お久しぶりのメータの指揮で聞く「1812年」、面白い!
作曲者 : TCHAIKOVSKY, Pyotr Il'yich 1840-1893 露
曲名  : 大序曲「1812年」Op.49 (1880)
演奏者 : ズビン・メータ指揮 ロスアンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団
CD番号 : LONDON/230E 51051

私は1970年代のメータのもの凄い活躍の記憶があるので、ついつい最近の彼の多くの演奏を過小評価してしまう傾向があるようだ。いや、それほどこの頃のメータは凄かった。
「1812年」なんてベートーヴェンの「ウェリントンの勝利」ほどではないものの、初心者向きの単純なスペクタクルな曲だと言う意見も分からないではないが、この演奏わ聞いてみてほしい。これが第一級の音楽であることは疑いを得ない。
まぁ、大体からして戦争で相手をやっつけたことを音楽で表現するなんて、野蛮な音楽と思ってしまうから、好んで聞く音楽ではないのだけれど…(イラクとアメリカの湾岸戦争を、アメリカ側から描いた勝利の音楽なんて聞きたいと思いますか?)。
それでも、この演奏の目覚ましさは、それを上回っていると思う。最後のカノン砲、そして鐘の音もそれなりに入っているけれど、そんなもの無くったって充分に良い演奏だ。
それにしてもなんて弦がきれいなのだろう。弦のアンサンブルがまとまっていると木管がきれいになるし、次いで金管が効果的になってくる。われらが神奈川フィルもそうだが、ロス・フィルもそうだったのだろう。
この曲はアンドレ・プレヴィンが同じ年に録音したEMI盤が私の第1位にしていたが、やっぱりこちらの方が良いかなと思い出した。
(あまり好きな曲ではないので)一生懸命聞き比べをしていないので、後はフリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団が印象に残っているだけである。調べてみたら20種類以上も持っていたことに気がついた。こういう小品は色んな曲と抱き合わせで来るので、この曲を集めようと思っていなくても、いつの間にか増えているものらしい。
古いフェレンツ・フリッチャイは冒頭を合唱ではじめたもので憶えていた。これをカラヤンもやっていた(1966年録音ドン・コサック合唱団)し、あの謹厳実直なイメージのコリン・デイヴィスもボストン交響楽団とタングルウッド合唱団を振ってやっていた。
大砲の音を入れるのは、やたらとあるが、マルケヴィッチの2種類もそうだったのには驚いた。入っていないのを今では探す方が大変で、アンチェル盤やお気に入りのフリッツ・ライナー盤は知っているが、これらは多分グランカッサか何かで代用しているように思われる。(何しろチャイコフスキーのスコアにCANONと書かれているのだから仕方がない)
そういえば、あの奇演の宝庫ゴロヴァノフはライブで最後を別の曲に差し替えてやっていた(1948年録音)。1952年のスタジオ録音でも同じことをやっているので確信犯だったようだ。(よくこんなもの持っていたものだ…)
フリッチャイ盤とストコフスキー盤(RPO)は最後にも合唱を使っているので、大砲はなし。このアイデアは誰が思いついたのか知らないが、費用がかかるので、なかなか実演で聞いたことがない。
お気に入りのフリッツ・ライナーは合唱も大砲もなしに、テンポもかなり快速で、一気に聞かせる戦術で私を魅了して止まない。
プレヴィンとメータは合唱はないが、大砲の音は派手に入っている。でもそんなことはどうでもよくなるほどの音楽的な演奏。

さて、メータを聞いたおかげで、そこから1812年を聞き比べ(それも冒頭と最後限定で)をすることになってしまった…。さて、今日は仕事をせねば…。
by Schweizer_Musik | 2009-12-03 07:44 | CD試聴記
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