ツェルターの作曲した「カッコウとロバ」のコーラス・アレンジ…下手だなぁ
作曲者 : ZELTER, Carl Friedrich 1758-1832 独
曲名  : カッコウとロバ
演奏者 : シンガー・プア(Singer Pur)
このアルバムは こちら

yurikamomeさんのブログで、この作曲家の「トゥーレの王」というのをとりあげておられた。多分ゲーテの詩なのだろう。同じものならシューベルトの歌曲にもある。ちなみにあの有名な「魔王」も十人以上の作曲家が曲をつけている。有名なのはレーヴェあたりであろうが、yurikamomeさんのエントリーを読んで調べてみたら、このツェルターなる作曲家も作っていることが判明した。
モーツァルトよりも2歳年下でベートーヴェンよりも12才年上の作曲家ツェルターもまた「魔王」を作っていた。それはこちらで聞くことができる。
で、この「カッコウとロバ」は、私はてっきりドイツ民謡だと思っていた。ルチア・ポップが歌った魅力的な「ドイツの子供の歌」というアルバムに大変洒落たアレンジと演奏でおさめられ、ヤマハ時代よく仕事で使っていたものである。
で、このシンガー・プアというコーラス・グループのものを聞いてみた。
シングフォニカーという素晴らしいコーラス・グループとよく似た編成かと思ったが、女声も入っているので、こちらはイギリスのスコラーズなどとよく似た編成であることがわかる。
で、アレンジであるが、はっきり言って凝りすぎ…。多分曲を知っていたとしても、聞いてこの曲だとわかるまで時間がかかるのではないか?
五月ののどかな日にカッコウとロバが歌比べをするという牧歌的なテーマの曲だが、だからとぃってシューマンの「詩人の恋」から「五月に」を引用してみたり、色々と異なるフレーズをゴチャゴチャ入れたあげく、何をやっているのかサッパリわからなくなってしまっている。
下手なくせに、凝りすぎるアレンジャーの典型である。これなら私に依頼してくれれば、もっとうまくやってあげるのに…(笑)。
こうして下手な失敗例を聞くことも仕事の内。ちょっと優越感に浸ってしまった。
しかし、ツェルターってこういう作曲家だったのか…。「魔王」なんて、こんなノンビリしていては、絶対魔王の方がお父さんにやっつけられるに違いない(笑)。
by Schweizer_Musik | 2009-01-12 22:33 | ナクソスのHPで聞いた録音
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