再びフルトヴェングラーの交響曲第2番を朝比奈隆の指揮で聞く
作曲者 : FURTWÄNGLER, Wilhelm 1886-1954 独
曲名  : 交響曲 第2番 ホ短調 (1945)
演奏者 : 朝比奈 隆指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団
CD番号 : VICTOR(TOWER RECORDS)/NCS561-62

先日フルトヴェングラー自身の指揮での正規録音を聞いたばかりというのに、これを見つけたものだから、アレンジをしながら聞いていた。さすがに1984年の東京文化会館でのライブ録音は作曲者自身の古い録音とは比べることはできないが、朝比奈隆の指揮もまだまだ元気で、気力の充実した演奏が聞ける。
朝比奈隆は恐らくはフルトヴェングラーから多大な影響を受けて指揮をしていたに違いない。彼が「何の変哲もない」演奏を指向するのは、フルトヴェングラーへのアンチテーゼなのではと思うからだ。
多分、彼ほどの人物であればフルトヴェングラーのように振ろうと思えばいつでもできたに違いない。お手本がレコードでたくさんあるのだから、それを聞き、演奏様式を真似するなどという程度のことなら、少しの努力で彼ならば出来たであろう。
しかし、表現者としてはそれは死を意味する。だからあえてその反対を指向し、その中で彼の芸術は熟成していったのではないか?
意外なほどの緩急自在の演奏でこのフルトヴェングラーの作品を振る朝比奈隆に、本当はこうだったのではないかと思ったりもした。
アレンジをしながらなので、先日のような集中して聞かなかったから、ぼんやりとした印象に過ぎないが、この録音はこの作品の日本初演を行った朝比奈隆(なんと76才にして1時間半にも及ばんとする作品の譜読みをし、膨大な準備を経てこの演奏に臨んだのだ…私には凄いとしか言いようがないし、指揮者としてはともかく、作曲家としては全くと言っていいほど評価されていないフルトヴェングラーの大作をやるなどということへの膨大なエネルギー…音楽以外のものも含めては偉業と言っても良い)を、やはり私は尊敬をする。
演奏の素晴らしさとともに、今後、この曲を聞くならこの演奏をまず取り出すことにしようと思った。
「九月」は中間部に入り、小休止。今日中には終わるだろう。そろそろ昼である。寝坊をした私は午後も仕事を続ける予定。

写真はフルトヴェングラーが度々客演したベルン交響楽団(ベルリンではありませんよ!)の本拠地であるベルンのカジノ。カジノと言ってもアメリカなどのそれとは違い、ギャンブルをするところというより社交の場という趣きが強い。バーゼル交響楽団の本拠となるホールもバーゼルのカジノに併設されている。ここも同じである。誤解なきよう…。
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by Schweizer_Musik | 2010-03-16 12:13 | CD試聴記
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