バッハのトリオ・ソナタをヘーリックの名演で聞く
作曲者 : BACH, Johann Sebastian 1685-1750 独
曲名  : トリオ・ソナタ 第1番 変ホ長調 BWV.525 (1727頃)
演奏者 : クリストファー・ヘーリック(org)
CD番号 : hyperion/CDA66390



ブレームガルテンという古い町にある(ああ、昨年、行きたかったのに、ついに行く機会を逸してしまった…また今度…)市教会のメッツラー・オルガンを使用してヘーリックが録音したもの。
彼は、このメッツラー翁制作のスイス各地のオルガンを使用してバッハのオルガン全集をハイペリオンに録音しており、私のような者にはまさに宝物となっているが、このトリオ・ソナタの魅力溢れる演奏はまさに絶品と言うべきものだ。
こんなに素晴らしい音楽を聞かないで過ごすのは、人生をずいぶん損していると思う。いや、思い入れの激しい私故の妄言とお笑いいただいて結構なのだけれど、ここでのメッツラー・オルガンの響きの美しさはまさに名器の名に恥じないもので、それを弾くヘーリックの穏やかでノーブルな解釈は、この名器の響きに実に相応しい。
ブレームガルテンなんて日本のどのスイスのガイド・ブックにも載っていない。あの魅力的な修道院のムラも…。
だから、スイスにはアルプスがあって、後はハイジしかいないと誤解されてしまうのだ。
クーン・オルガンとともにこのメッツラー・オルガンはスイスを代表する工房であるが、メッツラーのものは日本では聞くことができない。近代的な機能も持っているが、エッジの効いた華やかな響きに特徴があり、バロックなどの作品の演奏にとてもよく合っていて、バッハやブクステフーデなどのオルガン作品の演奏では本当の素晴らしい適応力を聞かせる。
少し古いけれど、 ライオネル・ロッグのブクステフーデの作品集メッツラー・オルガンだった。
さて、そのオルガンで聞くバッハのトリオ・ソナタの素晴らしさは筆舌に尽くしがたい。コラールなどのCD(あのジュープラー・コラール集はルツェルンのイエズス教会のオルガンである!!)も素晴らしいものであったが、トリオ・ソナタは絶品だ。
第1番から第6番までの全6曲をまんじりともせず、一気に聞き通してしまった。
これがなんとclassicjapanに置かれていたのには驚いた。定額利用でこれがダウンロードできるのである。なんと…!!

写真はブレームガルテンのものはないので、ゾフィンゲンのメッツラー・オルガンの写真を。これも素晴らしい名器である!!残念ながらCDでしか聞いていないが…。
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by Schweizer_Musik | 2011-01-09 03:32 | CD試聴記
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