フリッチャイの指揮したシェエラザード
作曲者 : RIMSKY-KORSAKOV, Nikolai 1844-1908 露
曲名  : 交響組曲「シェエラザード」Op.35 (1888)
演奏者 : フェレンツ・フリッチャイ指揮 ベルリン放送交響楽団, ルドルフ・シュルツ(vn)
CD番号 : Grammophon/POCG-3090

ステレオでキリル・コンドラシンがロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団を指揮した名盤があるので、これをわざわざ取り上げなくても良いのだけれど、モノラルではあるけれど最高のシェエラザードを楽しめる一枚。
スペクタクルなハリウッド映画を見せられている感じというより、優しい女性に絵本の読み聞かせをしてもらっているような演奏。しみじみと美しいのだ。こまかな部分、ちょっとした伴奏のアーティキュレーションまで神経が通っていて、なるほどと思うことも多く、モノラルながら最高の音質で聞けるのも嬉しい。
ソロのルドルフ・シュルツは、1949年からこのオケのコンマスをしていた人だ。協奏曲などの録音もあるようだが、私は聞いたことがない。何しろドイツにはよくある名前で、憶えにくい…。でもこの演奏の素晴らしさを知れば、またまた聞いてみたいものだと思う。
それにしても、フリッチャイのオケがあんなに良いのも、このコンマスがいたからなのではと思う。神奈川フィルの天才・石田のようなものだろう。
この楚々とした風情、それでいて震い付きたくなるほどの艶やかさと品格の高さの絶妙なバランスは、かのクレバースの名演を彷彿とさせる。
これがステレオだったら、キリル・コンドラシン盤の上に置いたかも知れない。それほどの名演。Ferenc Fricsay: A Life in Musicという格安のボックスに入っている。
ところで↓の写真はルツェルン・シリーズ第2弾。カペレ橋周辺のロイス川沿いの夜景と新しいホールの内部です。(yokochan、yurikamomeさんへの悪魔のささやき第2弾とも言います。)
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by Schweizer_Musik | 2010-02-15 08:37 | CD試聴記
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