知らなきゃ恥ずかしい名曲 + @ (S) -03
シューマン(SCHUMANN, Robert Alexander 1810-1856 独)
651) 交響曲 第1番 変ロ長調「春」Op.38 (1841)
演奏はアントニ・ヴィト指揮 ポーランド国立放送交響楽団
もしくはフランツ・コンヴィチュニー指揮 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

652) 交響曲 第2番 ハ長調 Op.61 (1845-46)
演奏はアントニ・ヴィト指揮 ポーランド国立放送交響楽団
もしくはフランツ・コンヴィチュニー指揮 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

653) 交響曲 第3番 変ホ長調「ライン」Op.97 (1850)
演奏はアントニ・ヴィト指揮 ポーランド国立放送交響楽団
もしくはフランツ・コンヴィチュニー指揮 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

654) 交響曲 第4番 ニ短調 Op,120 (1841/51改訂)
演奏はアントニ・ヴィト指揮 ポーランド国立放送交響楽団
もしくはフランツ・コンヴィチュニー指揮 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
名演として名高いのはヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団。超名演だが録音が古色蒼然たるもので、広く薦めるには躊躇してしまう。だが、この演奏に心動かされたならば、ヘルマン・アーベントロート指揮 ライプツィヒ放送交響楽団を聞いてみることをお薦めしたい。聞いていて自然と胸が熱くなるような演奏…と言えばいいのだろうか。
こんな演奏を味わってしまうと、今の演奏家たちが古楽器だのやっているのがバカバカしくなってしまう。

655) 劇付随音楽「マンフレッド」Op.115 (1848-49)
演奏は英語上演しかないのは残念だがトーマス・ビーチャム指揮 ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団他
序曲だけならフランツ・コンヴィチュニー指揮 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

656) ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54 (1841/45)
演奏はペーター・レーゼル(pf), クルト・マズア指揮 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団。

657) チェロ協奏曲 ニ短調 Op.129 (1850)
演奏はこれまた古い録音で恐縮だがモーリス・ジャンドロン(vc), エルネスト・アンセルメ指揮 スイス・ロマンド管弦楽団。更に古い録音だがグレゴル・ピアティゴルスキー(vc), ジョン・バルビローリ指揮 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団。
比較的新しいステレオ録音ではユルンヤーコブ・ティム(vc), クルト・マズア指揮 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団が良い。

658) ピアノ五重奏曲 変ホ長調 Op.44 (1842)
演奏はペーター・レーゼル(pf), ゲヴァントハウス四重奏団。
モノラルだがクリフォード・カーゾン(pf), ブダペスト弦楽四重奏団も良い。

659) 幻想小曲集 Op.88 (1842)
演奏はベルリン・ゲーベル・トリオ
もしくはボロディン・トリオ

660) ピアノ,クラリネットとヴィオラのための「おとぎ話」Op.132 (1853)
演奏は今井信子(va), ジャネット・ヒルトン(cl), ロジャー・ヴィグノールス(pf)

661) 幻想小曲集 Op.73 (1849)
演奏はトルレイフ・テデーン(vc), ローランド・ペンティネン(pf)
クラリネット版は磯部周平(cl), 大島史子(pf)

662) 五つの民謡風の小曲集 Op.102 (1849)
演奏はトルレイフ・テデーン(vc), ローランド・ペンティネン(pf)

663) アベッグ変奏曲 Op.1 (1830)
演奏は良いのがナクソスにない。フランツ・フォーラバー(pf)がかろうじて聞けるかな…というところ。

664) 蝶々 Op.2 (1829-31)
演奏はペーター・レーゼル(pf)

665) ダヴィッド同盟舞曲集 Op.6 (1837)
演奏はアンネローゼ・シュミット(pf)
もしくは浜口奈々(pf)

666) 謝肉祭「4つの音符による面白い情景」Op.9 (1833-35)
演奏はフレディ・ケンプ(pf)

667) ピアノ・ソナタ 第1番 嬰ヘ短調 Op.11 (1832-35)
演奏はベルント・グレムザー(pf)
もしくは浜口奈々(pf)

668) 幻想小曲集 Op.12 (1837)
演奏は良いのがなく、中ではローラン・カバッソ(pf)がなんとか聞ける。

669) 交響的練習曲 Op.13 (1837)
演奏はペーター・レーゼル(pf)
もしくはベルント・グレムザー(pf)

