シェーンベルクの「地上の平和」
作曲者 : SCHÖNBERG, Arnold 1874-1951 オーストリア→米
曲名  : シェーンベルク/地上の平和 Op.13 (1907) (コンラッド・フェルディナント・マイヤー詩)
演奏者 : エリック・エリクソン指揮 ストックホルム放送合唱団
CD番号 : EMI(TOWER-RECORDS企画)/QIAG-50055〜60



宗教作品ではなく、スイスの詩人、コンラート・マイヤー(1825 - 1898)の詩につけたもの。まだ無調の実験に至る前のシェーンベルクの作品であるが、表現主義的に大胆な表現をとっている為、大変印象深い作品でもある。
八分から九分程度の短い曲ながら、最後のクライマックスでは言葉を失うほど圧倒的な大伽藍を構築し、このシェーンベルクという人が、単に12音主義やベルクやウェーベルンの先生という程度のとらえ方は間違っていることを痛感させられる。
エリクソン指揮のこの演奏は、LP時代からの名盤の誉れ高いもので、今聞いても圧倒的であった。最初がちょっと音程が不安定なのが惜しいのだけれど、そんなことなどどうでもよくなるほどの名演である。
全部で六枚のCDのセットの中には合唱音楽を語る上で、決して忘れてはならない名演がぎっしり詰まっている。CDでの復刻もなされないまま、待ちに待ったCD化(どうも通販では出ていたとTOWERのHPに書かれていたが、私は知らない)ある。一枚1000円の六枚組で6000円は私に言わせれば安すぎる!!
まだ在庫はあるようなので、ノーチェックの方はぜひ一度お聞きいただければと思う。解説、歌詞対訳もついてこの値段なのだから、文句の言いようがない。今年買ったものの中で最も価値あるものと信じている。

写真はローザンヌのカテドラル。宗教作品ではないのだが、やはり祈りの音楽ということで…。
シェーンベルクの「地上の平和」_c0042908_2052422.jpg

by Schweizer_Musik | 2010-08-13 20:52 | CD試聴記
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