(新)秋の夜長に音楽を聞く -09. リストの憂鬱なポロネーズ
作曲者 : LISZT, Franz 1811-1886 ハンガリー
曲名  : 2つのポロネーズ S.233 (1851) 第1番 憂鬱なポロネーズ "Polonaise Melancolique" ハ短調
演奏者 : レスリー・ハワード(pf)
CD番号 : hyperion/CDA66301



ピアノでポロネーズと言えば、ショパンとすぐ出てくるだろうが、このリストの作品、結構いけるのである。メランコリックなメロディーが次から次へと続き、それにポロネーズのリズムが絶妙のアクセントを加えて、なかなかの味わいなのだけれど…。
2曲あるリストのポロネーズで比較的よく聞かれるのは第2番ホ長調の方で、この第1番はあまり聞くことのできない曲らしく、私はこのCDでしか知らない。
1851年に作曲されたこの2曲は、ショパンが1849年に亡くなった後、その偉大な才能を偲んでリストが作曲したもので、ショパンの様式をほぼ踏襲したものとなっている。したがって、いつものリストのような華美な装飾はどちらかと言えば控え目で、メロディアスに出来ているのが特徴だと思う。
私はこの感傷的な第1番が好きなのだが、無論第2番もとてもよく出来ている。リストは「ラ・カンパネラ」と「愛の夢」だけではないのだ。もっと広く聞いて、彼の音楽への理解を深めたいものである。
ハワードの演奏は、全体にもう少し華やかさがあれば…と思うが、丁寧で好感の持てるもの。

写真はシルス・マリア。こんな美しい風景に包まれて人生を終われるならば、何の悔いもない…。そんなことまで思わせる風景がこれである。
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by Schweizer_Musik | 2010-10-12 19:44 | 秋の夜長に音楽を聞く
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