レ・ミュジシャンによる、シューベルトのピアノ・トリオ第2番
作曲者 : SCHUBERT, Franz Peter 1797-1828 オーストリア
曲名  : ピアノ三重奏曲 第2番 変ホ長調 Op.100 D.929 (1827)
演奏者 : レ・ミュジシャン【ジャン=クロード・ペヌティエ(pf), レジス・パスキエ(vn), ローラン・ピドゥー(vc)】
CD番号 : 仏HM/HMA 1951047

1980年の録音で、LP時代に愛聴盤だった。新婚時代にとてもよく聞いた演奏である。第1番はスーク・トリオやカザルス・トリオ、あるいはオイストラフ・トリオ、ルービンシュタインなどのトリオでも聴いていたけれど、この第2番はこのフランスの若者(当時!!)の演奏がはじめてだった。
一度で私はこのシューベルト晩年の室内楽が好きになった。ペヌティエは学習者用のレコードで知っていた(ツェルニーなどを弾いていたお手本レコード)けれど、こんな良い室内楽奏者だなんて知らなかったし、パスキエの燦めくような音色にも魅せられたが、ローラン・ピドゥーのチェロの美しさって言ったらもう最高だった。
だから、第2楽章の美しいこと!!特にこの楽章がお気に入りで、よくここだけくり返して聞いていたものだ。
よく歌う二本の弦楽器にペヌティエの珠を転がすが如き美しいピアノがなんとも良いバランスでシューベルトにピタリと合うのだ。
室内楽や歌曲は売れない代表格なのだそうだ。まっ、現代音楽などは更に論外なのたそうだから、お話にならないけれど、こうした音楽がもっと聞かれるようになると良いのにと思う。
交響曲や協奏作品や大規模な管弦楽でこけおどしのようなものばかり聞かないで、上質な室内楽を聞くことで、音楽の楽しみは更に複雑で奥行きのある立体的なものになっていくはずなのだ。
しかし、何て良い音楽なのだろう。新婚時代、今からもう25年ほども昔、休みの日と言えばこれを聞いて過ごしていたものである。こうして聞くとその時代にすっと戻れるような気になる。それほどよく聞いて憶えているということ…。みなさんもいかが?1000円ちょっとでHMVで購入した。なんて安くなったのだろう。もうバナナのたたき売りではないのだから…。こんなことで大丈夫なのだろうか?
by Schweizer_Musik | 2009-11-06 00:16 | CD試聴記
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