レーガーのシンフォニエッタ
作曲者 : REGER, Max 1873-1916 独
曲名  : シンフォニエッタ "Sinfonietta" イ長調 Op.90 (1904-05)
演奏者 : ハインツ・ボンガルツ指揮 ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団
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1972年11月録音というこの演奏。なかなかに美しい。さきほど、このボンガルツがライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団を振ったブルックナーの交響曲第6番を聞いたけれど、耳を突き刺す厳しい音にちょっと辟易としたところだったので、ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏はとても美しく聞こえる(実際に美しいと思う)。
レーガーが三十代になったばかりの頃に書いたこの作品は、いかにもレーガーらしい意外な転調とハーモナイズで印象的である。
思いがけない和音と意外性のある転調はレーガーの専売特許ということもないが、それ以上にレーガーらしいなと思うのが「長い」ということだ。
どうしてレーガーはこうも長い「シンフォニエッタ」を書いたのだろう。もともとシンフォニエッタとは管楽器だけでやるものだったが、小規模の交響曲といったものにも使われるようになった。弦楽オーケストラのための交響曲などにも使われたり、室内オケのための曲に使われたりする。
が、このレーガーの作品は普通の二管編成にハープやティンパニーまで入っている。そして50分もかかる。シンフォニエッタとは何かの皮肉かと思うほどである。
堂々たる大交響曲である「シンフォニエッタ」は、後期ロマン派の衣装を纏って書かれ、堂々たるボンガルツの指揮の下、響き渡るのである。
響きや転調にちょっとした皮肉というか、苦さがあるのがレーガー流。これが好きという人には堪えられない一品であろう。
この曲は、1904年〜1905年に書かれたというが、敬虔なカトリックの信者であった彼が、離婚歴のあるプロテスタントの女性と結婚したために、教会から破門となった後の作品ということになる。
信仰に対して大らかな国民である日本人にはこうしたことは、ちょっとピンと来ないことではあるが…。

それよりもレーガー理解の上でもっと重要なのは、彼が1897年に徴兵され、1998年に退役したという事実であろう。レーガーは、その頃から暴飲暴食を行い、そして過度の喫煙を嗜むようになっていった。退役した1898年にはほとんど虚脱状態だったという。そして、今日で言うところのメタボの典型の体となって行った彼は、この曲を書いた10年あまり後に心筋梗塞で亡くなった。
極度の肥満であったそうだが、こうした生活習慣が彼の死を早めたことだけは間違いなさそうである。
戦争に行った後からのことで、これがなければ…と思えなくもない。
全く関係ないが、私もヤマハ時代に暴飲暴食したツケを今払っている…(苦笑)。

この他に1912年に書いた「希望に "An die Hoffnung"」Op.124とその2年後に書いた「自由礼讃 "Hymnus der Liebe"」Op.136がブルマイスターの歌で入っているが、これが天国的な美しさ!!ドイツ語に堪能ではない私には何を歌っているのかさっぱりで、論評する資格は全くないので、タイトルに入れなかったが、これは一度お聞きいただきたい。
マックス・レーガーの「渋い作曲家」という印象が一変することだろう。
by Schweizer_Musik | 2009-06-21 10:46 | ナクソスのHPで聞いた録音
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