モーツァルトのヴァイオリン・ソナタをゴールドベルクとルプーの演奏で…
作曲者 : MOZART, Wolfgang Amadeus 1756-1791 オーストリア
曲名  : ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 K.481 (1785)
演奏者 : シモン・ゴールドベルク(vn), ラドゥ・ルプー(pf)
CD番号 : DECCA/UCCD-9007〜10(421 738-2)

昨日は帰ってそのまま軽い食事を摂って速攻で寝てしまい、先ほどゴソゴソ起き出したところ。なんとたくさん寝たのだろうと思うが、まだ疲れがとれぬ。
大量のあまりうれしくない編曲はなんとか終えた。学生のためにしてあげたのだが、なんとそれを取りにすら来ない大馬鹿者が二人ほどいる。(わしゃもう知らんゾ!)
それはともかく、今日から次の仕事に掛からなくては…。何だかもうからないのに、忙しさだけはたくさんたくさん…である。
さて、モーツァルトのヴァイオリン作品の多くは、私の一番好きなヴァイオリニストであるアルチュール・グリュミオーがその多くを録音してくれていて、それがまた良いものだから、他の演奏を聞くとどれも聞き劣りし、途中で聞くのを止めてしまうのがオチだった。それでもわずかながら何人かの名ヴァイオリニストたちはグリュミオーとは違う味わいの美しいモーツァルトを聞かせてくれる。その一人がこのゴールドベルクである。この場合、ラドゥ・ルプーの存在の大きさに言及しないではいられない。
モーツァルトのヴァイオリン・ソナタはその多くがヴァイオリンの助奏付きのクラヴィーア・ソナタとして書かれたものだから、ピアノが大変重要なのだ。だからモーツァルト演奏の神様だったハスキルと共演したリバールやグリュミオーの演奏が素晴らしいのであり、またモーツァルトの演奏で有名だったリリー・クラウスと共演したウィリー・ボスコフスキーの録音が貴重であったのだ。
ところで、そのリリー・クラウスとその昔、ゴールドベルクはこのモーツァルトを共演して録音している。大変評判になったその録音のいくつかはこちらにある。ただし、曲名が違っていたりするので注意が必要。K377とK378は入れ替わっている。結構そうしたミスが多いので、このサイトの音源は注意が必要だけれど、ノイズだらけの音の彼方から聞こえてくる気高さは最高のモーツァルト像を描き出している。実際には7曲録音しているはずなので、他もぜひパブリック・ドメインとして公開していただければと思う。
テンポは古い録音からは少し落ち着いているのは当然としても、新しい録音でもビロードのように柔らかな魅力溢れる音色は健在で、最初の録音から40年以上経っていというのに、ボウイングに衰えが感じられないのには恐れ入る。
そして若いラドゥ・ルプーの素晴らしさ!!リリー・クラウス(当時は20代の終わりから30代はじめの美しいピアニストだったそうだ)の颯爽とした演奏と全く互角。この支えの上に、ゴールドベルクは大人のモーツァルト像を描き出す。グリュミオーの輝きはここにはないが、個性の差なのであろう。
この4枚組のCD。グリュミオー派の人にもお薦めできると思う。でもまずは古い1930年代のゴールドベルクをお聞きいただければ…。
朝からこれらを聞き、気分よく仕事に掛かれるのはありがたいことである。
by Schweizer_Musik | 2010-02-18 08:49 | CD試聴記
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