シュミットのクラリネット五重奏曲
作曲者 : SCHMIDT, Franz 1874-1939 オーストリア
曲名  : クラリネット五重奏曲 変ロ長調 (1932)
演奏者 : アレダール・ヤノスカ(cl), ダニエラ・ルソ(pf), モイゼス四重奏団団員【フランティセク・トローク(vn), アレクサンダー・ラコトシュ(va), ヤン・スラヴィク(vc)】
CD番号 : MARCO POLO/8.223415



今はこの曲のCDを手に入れることも出来ないけれど、ナクソスにあるので聞くだけならばできる。(こちら)私は出始めの頃に買ったので、持っているけれど、ピアノが入った五重奏で、ちょっと珍しい編成だったので購入した一枚である。
またレーガーのクラリネット五重奏曲とどんな風に違うのだろうというのも興味の対象だった。演奏はそこそこのものであるが、ピアノが硬質で弦のピッチが甘いのには若干閉口したが、まずまず…。
この作品は、あのラヴェルの左手のためのピアノ協奏曲を委嘱したパウル・ヴィトゲンシュタインのために書かれ、その風変わりな編成のピアノは全て左手のために書かれている。クラリネットと弦3人(ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)という編成は珍しいが、ピアノ五重奏のピアノの右手でやる部分をクラリネットに置き換えたりしたような感じも受けなくはないが、曲は不思議な浮遊感とともに、デカダンの香り濃厚のロマン派の名残のような部分が、良くも悪くもこの曲の身上であるように思う。
ピアノはあまりに非力で(昨日、津田さんのあんな音を散々聞かされてしまうと、ちょっとこうした演奏は…つらい)、おそらくはもっと鳴って欲しかったとこもフワッと演奏してしまう。
弦のピッチも問題だけれど、そうした不満をアレダール・ヤノスカのクラリネットが一蹴して、美しい音色できかせてくれるのでありがたい。クラリネットの演奏が更に表現力があれば良いのだけれど、やや表現の幅が狭く、説得力には欠けるが、この柔らかな音色は魅力的である。

ブルックナーの弟子筋にあたると書かれたものもあるようだが、詳細は私は知らない。彼はフックスの弟子で、ヘルメスベルガーにチェロを学び、22歳の時から18年間、ウィーン国立歌劇場のオーケストラでチェロを弾いていた。当時ウィーンで活躍していたマーラーの指揮のもとで演奏もしている。
40歳を越えて、作曲家として独立し、音楽院で教えるようになったという経歴が、もちろん私などと比べるのも失礼で畏れ多いが、どことなく似ている感じがして、変に親しみを感じている。
彼の作品では4曲ある交響曲。カラヤンがしばしば演奏した歌劇「ノートル・ダム」の間奏曲などが有名だが、こうしたちょっとマイナーな作品も一度試してみられてはいかがであろう。

写真は、リストもワーグナーも登ったというリギ山。彼らの時代は歩きとロバの背などに揺られて登ったのだろうが、今日では登山鉄道があり、登りは実に楽ちんになった。おかげで、夏のシーズンはこの人だかり…。
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by Schweizer_Musik | 2010-05-24 06:45 | CD試聴記
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