スウィトナーのビデオを見る
ようやく時間ができて、この前yurikamomeさんから貸していただいたスウィトナーのビデオを見た。先日、NHKで放映されたものである。
良い番組であった。スウィトナーと妻と愛人とそして愛人との間にできた息子の4人の生活を、息子の側から父オトマールを見つめる形で番組が作られていたが、彼の個人的な問題はともかく、ところどころでみるオーストリアやバイロイトの風景が懐かしく、またかの国にも行きたいという衝動にかられた番組でもあった。
特にインスブルックのハーフェレカー(だと思うが…)の映像やウィーンの町並みの映像は嬉しいばかりであった…。
終わり近くになってスウィトナーが久しぶりに息子のためにと言ってモーツァルトやシュトラウスを指揮しているところは胸が熱くなった。私がN響のテレビをむさぼるように見ていたあの頃を思い出してしまった。その頃のままの音がした…。
ベートーヴェンの英雄を見た時は、この曲をスウィトナーが指揮したレーザー・ディスクを持っていて、よく見たものだから、その響きについ反応してしまった。
それはともかく、現在の彼が指揮したいくつかの演奏からも、その昔の彼の素晴らしい芸術の一端を聞きとることは可能だった。確かにオケはあの頃とは違うし、アンサンブルもそれほど揃っていなかったりするが、音はあの頃のままだった。彼よりもっと衰えても指揮台にあがりつづけた人も多くいる。
晩節を汚したと言っても良い場合もあったが、それをいさぎよしとしない、スウィトナーの音楽に対する厳しさが、彼を引退へと決意させたようだ。今も録音だけならば、十分に素晴らしい演奏が可能であろうが、そんなことは彼自身が許せなかったのだろう。

しかし、こうした音楽家が少なくなっているとは思わないが、作曲家の意志なんてほったらかしにして、デフォルメしてしまう傲慢な音楽家が増えていることに、時代の変化を感じずにはいられない。
やっと見ることができた…。最後のモーツァルトは何度かくり返して見た。彼がドレスデン・シュターツカペレを指揮したモーツァルト演奏を思い出し、ついそれを聞いたりもしてしまった。いや楽しい時間であった。
yurikamomeさんに感謝!!
by Schweizer_Musik | 2009-05-07 18:13 | 音楽時事
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