遅ればせながら、神奈川フィルの定期、ブルックナーのテ・デウム
もうだいぶん前のことのように思うけれど、まだ先週の金曜日のことである。神奈川フィルの定期でシュナイト氏の演奏会を聞いてきた。
曲目はブラームスの「悲劇的序曲」と「運命の歌」と「哀悼の歌」が前半で、後半がブルックナーのテ・デウムであった。神奈川フィルハーモニー合唱団はそこそこの出来映えで、前半はオケ作品である「悲劇的序曲」をのぞいて少々危ないところもあった。特にソプラノのパートの音程が目立っていたけれど、ほかもかなり厳しい状態のところがかった。
しかし、この滅多にコンサートで聞くことの出来ない2作品を実演で聞くことが出来たのは幸いであった。ブラームスは合唱指揮者として長く日々の糧を得ていたこともあり、合唱音楽は彼のホームグラウンドだったから、その作品が交響曲などに比べて、あまり聞く機会がないのは仕方ないこととはいえ、残念に思っていただけに、このプログラムを神奈川フィルハーモニーで聞くことは、そして浜ッ子のマエストロ、シュナイト氏の指揮で聞けることはすばらしい体験であった。
先日の川崎でのブラームスのドッペル・コンチェルトに続き、至福の時間を過ごせた。合唱団の育成が今後の課題だろう。
後半はオルガン奏者と四人のソリストを迎えてのブルックナーとテ・デウム。ああ凄いことが起こってしまったとしか言うしかない事態にここで立ち至ったのである。
神への賛美を歌い上げるこの作品を、シュナイト氏はじっくりと、そして壮大に響かせた。神奈川フィルのすばらしさは絶品だった。合唱団も力の限り歌い上げ、オルガンは鳴り渡った。
四人のソリストはすばらしい出来映えで、この奇跡をさらにすばらしいものにするのに寄与した。石田氏のソロは涙がでるほど美しく、この天才をこれからもぜひ神奈川フィルで聞きたいものだと思った。
長い曲なのに、あっという間に終わってしまった。またしても封印の曲が増えてしまった…。オイゲン・ヨッフムがベルリン・フィルと録音したものを愛聴してきたが、しばらく聞く気にもならず…である。
終了後、レセプションがホールのロビーであ、シュナイト氏の退任の挨拶などがあったが、一同、ぜひまた神奈川フィルを振ってほしいという気持ちでいっぱいだったことだけは間違いない。
感動の夕べを終え、午後10時になっていたけれど、このまま帰れるわけがなく、関内のいつものところに「勝手に応援する会」のメンバーは移動し、反省会を行ったのである。
白熱した議論の内に、私はなんとか最終電車に飛び乗り、帰還した。
のいつものところに「勝手に応援する会」幹事のyurikamomeさんをはじめ、みなさま、ありがとうございました!!幸せな夕べでした!!シュナイト氏と神奈川フィル、石田氏に乾杯!!
by Schweizer_Musik | 2009-03-17 11:07 | 神奈川フィルを聞く
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