フィッシャー指揮の交響曲第25番
作曲者 : HAYDN, Franz Joseph 1732-1809 オーストリア
曲名  : 交響曲 第25番 ハ長調 Hob.1-25 (1761-63頃)
演奏者 : アダム・フィッシャー指揮 オーストリア・ハンガリー・ハイドン管弦楽団
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ハイドンの初期交響曲は、ドラティの全集ではじめて知った。LP時代にはあまりの高額に手が出ず、CD時代になってボーナスで買ったものだ。同じ時期にフィルハーモニア版のスコアを全集で揃えたので、当時住んでいた九州の久留米から勤務先の博多の事務所への通勤はこれを読み、帰ってからCDを聞くという楽しみで半年あまりを過ごしたことがあった。あの時ほどスコアを一生懸命読んだことはなかったが、おかげでものすごい勉強になった。大学時代よりも良い勉強になったと思う…。
それが出来た動機はなんと言ってもハイドンの作品の面白さである。そしてそれらとの出会いの楽しさ!!
ザロモン・セットとパリ・セット以外は「告別」など少しだけ知っているだけで、その多くは未知の存在だったハイドンの交響曲の世界の深さに完全に魅了されてしまった。
スコルダトゥーラはあるわ、コル・レーニョはあるわ、何でもありのハイドンの面白さ…。そして単純そうに聞こえるメロディーの気づかれない方法での一ひねりのアイデアとその解決の鮮やかさ…。

選んだのは25番だけれど、何故これを?と聞かれれば、今これを聞いているからと答えるしかない。これが21番でも22番でも何でも良い。いや、有名曲に準ずる第26番にしようかと思った(「悲しみ」という標題がついている短調の交響曲でこれも3楽章制)のだけれど、私としてはちょっと捻りをきかせたつもりなのだ。
とは言え、ハイドンの104曲+αの交響作品のそれに個性がないとかいうのではないのはもちろんである。どれもが面白いのだから、選ぶのが難しいのだ…。
第1楽章は長い序奏に続いてアレグロの主部に入り、全体が3楽章制で出来ているのはちょっと面白い。こうした例は他にもないことはないが、ハイドンと言えば原則として4楽章制なので、ちょっと特徴的であると言えよう。
モーツァルトの「プラハ」を思い出す方もいるかも知れない。もちろんあれほど長い曲ではなく、全体でも17分ほど。私のようなせっかちな者にはピッタリ…(笑)。
演奏はアダム・フィッシャー指揮オーストリア・ハンガリー・ハイドン管弦楽団である。ウィーン交響楽団など、あのエリアのメジャーなオケのメンバーを選りすぐってハイドンが使えていたエステルハージ宮で演奏するためのオケである。何しろこれが上手いのだ。
これが、ニンバス・レーベルのナクソス参戦で会員は聞くことができるようになった。なんと嬉しいことであろうか!!
フィッシャーとこのオケ(いつ常設のオケになったのだろうか?今も臨時編成のまま?詳しくは知らないけれど)今年の晩秋に来日するそうだ。
いや、良い演奏だ。私のあまり好きではない古楽器風のあざとさはなく、アンサンブルの優秀さ(ハイドンはこれがとても必要なのだ…)が際だっている。個々の奏者の水準も高く、木管などのフレーズの美しさは特筆すべきであろう。
楽しい作品たちである。こんな風に書いている内に、曲は第26番「悲しみ」に入り、ホルンの咆哮が聞こえている。没個性的だとか言うのは、ロクに聞いていないだけで、こんなに多様で面白い世界を享受しないのは、とてももったいない話だと思う。
ぜひ、一度お試しあれ!
今日も忙しい…。明日が終わればようやく一息がつけるので、この前のコンサートの事後処理を行うことができそうだ。
by Schweizer_Musik | 2009-06-07 09:31 | ナクソスのHPで聞いた録音
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