベのソロで録音したベルリン・フィル盤(1971年録音)は更に情感タップリであるが、このウィーン・フィル盤もなかなかいける。ベルリン・フィル盤のチェロが誰だか私は知らないが(オットマール・ボルヴィツキーあたりではないかと思うのだけれど…)、ウィーン・フィル盤はあの名奏者のブラベックである。なんて贅沢なんだ…(缶コーヒーの宣伝ではありません)。
話題のヨーゼフ・シヴォーのソロは、華麗なハープのソロ(大体ハープ協奏曲みたいで、このソロは「花のワルツ」とともにソリストとしての技量を要求されるとんでもない作品!!)の後、楚々としたシヴォーのソロは、なんとも心に染みる。
つい、聞き込んでしまい、朝は大変ロマンチックなはじまりとなる。昨日の散々な一日が嘘みたいだけれど、今朝のめざましテレビ
占いはアンラッキーだった。ヒドイ目に遭わないように神様にお祈りして、さて一日をはじめよう。
by Schweizer_Musik | 2009-11-25 08:24 | CD試聴記
小さな曲…
冬だというのに、ずいぶん暖かい、よく晴れた一日となった。昼は冷や奴にしようかと思ったが、やはり何か一手間かけたものと思い、あんかけ豆腐で一杯やることにした。
豆腐を弱火で湯煎している横で、出汁に醤油と酒と味醂を入れ、片栗粉(ホントは葛粉が良いのだけれど無かったので)を水で溶いて回し入れ、とろみがついたら、豆腐をあげて、器に盛り、餡をたっぷりかけて出来上がりである。まっ湯豆腐の餡かけと言えば良いのだろう。
大体、関西ではそれほど珍しいものでもないのだけれど、関東では葛粉が手に入りにくいのは困りものだ。
で、我ながらあまりに美味しく出来上がったものだから(自画自賛もここまで来ると自分でも呆れる…笑)昼酒は一合と決めているのだが、お代わりをしてしまい、結局二合も呑んで、たっぷり昼寝をしてしまった。
一人で呑んだだけなのに、ずいぶん美味しいお酒となった。これに白菜の浅漬けがついて、豪勢な?(笑)お昼は終わり、ゆっくりと午睡を楽しんだ後、起きて音楽を聞く。

ついでに、新作と言っても先週の授業の合間、あるいは通勤の列車の中などで、時間つぶしに書いたものなので、特にどうということもないものばかりだが、かわいいと皆に言われて気を良くしていたので、酔っぱらったついでに公開しようか…と思った次第。
いつものところのNEWに"march"という名前で、もう一つは"Jump"という名前で置いてある。
"march"は「小さな行進曲」というタイトルにしたが、ブルグミュラーの「アラベスク」をもじって作ったもの。もう一つの"Jump"は「けんけん飛び」というタイトルの曲。
小さな行進曲は動機をブルグミュラーを反行型にし、モードを使ってどんどん転調していくものにした。「けんけん飛び」は奇数のフレーズで書くことをコンセプトとして書いたもの。小さなアイデアをまとめるというのが良い頭の体操になる。
さて、明日は仕事…だ。
by Schweizer_Musik | 2009-11-24 00:03 | 新曲出来ました
温故知新 Vol. 30 ガリエラの新世界交響曲
作曲者 :
曲名  : 交響曲 第9番 ホ短調「新世界より」Op.95 B.178 (1893)
演奏者 : アルチェオ・ガリエラ指揮 フィルハーモニア管弦楽団
ダウンロードはこちらの"Classical"のフォルダからどうぞ。

これは多分1947年の録音だと思うのだけれど、ひょっとしたら1953年のものかも知れない。いずれにせよ、LP初期のモノラル録音で、今日ではほとんど顧みられないものである。
ひょんなことから所持しているこの録音は、私にとって大切な一枚となっている。(今ではiTune−Storeでも購入可能であるようだ)
針音があるので、高音をカットしないと聞きづらいことだろうが、キビキビとしたテンポかに繰り出される颯爽とした音楽はまさに一流のものである。
昔、音楽好きの友人にこれを知らん顔して聞かせて、誰だと思う?と訊ねたら、ターリヒ、ジョージ・セル、アンチェル、クーベリックなどという名前が帰ってきたものである。まっ、ガリエラなんて名前が出てくるわけがないので、名前を明かしても「へぇ…」くらいであったけれど、イタリア人の指揮者と言うと、何となく分かるなぁ〜などと言っていた。
確かに、このジョージ・セルというより、トスカニーニなどに近い気がする。クーベリックとターリヒはかなり当てずっぽうであろうが、ジョージ・セルは近いかなと思うし、クーベリックのシカゴ交響楽団との録音を思えば、こういう「新世界」があっても良いかもしれない。
速めのテンポで歌い上げる第2楽章などは、もっとタップリ歌わせる方が好きな人だっているかも知れない。でも、ウェルナー・ハースと共演してモンテ・カルロの歌劇場のオケを振ったラヴェルなどの録音は、もうかなりアンサンブルもだらけていて、この演奏のような締まったテンポでもなくなっているが、1960年代初めまでは、実に生きの良い演奏を聞かせていたのである。
このアルチェオ・ガリエラについては、かなり前にとりあげたことがある(こちら)。その時はこの録音について知ってはいたけれど、聞くことができなかった。ある友人に頂いたものなのだが、やはりというべきか、これは素晴らしい演奏だった。
彼が、ステレオ時代に入って、フィルハーモニア管弦楽団と協奏曲の録音を中心に行ったことが、彼を評価を間違わせた理由のような気がする。でも、こんな良い録音も残っていたのだ。第3楽章から終楽章にかけては迫真の名演と言えよう。力強く、かつよく歌う…。
1957年にマリア・カラス初のステレオ録音となったロッシーニの「セビリアの理髪師」の録音で指揮をとったのがアルチェオ・ガリエラだった。あのLPはもう売ってしまったけれど、CDは所持している。あまりオペラのCDは集めないことにしているので、この名作もたった3種類しか持っていないがその内の一つである。
他に、オイストラフとフルニエと組んだブラームスのドッペル・コンチェルトの録音があるが、そのCDの余白に「悲劇的序曲」の名演が収められている。あの指揮者コンクールなどでよく課題曲となる難しい作品をガリエラは素晴らしい指揮で模範的な名演を聞かせている。
もっと彼の録音を聞いてみたい欲求にかられるが、ベートーヴェンの7番やドビュッシーの「海」、あるいは「牧神の午後への前奏曲」などは未だ復刻されていないようで、彼の評価は未だ定まっていないようだ。
だが、あのウォルター・レッグがフィルハーモニア管弦楽団の指揮陣に迎えたことだけでも、彼がいかに戦後のヨーロッパで人気を得ていたかわかるだろう。
どういう事情であったのかは知らないが、1972年までストラスブールで指揮をし、フィリップスにヘブラーと共演してベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番を録音して以降、彼はレコーディングを行っていないし、演奏の記録を探せなかった。彼はどうしたのだろう?
一度、聞いてみられてはいかが?
by Schweizer_Musik | 2009-11-23 23:27 | パブリック・ドメインの録音より