ハイドンのネルソン・ミサをコッホの指揮で
作曲者 : HAYDN, Franz Joseph 1732-1809 オーストリア
曲名  : ミサ曲 第9番 ニ短調「深き悲しみのミサ (ネルソン・ミサ)」Hob.XX-11 (1798)
演奏者 : ヘルムート・コッホ指揮 ベルリン放送交響楽団, 合唱団, ヘルムート・エルテル(org), イザベル・ナーヴェ(sop), エレン・アブロラート(m-sop), ゲルトラウト・ペレンツロウ(alt), ヨゼフ・レティ(ten), トーマス・トーマシェック(bs)
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ハイドン後期の傑作、ネルソン・ミサを聞く。コッホの指揮は疑いなく最高の出来映えでコーラスも良い。ただ、ソリストに若干の問題がある。ソプラノは明らかに声量不足で音程がフラット。それでもグローリア唱の冒頭など力強さもあり悪くないが、メゾは平板で女声陣はやや低調。男声陣はまずまずで楽しめる。
コッホの宗教作品の録音は「天地創造」以外ではソリストの問題が散見されもったいないことである。先日、モーツァルトのレクイエムを聞いたが、あれほどひどくはなかってけれど、それでもコッホほどの巨匠を迎えてこれでは残念なことだと思う。
とは言え、相対的な話であって、コッホのこの曲の演奏が、凡百の演奏と隔絶した格調を持つ名演であることは疑いない。オケ、そして合唱の仕上がりについて言えば最高のものだと思う。終曲のDona nobis pacemでもっと華やかでも良いのではと思わないでなかったが、これは私にとってこの曲一番の演奏であり続けているネヴィル・マリナーの演奏を聞きつけているから思うことであろう。
やはり今もネヴィル・マリナー指揮による演奏がトップの座を守っていると考える。コッホ盤はドレスデン・シュターツカペレのようなオケの響きの輝きに欠ける上、コッホ盤のソリストたちはマリナー盤に到底及ばない。合唱は同等の出来映えと思う。(マリナー盤ではライプツィヒ放送合唱団。上手い!!)
マリナー盤を知らなかったら、これを文句なしで推薦していたけれど、企画、プロデューサーの腕などの差なのだろうか?
by Schweizer_Musik | 2009-04-10 12:03 | ナクソスのHPで聞いた録音
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