ユロフスキ指揮で聞くラフマニノフの「死の島」
作曲者 : RACHMANINOV, Sergei 1873-1943 露
曲名  : 交響詩「死の島」Op.29 (1909)
演奏者 : ウラディーミル・ユロフスキ指揮 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
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請負仕事のアレンジを昼過ぎにかたづけて、大好きな大根煮を作り、今日はワインとともにいただき、長い昼寝をして起きたらもう六時。一日損した気になり、夕食はパスして、頼まれ仕事の合唱の仕立て直しを2時間ほど集中して行い、今完成したところ。なんということはないのだが、音が高すぎるので調を三度下げてほしいというのは、実は結構難題で、伴奏のピアノはバランスが変わるので手を加え、三度下げてソプラノとメゾは大丈夫なのだが、アルトはとても出なくなったので、これを全面的に書き直し、結局2時間もかかる仕儀と相成った。
まぁ、よく働いたので、音楽を聞こうと思い取り出したのは、年末に実家でハードディスクに入れてきたこの音楽である。
この曲の演奏は色々持っているけれど、普段はプレヴィンの指揮で聞くことが多い。ライナー指揮シカゴ響や、ホーレンシュタイン指揮ロイヤル・フィルの演奏もお気に入りであるが、最近ユロフスキ指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏を聞き、この指揮者はなかなかやるなと思った。
遅めのテンポで5拍子のゆらぐような音楽(死の島からか細い小さな舟で漕ぎだしたかのようだ…)を超がつくほどの長いブレスで聞かせるユロフスキの指揮は大変なものである。
ベックリンの有名な絵にインスピレーションを得て描かれたこの音楽は、波一つない静かな水面と、恐ろしいほどの静寂を感じさせる小さな島…の絵がモチーフとなっている。この絵はあちらこちらにいくつかのバージョンがあるようだが、画家の生地バーゼルの市立美術館のものが一番良いのでは…と私は勝手に思っている。ただし、ラフマニノフはクリンガーが制作した銅版画のこの絵にインスピレーションを得ていて、油彩のもとの絵は好きではなかったそうだ。確かに、銅版画を見るとその幻想の広がりは一層のものとなる。
このところ、古い演奏ばかり紹介していたので、今回はこのユロフスキで一度お試しあれ!!
by Schweizer_Musik | 2010-01-07 21:37 | ナクソスのHPで聞いた録音
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