ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番をパネンカの名演で聞く
作曲者 : BEETHOVEN, Ludwig van 1770-1827 独
曲名  : ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 Op.58 (1805-06)
演奏者 : ヤン・パネンカ(pf),ヴァーツラフ・スメターチェク指揮プラハ交響楽団
CD番号 : SUPRAPHON/COCQ 83950〜52



色々あったのだけれど、結局一日、ベートーヴェンのピアノ協奏曲のカデンツァを調べていて一日が過ぎてしまった。ともかく良い勉強になった。このパネンカの全集のカデンツァが前からわからなかったのだが、やっぱり不明…。ネットで検索をかけたりして調べて、結局第3番がスメタナのものということ以外はわからなかった。
ご存知の方がいらっしゃったら御教示願いたい。

ところで、この素晴らしい名演を以前から愛聴している私であるが、某ネット・CDショップのレビューでとても面白い書き込みがあった。勘違いもここまでくると徹底していて、このレビューはわざと勘違いしてみせているのではと思うほどだ。更に、これが参考になったと一票入っているから恐れ入ってしまう。
こうした引用は失礼かと思うが、あまりの内容なので簡単に引用して突っ込みを入れさせてもらうことにする。以下はその書き込みからの引用である。

現代の進化し多様化していく表現手法から考えると、ベートーヴェンの作品は、どれも古臭く、陳腐と言うほかない。
どの曲にも表現上の目新しさはなく、何の変化も起こらない。
どの協奏曲も、使い古された表現の焼き直しに過ぎない。
そんな焼き直しで満足してしまっているのであれば、何とも低俗な話だ。


以上である。二百年以上前の作品を「どれも古臭く…」と書くのは、ちょっと勇気がいる。逆に二百年ほど前の作品でも「現代的」で「多様に進化(この表現も今ひとつ…なのだけれど)」した作品があったというのだろうか?
更に続く「協奏曲も、使い古された表現の焼き直しに過ぎない」と断じるあたり、ベートーヴェンのたった5曲の協奏曲が、まるでヴィヴァルディの協奏曲を論評するストラヴィンスキーみたいな言い回しで、これまた初耳で面白いご意見だと思う。
この4番ではピアノのソロで、それも小さく囁くようにテーマをオーケストラに先んじて提示するなど、あまりにユニーク!!第3楽章なんて、どうやって思いついたのだろうと不思議に思える主題!!あれはだれも真似できないし、ベートーヴェンがこの曲で披露するまで、誰一人やったことのない方法だった。第2楽章でのモノローグ風のピアノとユニゾンのオケのかけ合いで延々とはじめるなんて芸当も、誰一人やったことがなかったものだけれど、「使い古された表現の焼き直し」ということは、他に散々やっている表現方法ということなのだろう。
それほどの天才が二百年前に他にもいたとは知らなかった。そんな大発見をされているなら、ぜひ世間に教えてあげてほしいと願うばかりである。
「焼き直しで満足してしまっているのであれば、何とも低俗な話だ。」と続けられるけれど、私は極めて不勉強で低俗なので、ベートーヴェンで充分満足しているし、この書き込みでレビュアーが駄目なCDと断じられたパネンカが演奏するベートーヴェンを愛してやまないのである。

このレビュアーはきっとベートーヴェンが嫌いなのだろう。別に好き嫌いならば当然のことなので、無理にベートーヴェンを好きになってもらう必要などない。でもこういう訳知り顔で書かれると、つい茶化したくなる。
バカバカしい話なので、このくらいにしておこう。

パネンカの素晴らしい演奏とベートーヴェンの傑作とは何の関係もないレベルの話でした…。

写真はエンゲルベルクのティトゥリス山頂から見たベルナー・オーバーラントの山々。このしつこい雲がなかなか晴れず、あきられてこの写真で満足することに…。いや残念!!
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by Schweizer_Musik | 2010-10-02 23:18 | CD試聴記
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