ブラームスのピアノ三重奏曲第1番を聞く
作曲者 : BRAHMS, Johannes 1833-1897 独
曲名  : ピアノ三重奏曲 第1番 ロ長調 Op.8 (1853-54)
演奏者 : アルトゥール・ルービンシュタイン(pf), ヘンリク・シェリング(vn), ピエール・フルニエ(vc)
CD番号 : RCA/88697760992



こんなに美しい音楽があろうか?そんな気にさせる演奏である。グァルネリ四重奏団の若い頃の演奏を聞いて、この老練な巨匠たちによるトリオを聞くと、その音楽の深みというか、何と表現したら良いのかわからないけれど、次元が違っていることを痛感させられる。無論グァルネリ四重奏団もそうした熟成の道を歩み、そして先年、長い音楽活動に終止符を打ったのだから、同じ土俵で比べては気の毒だが、この演奏の奥行きの深さはどうだろう!!
ルービンシュタインは、かつてハイフェッツやグレゴル・ピアティゴルスキーと組んでトリオの演奏をしていたけれど、確か1950年頃にそれは止めてしまった。
かなり派手な解釈というか、ハイフェッツに引っ張られていた感がなきにしもあらずであったが、やはり本当にやりたかったのはヘンリク・シェリングやピエール・フルニエといった派手さよりも音楽の広がりを感じさせる演奏家たちとのアンサンブルであったようだ。
ブラームスのこの作品。若いブラームスが心血注いだ傑作だと思う。後の交響曲第2番に通じる穏やかで、伸びやかなメロディーが印象的だ。ブラームスのスタイルはすでに確立しており、彼がすでに巨匠としての風格を現していることにも注目すべきだ。第3楽章のメロディーなんて、簡単に思いつきそうで捻りがあちこちに利いていて、決して一筋縄ではいかない奥行きの深さを感じさせるし、前後の急速な楽章での主題の展開も入念を極めていて、当たり前のことだが、彼の傑作の一つと思う一作である。
それにしても、このトリオの美しさはどうだろう!!良いお天気の朝!!この音楽を聞いて気持ちがとても良い。さあ朝ご飯をいただいて、展覧会の絵のアレンジに戻ろう!!

写真はパノラマ写真シリーズ(笑)で、ヌーシャテルのお城のテラスから撮ったヌーシャテルの町とヌーシャテル湖の風景。
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by Schweizer_Musik | 2010-11-02 07:27 | CD試聴記
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