670) 子供の情景 Op.15 (1838)
演奏は古い録音で、やや硬質なタッチではあるがワルター・クリーン(pf)がかろうじて…。各曲にTRで区切っていないのはトロイメライだけ聞きたいなどという人には不便だが、全曲聞く際、ナクソスだと読み込みで途切れたりしないのでありがたいかも…。
もっと古い録音でSPの針音だらけではあるがアルトゥール・シュナーベル(pf)の演奏はさすがに耳を傾けるだけの内容を持っている。
アルフレッド・コルトー(pf)の名演もある。ここまで語り上手なのを聞いて、若いピアニストのものなどを聞くと、おいおい勉強しろよと言いたくなる。

671) クライスレリアーナ Op.16 (1838)
演奏はヴラド・ペルルミュテール(pf)。硬質でやや平板ではあるが、この曲のロマンチックな性格をよくとらえているので…。

672) 幻想曲 ハ長調 Op.17 (1835-38)
演奏はヴラド・ペルルミュテール(pf)

673) ピアノ・ソナタ 第2番 ト短調 Op.22
演奏はベルント・グレムザー(pf)

674) 森の情景 Op.82 (1848)
演奏はパウル・グルダ(pf)が意外に良かった。色々やっているようだが、ピアノをもっとまじめにゆれば良いのに…。

675) リーダークライス Op.24 (1840)(ハイネ詩)
演奏はトーマス・バウアー(br), ウタ・ヒールシャー(pf)

676) ミルテの花 Op.25 (1840)
第1, 3, 7, 9, 11, 12, 15, 21, 23曲の抜粋 白井光子(sop), ヘルム-ト・ヘル(pf)
第7, 21, 24曲のみペーター・シュライアー(ten), ノーマン・シェルター(pf)
第1, 17. 18, 25, 26曲のみペーター・シュライアー(ten), ノーマン・シェルター(pf)
第1, 3, 5, 7. 25曲のみ ペーター・シュライアー(ten), ノーマン・シェルター(pf)
こういう抜粋のみでしかないのは残念だが、とりあえず有名曲は聞くことができる。

677) ケルナー歌曲集 Op.35 (1840)
演奏はペーター・シュライアー(ten), ノーマン・シェルター(pf)

678) リーダークライス Op.39 (1840) (アイヒェンドルフ詩)
演奏は白井光子(sop), ヘルム-ト・ヘル(pf)

679) 女の愛と生涯 Op.42 (1840) (A.シャミッソー詩)
演奏はキャスリーン・ファリアー(alt), ジョン・ニューマーク(pf)は知らない人がいないほどの名盤。
ロイス・マーシャル(m-sop), ウィリアム・アイード(pf)はライブで、声に好みが分かつかも知れない。少し衰えが来ているようだが、よくカバーして歌っている。こうなると経験とテクニックなのかも知れない。
若い人で新しい録音ならシビラ・ルーベンス(m-sop), ウタ・ヒールシャー(pf)は大変優れている。まずきこれから聞くのが良いかも知れない。ナクソスの声楽のキャスティングはちょっと驚くほど水準が高い。
室内楽で伴奏したもの(古い録音だがまずまずの状態!)ロッテ・レーマン(sop)という変わり種もあるが、意外といける。彼女は名指揮者のブルーノ・ワルターのピアノで歌ったもの(こちら)もあるが、これは歴史的名盤。ワルターのピアノも自家盤のソロなどを聞いた人はあまり良い印象をもっていないかも知れないが、さすがに商用録音でアメリカに渡って苦労を重ねていた頃に旧友と会って安心したかのような暖かい演奏で、私はとても好きな演奏の一つである。

680) 歌曲集「詩人の恋」Op.48 (1840) (ハイネ詩)
演奏はトーマス・バウアー(br), ウタ・ヒールシャー(pf)アンドレアス・シュミット(br), ルドルフ・ヤンセン(pf)がバリトンでは良い。シュミットの歌はちょっと重く、ヤンセンがいつものように平板なのはちょっと減点…だが。
録音は古いが極めつきのコンビフリッツ・ヴンダーリッヒ(ten), フーベルト・ギーゼン(pf)がある。テノールで他にはペーター・シュライヤー(ten), ノーマン・シェルター(pf)のデリケートな青年像を描いた演奏をあるが、私は少し繊細すぎるように思う。ただとても美しい演奏だ。



