若きブラームスの傑作ピアノ四重奏曲 第1番をギレリスとアマデウス四重奏団で聞く
作曲者 : BRAHMS, Johannes 1833-1897 独
曲名  : ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調 Op.25 (1861)
演奏者 : エミール・ギレリス(pf), アマデウス四重奏団団員【ノーバート・ブレイニン(vn), ピーター・シドロフ(va), マーティン・ロヴェット(vc)】
CD番号 : Grammophon/447 407-2



終楽章にジプシー風ロンドが置かれたこの作品は、ブラームスの初期作品を代表する傑作だ。いくつもの演奏で聞いているこの名作も、結局いつもこのギレリスとアマデウス四重奏団による歴史的な名演が今もって一番安心して聞ける名演となっている。
曲はブラームスの初期を代表する傑作であり、シェーンベルクがブラームスの革新的な技法を紹介していたりするほどであるが、私に言わせれば、そうした例は他にも大量にあり、特にこの曲だけのものとは言えないと考えているが、それはともかく、ブラームスらしい緻密で豪快な音楽が味わえる。
シェーンベルクはそうした作品の出来そのものに惹かれてオーケストレーションしたりしているのではと私は思うのだけれど、それはともかく、ギレリスとアマデウス四重奏団団員の演奏の見事さはどうだろう。
この演奏の15年後、マレイ・ペライアと組んでアマデウス四重奏団は録音しているが、それもなかなかの名演だと思うが、ピアノの透明感はギレリスの方が上だと思う。マレイ・ペライアも良い演奏なのだが、硬質でやや平板に聞こえてしまう。
エミール・ギレリスはその点完璧だ。雨が降ったりやんだりして、どうも鬱陶しい日が続くので、このエネルギッシュな音楽で跳ね返したいような気になっている。
終楽章なんて聞いていると、ハンガリー舞曲などよりずっと魅力がある。主題間、各楽章間の主題の関連のさせかた、背景の統一など見事で、この傑作をもっともっと聞かれるようになってほしいと思うのだが…。

写真はチューリッヒ湖畔のリュシリコンの村の風景。ここにブラームスは滞在し、交響曲第1番を書いたのである。
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by Schweizer_Musik | 2010-07-12 21:36 | CD試聴記
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