クルト・マズアの指揮でドヴォ8を聞く
作曲者 : DVOŘÁK, Antonín 1841-1904 チェコ
曲名  : 交響曲 第8番 ト長調「イギリス」Op.88 B.163 (1889)
演奏者 : クルト・マズア指揮 ニューヨーク・フィルハーモニック

大変好きな曲なので、少々演奏が悪くてもそれなりに満足してしまう傾向にあるのだけれど、この曲は多分チェロ協奏曲やピアノ五重奏曲などとともにドヴォルザークの全作品の中でも特に好きな作品であるのだ。
さて、少々思い入れの深い音楽なのだが、それをクルト・マズアがどんな風にやっていたんだろうと思ってみた。聞いた結果は極上の演奏であったということである。
ニューヨーク・フィルが第一級のオケであることは間違いない。第1楽章の展開部、ヴィオラの滑らかなメロディーにフルートが速い音型のオブリガートをつけていく(まるで「星条旗よ永遠なれ」のトリオの有名なピッコロのソロのような所)でのフルートの上手さといったらどうだ!
第一級のソリストたちの集団であることを証明してみせているのだ。弦のはち切れんばかりの輝きといい、管楽器の優秀な演奏家たちのアンサンブルの見事さは、特筆大書せねばなるまい。
大体上手すぎるほどのオケなのだ。それをしっかりとした考え方を持ったシェフが操れば自ずと良い結果が得られるということなのだろう。
第2楽章冒頭の弦の深々とした響きに、このオケの底知れない能力を聞くことができる。
ドヴォルザークならチェコのオケでという本場主義なんて愚かな迷信である。第3楽章のちょっとスラブ舞曲の中に入っていそうな音楽の伸びやかに歌う弦と、からみついてくる木管の分散和音絶妙なバランスに耳を傾けて欲しい。
ああ、なんて良い音楽なのだろう。
終楽章の晴れやかなファンファーレの後に千両役者のようにチェロに出て来るメロディーを、デリケートに歌わせて、ヒーローが意外に繊細な心の持ち主であることをさりげなくアピールしていくマズアのユニークな解釈も気に入った。良い演奏が手に入った。ハード・ディスクに入っているカラヤンの録音を消してクルト・マズアに入れ替えることにしよう!!
by Schweizer_Musik | 2008-12-14 00:44 | CD試聴記
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