トヴェイトの2台のピアノの管弦楽のためのハルダンゲル民謡による変奏曲
作曲者 : TVEITT, Geirr 1908-1981 ノルウェー
曲名  : 2台のピアノの管弦楽のためのハルダンゲル民謡による変奏曲 (1939)
演奏者 : ホーヴァル・ギムセ(pf), グニッラ・シュサマン(pf), ビャルテ・エンゲセト指揮 ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団
CD番号 : NAXOS/8.555761

トヴェイトの第2弾(笑)。先のピアノ協奏曲第4番は一年半ほど前に書いていたことに、今頃気がついたので、もう一曲ということになった。(ピアノ協奏曲第4番はこちら)
この作品はピアノ協奏曲第4番よりも前、まだハルダンゲルの農場に移り住む前、オスロに住んでいた頃に書かれた作品だということである。最初の奥さんであったインゲビョルグ・グレースヴィク(こんな読み方でいいのかなぁ…笑)との二台ピアノとオーケストラのための作品で、聞くことができる5曲の協奏作品の一つである。
民謡を主題とした変奏曲であるから、モード技法全開の調性音楽である。したがって実に聞きやすい音楽だ。オーケストレーションも大変効果的で、これが初演の時、熱狂的な支持を受けたこともよくわかる。
20世紀が、あんなに前衛一辺倒にならなければ、トヴェイトのこの音楽などはもっと演奏されていたはずだ。しかし、時代がそうさせなかった。調性があるものなどは無視され、「遅れた頑固者」のレッテルを貼られておしまいだった時代である。ラフマニノフはピアニストとしての名声とハリウッド風の音楽がアメリカ人に受けて、忘却の淵に沈まないですんだものの、それ以外の多くは捨て去られてしまった。
今は、その「前衛音楽」の多くが忘却の淵へと沈んでいこうとしているか、すでに沈んでしまった…。時代はくり返す…ということなのだろう。
30分ほどの大作で、ラフマニノフの「パガニーニ・ラプソディー」ほどのスケールの作品だが、私は魅力について言えばこちらの方が好きだ。二台ピアノというダイナミズムがオケと無理のないバランスを形成していることと、モードによる少しだけ加えられたエキゾチシズムと巧妙なオーケストレーションが私の好みに合っているのである。
ギムゼ、シュサマンのピアノ演奏、そしてダイナミックなエンゲセトの指揮するロイヤル・スコティッシュ管の演奏は素晴らしい出来映えで、何も文句もない。コーダの圧倒的な盛り上がりは最高の聞き所で、大変力強い生命力にあふれた音楽。まだ聞いたことの無い方はぜひ一聴をお薦めする次第である。

写真は昔、チューリッヒの町で見かけた(多分)ゲマインデの集まり。民族衣装は観光客のためでない。こんなのに会ったのはもう18年も前のこと。なんだか楽しそうに見える…。部外者だから気楽に眺めているからだろうけれど。
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by Schweizer_Musik | 2010-04-18 20:05 | CD試聴記
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