ペルゴレージのスターバト・マーテル
作曲者 : PERGOLESI, Giovanni Battista 1710-1736 伊
曲名  : スターバト・マーテル (1736)
演奏者 : ハルトムート・ヘンヒェン指揮 C.P.E.バッハ室内管弦楽団, ラファエル・アルパーマン(org), ヨッヘン・コヴァルスキー(c-ten), デニス・ナセバンド(boy-sop)
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このわずか26歳で結核で世を去った天才の早すぎる晩年の作品について、KAYOさんからの書き込みがあったので、家にあるいくつかを聞き、今はやっぱりこれかなと思ったのでとりあげようと思う。
先日、IMSLPでこの曲の手稿譜も手に入れてあったので、それを眺めながら聞いていた。
しかし、よくぞ完成させて残してくれたものである。これがトルソであったとしたら、モーツァルトのレクイエムと同じ無駄な補筆完成を後の人たちはやらかしていたかも知れない。
この飾りのない、簡潔な世界こそ悲しみの聖母を表すに相応しいと思う。これに比べればあのロッシーニの傑作ですら光を失いそうだ…。ドヴォルザークの傑作もこの透明さ、無垢な悲しみには遠く及ばず、もっとロマンチックで色々な思いに満たされている。
演奏もなかなか満足にいくものがなく、かつてはグラチス指揮でミレッラ・フレーニとテレサ・ベルガンサが歌ったものを聞いていた。CD時代になってしばらくしてアバド指揮のグラモフォン盤になって以来いくつかの録音を経て、このコヴァルスキーの歌、ハルトムート・ヘンヒェンの録音に立ち至ったのである。
CDがしばらく行方不明となっている関係で、ナクソスで聞いたけれど、1992年4月、ベルリンのダーレムにあるイエス・キリスト教会での録音はやはり大変良かった。
これを聞いてから、ロッシーニの作品を聞いてみた。全く違うのは当然だが、ペルゴレージの慎ましやかな透明感をここに求めるのは明らかな筋違いと思い知った次第である。
しかし、ボーイ・ソプラノを使うとは、ちょっと思い切ったものである。かなり難しいパートだと思うからで、頭声発声の不安定な音程感がちょっと気になるけれど、ほぼ満足できる出来映えで、名カウンター・テナーのコヴァルスキーについては言うことなしで、これはとても良い演奏である。
できれば、鈴木雅明あたりが録音してくれないかなと思ったりすることはするけれど…。
by Schweizer_Musik | 2009-07-18 11:19 | ナクソスのHPで聞いた録音
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