作曲者 : SUMERA, Lepo 1950-2000 エストニア
曲名 : 交響曲 第6番 (2000) 演奏者 : パーヴォ・ヤルヴィ指揮 エストニア国立歌劇場管弦楽団 CD番号 : BIS-CD-1360 レポ・スメラはバルト三国の一つ、エストニアの作曲家で、ヘイノ・エッテル教授の門下で、トゥビンと同門である。同じ門下だからといって同じような作風というわけではなく、スメラはトゥビンよりももうちょっと複雑な印象を持っている。 と言っても、その作品を知ったのはこの十年ほどの間で、面白そうだと思い始めた途端に亡くなってしまった。50才はいくらなんでも若すぎる…。 この作品は最後の作品で、不思議な透明感と絶望感のアマルガムを形成している。焦燥感と平安との間に多分、シベリウスの交響曲第6番の引用やドビュッシーの「おもちゃ箱」だと思うが引用されているようだ。(CDが見あたらず、iTuneでダウンロードしたもので、解説がないので未確認…というより私の思いこみ?…笑) その後のブラスを中心としたダイナミックな展開は、恐ろしく破壊的で、この作曲家が全く一筋縄ではいかないことを示している。 2楽章からなり、冒頭はゆったりとはじまるものの、その音楽はダイナミックで劇的!!そして20世紀の音楽が獲得した様々な語法が、彼の中で自分の言葉となって生き生きと表現していることに驚嘆すばかりである。 こういう曲を実際にコンサートで聞く機会は皆無に近いので、こういう録音がいつでも手に入れられる状態にあるというのは大変ありがたい。 写真はラーゴ・ビヤンコ。白い湖という名前の通り、氷河から流れ出した白濁した湖水が印象的だ。ベルニナ線の車窓に見ることができる風景。このベルニナ線は世界遺産に指定されたとのことだが、今年はぜひ乗ってみようと思っているところである。
by Schweizer_Musik
| 2010-07-13 06:51
| CD試聴記
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