作曲者 : CHOPIN, Frédéric François 1810-1849 ポーランド
曲名 : マズルカ 第5番 変ロ長調 Op.7-1 (1830-31)他 演奏者 : 安達朋博(pf) CD番号 : VAP/VPCD-81678 はじめて聞くピアニストである。今年はショパンのアニバーサリー・イヤーということで、やたらと出るが、良いものは実に少ない。この安達朋博氏の経歴はこちらでご確認いただくこととして、演奏、録音ともに残念な出来映えであった。 冒頭のマズルカの単調さはもう聞いていて途中でやめてしまった。続くOp.9-2のノクターンも歌ってはいるけれど、響きの変化に欠けていて、やはり一本調子で音楽が平板に感じる。 つづけてOp.10の練習曲から5曲ほど抜粋しての演奏が続くが、テクニックの切れがあるわけでもなく、嬰ハ短調など、ただ五月蠅いだけでは困る。有名な「革命」はペダルで弦が唸ってしまっているので、何が起こっているかサッパリわからない。 「黒鍵」は遅すぎると感じるが、それで歌って音楽になっていれば良いのだけれど、途中でダレテしまい、流れないこと甚だしい。歌心があればまだ「別れの歌」など聞けるのだけれど、それらしきものもなく、ただダラダラ音楽は続く…。私は続きを聞く気がここで失せてしまった。 彼がピアニストとして成功するには、響きについてのセンスをもっと磨かなくてはならないだろうし、カンタービレについて、特にベルカントについて研究が必要だろう。 メカニックな点でもやや問題があるようで、まだまだ若いのだから、ぜひ研鑽を積んでほしいと思うが、売り物としてこれが出ていること自体、ちょっと信じられない。CDを出すことに、メーカーはもっと責任をもって欲しいと思う。 辛口となったけれど、安達朋博氏の更なる研鑽に期待しておきたい。 写真はソーリオのホテル・パラッツォサリスの庭園。
by Schweizer_Musik
| 2010-10-11 22:08
| CD試聴記
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