シュナイダーハン他によるシューベルトの八重奏曲
作曲者 : SCHUBERT, Franz Peter 1797-1828 オーストリア
曲名  : 八重奏曲 ヘ長調 Op.166 D.803 (1824)
演奏者 : シュナイダーハン弦楽四重奏団【ヴォルフガング・シュナイダーハン(vn), オットー・シュトラッサー(vn), エルンスト・モラヴェッツ(va), リヒャルト・クロチャック(vc)】オットー・リューム(cb), レオポルド・ウラッハ(cl), ゴットフリート・フォン・フライベルク(hr), カール・エールベルガー(fg)
CD番号 : EMI(新星堂)/SGR-8015

この前の酷いシューベルトの演奏会の後で、ついついシューベルトを聴く時間が増えている。あの時の音の記憶をなんとか消し去りたい一念である。とうとう語の正しい意味ではないがトラウマになってしまった…。

ところで、この演奏は1949年頃の録音で、他での復刻は見たことがない(私が知らないだけかも知れないけれど…)。針音はかなり酷いので、この曲の良い演奏はと言われれば、この後にレオポルド・ウラッハなどが参加した録音あたりということになるのかも知れない。残念にがらそちらは買いそびれたまま今日に至っており、現在は入手困難の様子で、なんとも心許ない状況。
他にも新しいデジタル録音やステレオ録音はあるし、何種類か私ももっているのだけれど、この演奏の馥郁とした味わいはなかなか他に変わるものがなく、ついついこれを取り出す状況となっている。
良い演奏というより、味が良いのだ。ウィーン・フィルについて書かれた本ではかならずと言って良いほど登場するオットー・シュトラッサー(別にナチスと関係ない。彼はこの後ウィーン・フィルの団長を務めた音楽家で、政治家ではないので誤解なきよう!!)と当時のウィーン・フィルのコンマス、ヴォルフガング・シュナイダーハンが名前を連ねているだけでなく、レオポルド・ウラッハやカール・エールベルガーと言った往年のウィーン・フィルのスター・プレーヤーたちが美しい演奏を繰り広げているのだから、これが良い録音でなかったのが、返す返すも残念でならないのである。
第2楽章のウラッハのソロなんてよほどよく聞かないとその美しさなんてわからないほど録音が悪いのだけれど、耳を澄ませばというか、補いながら聞けばわかってもらえるのではないだろうか。
これを聞いて、ベルリン・フィルの面々の演奏を聞くと、あまりに鋭い切れ味に違和感を憶え、以来聞けなくなってしまった。
ウィーンで活躍したシューベルトだからウィーンの演奏家が良いなどと、愚かな「本場主義」を持ち出す気なんて更々ないけれど、この音楽の美しさはホンモノである。
編曲も良い調子で続いている。のんびり書いているので遅々たる歩みであるが、この状態をしばらく続ける予定。午後はまた音楽で聞きまくろう。

写真はツークからブルンネンへと向かうスイス国鉄の車窓の春の風景である。こんな春がもうすぐそこに…。
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by Schweizer_Musik | 2010-03-10 12:03 | CD試聴記
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