ドヴォルザークの「新世界」を若い小澤征爾とサンフランシスコ響で聞く
作曲者 : DVOŘÁK, Antonín 1841-1904 チェコ
曲名  : 交響曲 第9番 ホ短調「新世界より」Op.95 B.178 (1893)
演奏者 : 小澤征爾指揮 サンフランシスコ交響楽団
CD番号 : PHILIPS/17CD-22



私は小澤征爾のファンで、長い間追いかけてきた。演奏会に行く機会はほとんどなくなってしまったけれど、その昔、この組み合わせで大阪のフェスティバル・ホールで聞いて以来のファンである。
あの時に聞いたアイヴスの「夕闇のセントラルパーク」の幻想を一生忘れない…。
ところで、私はあの頃の小澤征爾が一番好きだ。なぜだかわからないけれど、この曲や「英雄」、あるいは、ニュー・フィルハーモニアと録音したベートーヴェンの「第九」なんて、新盤も持っているけれど、古い方しか聞かない。理由を問われても、実はこうという解答を持っているわけではない。
この「新世界」も名演なら掃いて捨てるほどある。古いターリッヒから、フリッチャイ、ロヴィツキ、スウィトナー、メータ、コリン・デイヴィス、ケルテス、ライナー…あああげていたらきりがない。小澤征爾にも天下のウィーン・フィルとの録音もあるけれど、圧倒的にこちらの方が好きだ。
リズムに独特のしなやかさと、ダイナミックな表現が魅力なのである。昔、レコ芸の記事で、この演奏を演奏者の名前を告げずに評論家に聞かせて、色々と話し合ったというのを読んだことがある。そこで、こんなに充実した演奏でボヘミアの雰囲気をよく現しているからには、きっと名のあるチェコの指揮者によるものに違いないとかで、皆絶賛していたという。
面白いと思った。大体そうした先入観で聞き、評価してしまう傾向があり、公平な判断とは実に難しいものなのだと痛感させられる話だが、一方で、この演奏の素晴らしさを伝えていて、我が意を得たりと思ったこともまだ事実であった。
ぜひ虚心坦懐にこの演奏を聞いて欲しい。そして、若い小澤征爾がいかに音楽的で素晴らしい演奏を繰り広げていたか、聞いて欲しいと思う。今が良くないとかそういう話ではない。今は今でまた違った良さがあると思う。ただかつて、その時代でないと、その年齢でないと達成し得ない、独特の輝いていた時代があったということを言いたかっただけである。
終楽章のダイナミックな表現もさることながら、第2楽章の歌も実に美しい。サンフランシスコ交響楽団はとても良い買い物をしたと思う。

山田和樹氏がスイス・ロマンド管弦楽団の首席客員指揮者になったという報を、yurikamomeさんから聞き、ネットで私も確認した。スイス・ロマンド管弦楽団を彼が指揮することでどういう新しい時代を切り開くのだろうか…。もの凄く楽しみである。
我が校の創立85周年コンサートも間近で、彼の指揮で我が校のオーケストラの演奏会が聞ける幸せをかみ締めている。招待券も間もなく届くことだろう。前に声かけさせていただいたみなさん、楽しみにしていて下さいませ!!
若い山田氏が、今しかできない音楽を果敢にやってほしいと思う。

ということで、写真はジュネーブの旧市街の風景からタヴェルの家のあたり…。
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by Schweizer_Musik | 2010-09-26 22:35 | CD試聴記
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