マイナルディとゼッキのベートーヴェンのチェロ・ソナタ全集
作曲者 : BEETHOVEN, Ludwig van 1770-1827 独
曲名  : チェロ・ソナタ 第2番 ト短調 Op.5-2 (1796)
演奏者 : エンリーコ・マイナルディ(vc), カルロ・ゼッキ(pf)
CD番号 : TOWER(Grammophon)/PROA-141〜2

若いベートーヴェンのチェロ・ソナタを二人の巨匠による演奏で聞く。エンリーコ・マイナルディはイタリアのチェロの巨匠。あのペレーニに先生でもある。
1897年生まれでこの録音時で58才か59才だったと思われるが、最も充実していた頃の録音とも言えよう。モノラル時代の終わりにはこうした隠れた名盤が多い。ステレオで録音されたものに置き換わっていく中で忘れられていったもので、今になって聞くと忘れるにはあまりにもったいないものが多いことに驚く。
ピアノがゼッキというのも嬉しいことで、草津音楽アカデミーで指揮をしていたのが懐かしい。クララ・ハスキルがロンドンで録音したベートーヴェンの4番の協奏曲で共演したのもゼッキだった。
彼は1920年頃にイタリアでピアニストとしてデビューしており、ピアニストとしても高名で、ローマの聖チェチーリア音楽院のピアノの教授を長く務めたことでも知られている。
ピアノのCDは二枚ほどあったと思うけれど、どこに行ったものかちょっと探し出せなかった…。
しかし、ここでのエンリーコ・マイナルディと丁々発止とかけあうところはなかなか面白く、チェロの響きの良さ(なんて品の良い音なのだろう…)とともにピアノに心が動いてしまう。
ベートーヴェンの若書きのこの作品を相応しい力感と高い品位を保って二人は見事に演奏している。フルニエとケンプによるパリでの録音が私は好きなのだけれど、このマイナルディとゼッキの録音も大変楽しめた。名作には名演がたくさん…。目移りしてちょっと困る…(笑)。
by Schweizer_Musik | 2008-12-08 09:19 | CD試聴記
<< ヴェーグ指揮のアイネ・クライネ... 冬の夜の慰めに (33) 故廣... >>