冬の夜の慰めに (30) 今再びショーソンの詩曲を…
作曲者 : CHAUSSON, Ernest 1855-1899 仏
曲名  : 詩曲 Op.25 (1896) Poème
演奏者 : アルチュール・グリュミオー(vn), ジャン・フルネ指揮 コンセール・ラムルー管弦楽団
CD番号 : PHILIPS/PHCP-1298

以前にとりあげた気がしているのだけれど、もうあまりに色々と書き散らかしてしまった後で、分からなくなっているのでご容赦いただきたい。
何しろこの曲が好きで好きでたまらないのだ。つい聞き始めると最後まで聞かないで終えることは、私には不可能である。
最近、ピアノ伴奏版で、植村菜穂(vn)と藤井一興(pf)によるこちらがステレオ盤では気に入っているのだけれど、オケ版で今日はアルチュール・グリュミオーの旧盤をとりあげたい。指揮は先日亡くなられたジャン・フルネである。
実は、植村菜穂の弾くフランクのソナタについて書こうと思って書き始めたのだけれど、途中でこれを耳にしてしまうともうどうにも止まらなくなってしまった…。
冒頭の低音のハーモニーにのって現れるヴァイオリン・ソロのメランコリックで何とも悲しげで、それでいて一つの刺繍音、一つの倚音、一つの経過音しか持たない、4分音符ばかりの単純な分散和音という素材の徹底した吟味の上でのテーマは、寡黙で、そして饒舌…。
テクニカルな部分もあるのだけれど、きらびやかなソロというより、もっと思索的で、なるほど詩曲なのだ…。
鹿児島の天文館にあった名曲喫茶の想い出は前に書いた気がするので止めておこう。
グリュミオーがヴァイオリンを変える前(何から何に変えたのか、すっかり忘れてしまった…笑)の響きがたっぷり味わえる上に、50年以上前のジャン・フルネの滋味あふれる指揮が聞ける。ああ、なんて美しいのだろう。モノラルながらフィリップスの復刻は全くと言っていいほどノイズが無い。解像度もまずまずだけれど、ちょっと高音が寂しい…。
by Schweizer_Musik | 2008-11-12 07:55 | (新)冬の夜の慰めに…
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