ホヴァネスの「聖グレゴリウスの祈り」
作曲者 : HOVHANESS, Alan 1911- 2000 米
曲名  : 聖グレゴリウスの祈り "Prayer of Saint Gregory" Op.62b (1946)
演奏者 : ジェラルド・シュウォーツ指揮 シアトル交響楽団, チャールス・ルトラー(trp)
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日本を愛してくれたアメリかの作曲家ホヴァネスの膨大な作品の中でも、この曲は特に有名ならしく、CDでもいくつか私は持っていて、編曲ものも合わせれば7枚か8枚程度あるはずだ。
グレゴリオ聖歌(だと思う)をテーマとし、弦楽合奏とトランペットのために書かれたわずか5分ほどの作品である。実はルドルフ・ヴェルテン指揮 イ・フィアミンギの演奏が大変好みなのだが、手に入るのかどうか分からないので、ナクソスにもあるこちらをあげておこうと思う。
吹奏楽やオルガンにアレンジされたものもあるけれど、弦楽とトランペットのアンサンブルのこの原作方がやはりなかなかに美しく、この作曲家が粗製濫造したなどという偏見を退ける強さがあると思う。
シュウォーツはおびただしい録音を残しているが、その多くがこうした(アメリカを中心とした)近現代の作品で、我々のようなものには大変ありがたい。
イチローが活躍するシアトルのオケはまずまず優秀で聞きやすいものである。これでホヴァネスに興味をお持ちになられた方は、「そして神は大いなる鯨を創りたもうた "And God Created Great Whales"」Op.229-1 (1970)あたりをお聞きになられてはいかがだろう。もちろんナクソスにある(こちら)。
1950年代の終わりから60年代はじめにかけてホヴァネスは日本をはじめアジア各国を巡り、それに大きく影響を受けている。彼自身はアルメニア系と聞いたが、多民族社会のアメリカならではの作曲家で、異なる文化に対して極めてオープンな態度で接し、それを自らの音楽に取り入れていったのである。
従って、彼の作品は気恥ずかしくなるほどわかりやすい5音音階で出来ていたりすることもある。ナクソスにある自演によるビアノ作品などは(こちら)私に言わせれば彼の作品としては駄作の部類に属するように思う。しかし、全部で67曲ある交響曲(と言っても、古典的な形態を持つものは半数ほどで、合唱作品なども含まれるし、全2楽章で10分程度の短い作品もある)や管弦楽作品といくつかの合唱作品(傑作だと私は考えているマニフィカートは良い演奏に未だ巡り会えていないが…)などが彼の本領であるのだろう。
緻密な構成も彼の音楽の特徴でもない。いかにもアメリカ的大らかさがつきまとう。でもそれが実に正直で発想の面白さに惹きつけられる。
富士山にインスピレーションを受けたという交響曲第2番「神秘の山」はフリッツ・ライナーの名演が残されているが、ナクソスにもある(こちら)。
色々と紹介したい曲はたくさんあるけれど、今日はこのくらいにして仕事に移ろう…。
by Schweizer_Musik | 2009-07-29 04:14 | ナクソスのHPで聞いた録音
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