リョベートのカタロニア民謡集
作曲者 : LLOBET, Miguel 1878-1938 スペイン
曲名  : カタロニア民謡集 (1899-1918)
演奏者 : ステファノ・グロンドーナ(g)
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アメリアの遺言という曲は、昔の映画で「禁じられた遊び」の中でナルシソ・イエペスが弾いていたこともあって、中学生の時から知っていた。
嫁に行った先の王宮で、夫が義母と密通の末、アメリアを毒殺するという話で、その息を引き取る間際にアメリアが歌ったという歌がこのメロディーなのである。
リョベートが美しい編曲(もう作曲と言って良いほど)で、この悲しい音楽を仕上げたものを、ステファノ・グロンドーナの名演で聞くことができるというのは、素晴らしい体験である。
「聖母の御子」や「盗賊の歌」といった有名曲もあるが、ギター音楽がなかなか一般的にならず、一部ギター・ファンのみのものとなっている現状では、これらの作品もあまり知られたものとは言えないだろう。でもこのカタロニア民謡集を一度聞けば、誰もがその虜となってしまうだろう。
いろんな演奏で聞いてきたけれど、これはまさに決定盤ではないだろうか?
タレガ(タルレガ)の前奏曲も素晴らしい。ショパンの前奏曲のギター版と思っていただければ当たらずと言えども遠からずと言ったところであろう。
曲の成立についてなど、不勉強の私はよく知らないのだけれど、その素晴らしさについては折り紙付きでお薦めできる。
グロンドーナというギタリストについても多くを語るほどの知識もないが、本当に美しい演奏で堪能した。ギター・ファンでない方にも声を大にしてお薦めする次第である。
by Schweizer_Musik | 2009-11-08 00:24 | ナクソスのHPで聞いた録音
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