ファリャの「スペインの庭の夜」をハスキルとマルケヴィッチの名演で聞く
作曲者 : FALLA, Manuel de 1876-1946 スペイン
曲名  : 交響的印象「スペインの庭の夜 "Noches en los Jardines de España"」(1909-15)
演奏者 : クララ・ハスキル(pf), イーゴル・マルケヴィッチ指揮 コンセール・ラムルー管弦楽団
CD番号 : PHILIPS/416 443-2

この傑作中の傑作は、そのあまりの素晴らしい出来映えに相応しい賞賛を受けているとは思えないが、ラローチャをはじめとする名ピアニストたちによって良い演奏がいくつも存在するのは嬉しい限りで、もっともっと演奏されてほしい傑作だ。
これを晩年のハスキルがファリャとも親交のあったマルケヴィッチとの録音を残してくれたことは、我々は大いに感謝すべきだろう。夜のひんやりとした空気に熱い心が優しくつつまれ、ファンタジーの世界を巡るかのような趣きは実にユニークで、スコアの全ての場所にファリャの天才が息づいている。
スパニッシュは誰でも真似してやれそうで意外と難しい。同じような印象になってしまいやすいからで、それはモードの使用によって更に強調される。和音もどこにでもあるようなものになりがちで、それを回避しながら、独特の味わいを表現することは至難で、スペイン風に書こうとすればするほど、この呪縛から逃れるのは難しくなる。
そうした低級な問題を引きずるようなファリャでないのは当然としても、この鮮やかさには目もくらむようだ。ハスキルのピアノはもう少し彼女が元気な頃だったら…と思わないでもないけれど、そうしたことを超越した水準の素晴らしい出来映えである。そしてそれは多分にロシア人マルケヴィッチの指揮の見事さから達成されているのだ。
作曲者を除いて、「本場」の「スペイン人はここには一人もいない(オケのメンバーにスペイン人がいるかも知れないが…)。スペイン人がやればスペイン風だとか無責任に言う奴らの口車に決して乗ってはいけない。

ピアノ協奏曲というよりも、ピアノのオブリガート付きの管弦楽曲として成立している楽曲。これも作曲された当時としてはかなりユニークな作品だったのではないだろうか?
したがってピアノ(これがまた難しいのだけれど!!)にも優れた人が必要なのだが、更に指揮者とオーケストラにお金をかけないと、なかなか良い演奏は難しい…。そんな中でこの二人の名演は特筆大書すべき名演である。
LP時代からの私の愛聴盤を聞いて夕食後のひとときを過ごしていた。まだ聞いていないという方には、超をつけてお薦め!!

さて、チャイコフスキーの「四季」から最後の「クリスマス」も半分ほどが終わり、あとトリオとコーダである。これは明日やってしまおうと思う。今日もよく働いたので、この辺りで趣味の時間といくこととしよう。

写真は、スイス国鉄の車窓に見るリストの名曲で有名なヴァーレンシュタットの湖。今日からヴァーレンシュタット特集です!!
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by Schweizer_Musik | 2010-03-18 22:23 | CD試聴記
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