マクアミスの「夢」をソリアのオルガンで聞く
作曲者 : MACAMIS, Hugh 1899-1942 米
曲名  : 夢 "Dreams"
演奏者 : サムエル・S・ソリア(org)
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アメリカのオルガニストだったヒュー・マクアミスによる作品は、私はこの曲しか知らない。その昔、フォックスの演奏で聞いたことがあるが、どんな演奏だったかは憶えていない。けれど、とても優しい雰囲気の曲だったことだけはこれを聞いて思い出した。
この音楽家は、ガーシュウィンなどと同じ世代に属している。とは言え、片方は流行作家で片方はオルガニストでは全く境遇が違う。ここにアメリカ的な、コープランドやガーシュウィンの面影を追っても無駄である。せいぜいラインベルガーなどのドイツ系のヨーロッパ・オルガン音楽の伝統の中から生まれ出た作品というのが私の印象である。そうでなければオルガンではないがマスネなどのオーケストラ作品などにちょっとルーツを感じる。
しかし、一国の文化とはなんと多様で面白いものだろうか?偏った見方、聴き方をしていては、本当に素晴らしい音楽を聞き逃すなぁとつくづく思う。
わずか5分ほどの小品。途中に鐘の音が入っていて、雰囲気抜群だ。ボエルマンのゴシック組曲の中の「ノートルダムへの祈り」とともに、この作品はオルガンのために書かれたロマン派、あるいはその流れを汲む音楽群の中でも屈指の美しい小品と言えるのではないだろうか?
ちょっとした盛り上がりも良いアクセントとなり、「夢」はどこまでも穏やかだ。このところ「悪夢」が多い(笑)ので…。
by Schweizer_Musik | 2009-06-02 07:15 | ナクソスのHPで聞いた録音
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