ピエルネ/神秘劇「ベツレヘムの子供たち」****(推薦)
タイトルからわかるように、イエス様の生誕の物語である。オケの凍てつく冬の夜の情景が描かれ、やがて「凍てつくような黄昏の声が・・・」とナレーションが入り、児童合唱が生き生きと入ってきて、生誕の物語が進んでいく。物語はキリスト生誕の物語がベツレヘムの子供達の目を通して語られていくのだが、この音楽がとても魅力的。全音音階や旋法がふんだんに使われていてフランス近代の印象主義の最良の音楽であると思う。
演奏はフランス国立放送フィル。あのヤノフスキが就任する前であるが、まずまずのパフォーマンスである。もっと精緻な響きを作って欲しいところもあり、響きが時に平板になってしまうのは残念だ。児童合唱は生き生きとしていて良い。最もこれが駄目だったらこの曲はとても聞けたものではない。それほど児童合唱はこの作品の中で重要な役割を果たす。
星にジョスリーヌ・シャモナン、聖処女にアナ・シャールという二人のソプラノをはじめ四人のソリストは無難な出来である。ナレーションが良いのかどうかはフランス語を解さぬ私には判断できない。
メロディーはドリアン旋法やリディア旋法などの古い響きを用いながら、民謡風の親しみやすいメロディーで大変聞きやすい。オーケストレーションも語りにオーボエやホルンといったソロを絡ませて聴かせるなど、なんだかショスタコーヴィチの映画音楽のようだったりするが、響きはあくまでフランス近代のそれであり、大変聞きやすい。
G.ニゴンの台本によるこの作品は、ピエルネの代表作として知られているが、探してみたがこの演奏の一枚しか手に入らないようだ。何という情けないことだろう。1987年12月10日にパリ、ノートルダム・デュ・トラヴァーユ教会で録音されたこのCDの国内盤はもう手に入らないかも知れないが、輸入盤なら手に入る。フランスの印象主義の音楽が好きな人には特にお薦めである。
いつも長すぎる(とこの前、ちょっとメールでいただいた)ので、今回は短くコメント・・・。いつも長くてすみません。

ERATO/WPCC-3222
by Schweizer_Musik | 2005-04-10 12:06 | CD試聴記
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