ホルストの歌劇「完全なる馬鹿」よりバレエ音楽
作曲者 : HOLST, Gustav 1874-1934 英
曲名  : 歌劇『どこまでも馬鹿な男』Op.39 (1918-22) 〜 バレエ音楽
演奏者 : リチャード・ヒコックス指揮 BBCウェールズ・ナショナル管弦楽団
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リチャード・ヒコックスが六十歳という年齢で急逝したのは昨年11月23日のことだった。その彼が亡くなる四ヶ月前に録音したのがこのCDであった。
イギリスの音楽を中心に、あまり知られていない膨大な作品を録音した彼は、もちろんスタンダードなレパートリーにおいてもその類い希なセンスと技術をいかんなく発揮したもので、どれも聞くだけの内容を持っていた。ハンドリー、そしてヒコックスとイギリスは大変な才能を立て続けに失ったのはなんとも残念なことだった。
さて、このホルストであるが、私はボストックの録音を持っているが、そのやや一直線の演奏に不満なところもあったが、このヒコックスは明らかに役者が一枚上だ。
ダグラス・ボストックの指揮したミュンヘン交響楽団よりも、BBCのオケの方が優秀というのは難しい判断だが、冒頭のボーンの演奏はBBCウェールズのオケの方に一日の長がある。木管の響きの同質性というか混ざり合い具合などは、ヒコックス盤がやはり良い。
長く私にとっては唯一の録音だったボストック盤には交響曲など入っていて、私にとって今後とも大切な一枚であり続けることだろうが、ヒコックスの優れた演奏が残されたことを素直に喜びたいと思う。
大体、ホルストと言えば「惑星」で、それ以外にも数多くの作品を書いた彼の実像は、なかなか見えてこないところがある。
しかし、セント・ポール組曲やベニ・モラ、サマセット組曲などのイギリスの民謡や面白いことに東洋などのエキゾチックなものに素材を求めたものなど、好楽家ならご存知だろうし、多調性など様々な技法にチャレンジしていたことも、もっと知られて良いはずだ。
彼の著作権がパブリック・ドメインとなってもうずいぶん経つ。演奏される機会も増え、更に編曲されて二次利用される機会(あのジュピターのヒットを思い起こせば…)も増えてきている。
「惑星」に偏ることなく、もっと色々とホルストの作品を聞いて欲しいと思う。未だ室内楽などのジャンルは全く無視に近いし、ソロ曲は残されているのだろうか?…等々色々と知りたいことがあるのだけれど…。
by Schweizer_Musik | 2009-06-30 08:33 | ナクソスのHPで聞いた録音
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