フォーサイスのヴィオラ協奏曲
作曲者 : FORSYTH, Cecil 1870-1941 英
曲名  : ヴィオラ協奏曲 ト短調 (1903)
演奏者 : ローレンス・パワー(va), マーティン・ブラビンズ指揮 BBCスコティッシュ交響楽団
CD番号 : hyperion/CDA67546

シベリウスばりにゆったりとした展開の作品で、ちょっと似た感じを受けるが、シベリウスの後期の作品のようなモード技法は使っていないので、ロマン主義的作品と評することができる。
第1楽章は、Appassionatoの序奏に続いて、木管の和音の刻みにのってソロが歌う主部が続く。古典的なソナタ形式で出来ていて、構造上このあたり、シベリウスの影響がちらつくが、それは表層的な問題でしかない。この作曲者は極めて古典的な音楽観の上に立って作品を組み立てていると思われる。それが悪いわけではないが、テーマがシンプルなだけでなく、やや平凡に観じられる点がこの作品の限界なのではないだろうか。
展開部は短く、すぐにネタが無くなり、カデンツァに入ってしまう。悪い訳ではないが、少々物足りない。オケももう少し出番があっても良いだろうし、ソロとオケがもっと掛け合いを行っても良いと思うが極めてシンプルな作りである。
カデンツァから再現部に移るところで、ティンパニの保続音に乗って主調を確保するところは前例がないわけではないが、ちょっとした寂寥感があって良い感じだった。
再現は型どおりに行って、そのまま同主調転調(つまりト長調)に転調してコーダが行われるが、もう少し盛り上がるように書けるはずなのに、結構サラリとスコアメイクしているので、最後のトゥッティが唐突に聞こえてしまう弱点がある。
第2楽章は一転して長いニ短調の序奏を持つが、ソロが出てきてニ長調になる。テーマは穏やかなメロディーで、美しいものだ。これに対して中間部はCon motoでイ短調でやるのだが、これが長続きせず、冒頭の動機に飲み込まれる。ここがクライマックスとなるのだが、オケのみでフォルテシモのトゥッティの中からヴィオラがすっと浮き上がるあたりはとても美しい。
ただ、全体としては、やや冗長に感じられるのは、主題間の性格の対比が希薄なのが原因だと思われる。
終楽章はこれまでになくドラマチックに始まる。が、発展する時のオケの支えが少ないので、ちょっと腰砕けになっているのは惜しいと思う。このあたりが指揮者とオケの限界なのか、それともスコアの限界なのか…。
また、ヴィオラのパートが重音奏法を使いすぎて、逆に平板に感じられる。このあたり、オーケストレーションの問題もいくつかありそうで、全体としてはやはり二級品の作品ではないかと思う。
ローレンス・パワーのヴィオラは下手ではないが、もう少し聞かせ上手だと印象もずいぶん変わっていたと思われる。
マーティン・ブラビンズ指揮のBBCスコティッシュ交響楽団の共演についても、同じである。

KAYOさん聞いてみたらこんな感じでした…。
by Schweizer_Musik | 2009-06-21 18:37 | CD試聴記
<< 夏…涼しくして音楽を聞こう -... 夏…涼しくして音楽を聞こう -... >>