スクリャービン(SCRIABIN, Alexander 1872-1915 露
681) 交響曲 第4番「法悦の詩 "Le Poeme de L'extase"」Op.54 (1905-08)
演奏はレイフ・セーゲルスタム指揮 王立ストックホルム・フィルハーモニー弦楽合奏団

682) 交響曲 第5番「プロメテウス-火の詩」Op.60 (1908-10)
演奏はゲンナジ・ロジェストヴェンスキー指揮 ハーグ・レジデンティ管弦楽団, ヴィクトリア・ポストニコワ(pf)

683) ピアノ・ソナタ 第2番 嬰ト短調「幻想的ソナタ」Op.19 (1892-98)
演奏はベルント・グレムザー(pf)
もしくはホーカン・アウストボー(pf)もなかなか良い。

684) ピアノ・ソナタ 第7番「白ミサ」Op.64 (1911) / 第9番「黒ミサ」Op.68 (1913)
演奏はベルント・グレムザー(pf)


ショスタコーヴィチ(SHOSTAKOVICH, Dmitry 1906-1975 露)
685) 交響曲 第1番 ヘ短調 Op.10 (1925)
演奏はクルト・マズア指揮 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
で、現在私が一番気に入っているのはドミトリー・キタエンコ指揮 ケルン・グルゼニッヒ管弦楽団。交響曲15曲がすでにナクソスにアップされているが、そのどれもが大変クオリティが高く、お薦めできる。
ショスタコーヴィチの交響曲を選ぶのはベートーヴェンの交響曲から何曲か選ぶのと同じで、全てが重要作と思って欲しい。
20世紀に書かれた最も重要な作品群であるので、キタエンコの全集は必聴だと思う。お金がある人はハイティンクの全集か古いキリル・コンドラシン、あるいはロジェストヴェンスキーの全集を聞いてから…という気もしないではないが、キタエンコの全集があればしばらくは良いだろう。以下、キタエンコは除いてそれ以外のものだったらという前提で書いていく。
キタエンコの録音のある場所は以下の通り。
第1番 / 第3番
第2番 / 第5番
第4番
第6番 / 第7番 / 第9番
第8番
第10番
第11番
第12番
第13番
第14番 / 第15番

686) 交響曲 第4番 Op.43 (1935-36)
演奏はセミヨン・ビシュコフ指揮 ケルン西ドイツ放送交響楽団は骨太の力強い演奏である。
ギュンター・ヘルビッヒ指揮ザールブリュッケン放送交響楽団も優秀な演奏で、しなやかなオケの響きが魅力である。

687) 交響曲 第5番 ニ短調「革命」Op.47 (1937)
演奏はクルト・マズア指揮 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団は終楽章がかなり遅いテンポで重厚にやっていて、こんな解釈もあるのかと驚いた録音。
一方全体のノーマルなのだが、終楽章を冒頭から飛ばしてアチェレランドを必要としていないのがギュンター・ヘルビッヒ指揮 ザールブリュッケン放送交響楽団とクルト・ザンデルリンク指揮 ベルリン交響楽団。ヘルビッヒはオケを立派に鳴らしていて、この指揮者が欧米で人気が高いというのもわかる気がするし、ザンデルリンクは古典的名演と呼ぶべきもの。
終楽章のアチェレランドが決まっているのはクリストフ・エッシェンバッハ指揮 フィラデルフィア管弦楽団とユーリ・アーロノヴィチ指揮 ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団。

688) 交響曲 第7番 ハ長調「レニングラード」Op.60 (1941)
演奏はルドルフ・バルシャイ指揮 モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団, ドイツ・ユース・オーケストラは、曲の成立を考えればなかなか意義深いイベントの記録であることがわかる。ロシアのオケとドイツの若者たちの合同オケを作曲者とも親しかったルドルフ・バルシャイが演奏しているということで、ますはこれから。
他にセミヨン・ビシュコフ指揮ケルン交響楽団(放送オケのことか?)がやはり筋肉質の力強さで私は良いと思う。
またギュンター・ヘルビッヒ指揮 ザールブリュッケン放送交響楽団もオケの音のまとまりの良さで私は良いと思う。これよりもずっと下手な演奏はくさるほどある…。

