小澤征爾の音楽塾のゲネプロ
昨日は、yurikamomeさんのご厚意により、小澤征爾の音楽塾のゲネプロを聞くことができた。若いオーケストラ団員がエンゲルベルト・フンパーディンクの歌劇「ヘンゼルとグレーテル」の伴奏を小澤征爾の指揮で懸命にやっているのを見るのは大変楽しいものであった。
yurikamomeさんと隣り合った二階の最前列の席で、隣が偶然神奈川フィルの理事で、神奈川フィルのことなどを公演前や幕間に話したりして楽しい観劇となった。
演出はダラス・オペラのプロダクションが使われていたので、なかなか豪華だったし、とても面白いものだった。歌い手も大変優れたもので、さすがとしか言いようがない。ゲネプロだからまだ力を出し切っているとは言えないだろうが、充分に満足できる内容であった。
小澤征爾の指揮は何年ぶりで聞いたのだろうか?もう随分聞いていないと思うが、まだまだ若々しい指揮で、体調も良さそうでうれしく思った。何と言っても私たちの世代にとって彼はスター中のスターなのだ。「世界の小澤」として、音楽を学んでいた頃は励みでもあったし、仰ぎ見る存在であり、憧れでもあった。
その彼がサンフランシスコ交響楽団と凱旋公演を果たしたその昔、大阪のフェスティヴァルホールでアイヴスの「夕闇のセントラル・パーク」を聞いた事は、私の最も感動した音楽体験の一つとして印象深い。
その彼も白髪を振り乱し、若い楽員を相手にまだあんなにがんばっているというのに、私は強く感銘を受けた。私もがんばらなくてはと…。
オケは若いなりによくやっていた。活躍するホルンは無難にこなしていた。もっと鳴らしても良いのではと思わないでもなかったし、ウィーン・フィルのコンマスなど名プレーヤーが座っているオケから鳴り響くそれは、立派なもので、教育プログラムと有料の公演であるということのバランスがピッタリだった。
まっ、さすがにこのオケが神奈川フィルだったら、あのコンマスが石田であれば、あのチェロが山本であればなどと思うのは、明らかな無い物ねだりであるが、ついつい我らが神奈川フィルの本拠たる横浜の公演ということで、ついついそんな不謹慎なことを思ったりしてしまったが、それはともかく、この分であれば、本番も素晴らしいものになるだろうと思った。
歌手たちは適材適所、とても演技も上手く、歌もまずまずだった。もう少しグレーテルの高音が延びて欲しいと思ったりしたけれど、あれはゲネだからだろうか?
魔女のグラハム・クラークというテノールはなかなか芸達者。素晴らしいものだったし、ヘンデルもとても良い出来だった。なにしろ主役二人は1幕の後半以外は出ずっぱりという大変なオペラなのだから、二人の出来映えがオペラの出来に大きく関わるが、この点でも充分満足であった。

フンパーディンクのスコアは、ドイツの子供の歌をワーグナー風のオーケストレーションで飾り立てたもので、なかなか演奏効果のある、優れたスコアだと思った。3-2-2-2-4の木管に2trpと3trbと様々な打楽器(グロッケンやらカスタネットまで居る…)にハープが二台。これはもうワーグナーのオペラではないか…。子供向けの題材によるオペラとしては、随分豪華な内容だ。
これを小澤征爾き快刀乱麻、手際の良さだけでない推進力のある演奏でぐいぐい引っ張っていく。もうちょっとゆったりと楽しみたい気がしないでもないところもあったけれど、あのお歳でこの若々しい演奏とは!まさに脱帽!である。
公演の後、いつものように関内のやじろべえでyurikamomeさんと飲む。時間を忘れて飲んだので、マチネだったのに帰り着いたのは九時半すぎだった。楽しい一日だった。
yurikamomeさんに心から感謝!!である。

昨日から私は夏休みに入る。と言っても学校が夏休みというだけで、仕事が全面休みになったわけではない。よく休みが長くて良いですねと言われるのだけれど、家に居て遊んでばかり居るのではないので、ちょっと誤解なのだけれど…。まっ、出かけることがしばらく少なくなりそうだ。
今日、昔、私に音楽のてほどきをして下さったN先生から手紙を頂いた。昨年、出版した曲について書かれてあった。そんなこんなで、なんとなく良いことがこのところ続いている。この調子で続いてくれればいいのだけれど…(笑)。
by Schweizer_Musik | 2009-07-19 15:10 | 音楽時事
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