689) 交響曲 第8番 ハ短調 Op.65 (1943)
演奏はクルト・ザンデルリンク指揮ベルリン交響楽団は名演。匹敵するのはセミヨン・ビシュコフ指揮ケルン交響楽団のもの。だたザンデルリンクを聞いてしまうと腰高に聞こえてしまう…。

690) 交響曲 第9番 変ホ長調 Op.70 (1945)
演奏はクラウス・ペーター・フロール指揮ベルリン交響楽団
もしくはヤコフ・クライツベルク指揮 ロシア・ナショナル管弦楽団
若干問題もあるが、勢いの良いキリル・コンドラシン指揮ドイツ・ユース・オーケストラも良い出来である。

691) 交響曲 第10番 ホ短調 Op.93 (1953)
演奏はベルナルト・ハイティンク指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団が決定盤ではないか?ライブながら録音は良いので一度お試しあれ!
フランツ・コンヴィチュニー指揮 ドレスデン・シュターツカペレはモノラルながらなんとも素晴らしいもので、この指揮者が古典の作品以外でもこれほどの成果をあげられるということを知らしめる名演。
これをステレオでやるとクルト・ザンデルリンク指揮ベルリン交響楽団となる。オケは幾分落ちると思われるが、ステレオの良い録音で聞く方が良い。同じように立派なのはラディスラフ・スロヴァーク指揮スロヴァキア放送交響楽団であるが、こうして並べるとオケがかなり劣ることは誰でもわかるところが惜しい。よくやっているのだが、もっと良いオケを振らせてみたかった…。

ショスタコーヴィチ/交響曲 第11番 ト短調「1905年」Op.103 (1957)
演奏はセミヨン・ビシュコフ指揮 ケルン交響楽団
もしくはミハイル・プレトニョフ指揮 ロシア・ナショナル管弦楽団

693) 交響曲 第13番「バビ・ヤール」Op.113 (1962)
演奏はヴァシリー・ポリャンスキー 指揮 ロシア国立交響楽団他

694) 交響曲 第14番「死者の歌」Op.135 (1969)
演奏はユーリ・トゥロフスキー指揮 ムジチ・ディ・モントリオール他

695) 交響曲 第15番 Op.141 (1971)
演奏はクルト・ザンデルリンク指揮 ベルリン交響楽団
もしくはキリル・コンドラシン指揮 ドレスデン・シュターツカペレ
新世代からはミハイル・プレトニョフ指揮 ロシア・ナショナル管弦楽団を。

696) バレエ音楽「黄金時代」Op.22a (1929-30)
演奏はドミトリー・キタエンコ指揮 ライプツィヒMDR交響楽団

697) ピアノ協奏曲 第1番 ハ短調 Op.35
演奏はギュンター・クーツ(pf), ロルフ・クライナート指揮 ベルリン放送交響楽団

698) チェロ協奏曲 第1番 変ホ長調 Op.107 (1957) / 第2番 ト長調 Op.126 (1966)
演奏はマリア・クリーゲル(vc), アントニ・ヴィト指揮 ポーランド国立放送交響楽団

699) ヴァイオリン協奏曲 第1番 イ短調 Op.99 (1955年改訂版) / 第2番 嬰ハ短調 Op.129 (1967)
演奏はレオニード・コーガン(vn), マキシム・ショスタコーヴィチ指揮 モスクワ放送チャイコフスキー交響楽団

700) ピアノ五重奏曲 ト短調 Op.57 (1940)
演奏はジュリアン・ラクリン(vn), ジャニーヌ・ヤンセン(vn), ユーリ・バシュメット(va), ミーシャ・マイスキー(vc), イタマール・ゴラン(pf)

701) 弦楽四重奏曲 第3番 ヘ長調 Op.73 (1946)
演奏はボロディン四重奏団

702) 弦楽四重奏曲 第8番 ハ短調 Op.110 (1960)
演奏はボロディン四重奏団
これは全集で、極めて優れた演奏であるし、インスピレーションの宝庫でもあるショスタコーヴィチの弦楽四重奏をできれ゛は全曲、よく聞いておくに超したことはないので、これらの録音をお薦めしたい。

703) ヴィオラ・ソナタ Op.147 (1975)
演奏は今井信子(va), ローランド・ペンティネン(pf)

704) 24の前奏曲とフーガ Op.87 (1950-51)
演奏はジェニー・リン(pf)
by Schweizer_Musik | 2009-08-12 15:41 | 学生諸氏へ
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