ニールセンの交響曲第5番をデイヴィス指揮ロンドン響で聞く
作曲者 : NIELSEN, Carl 1865-1931 デンマーク
曲名  : 交響曲 第5番 Op.50 FS.97 (1921-22)
演奏者 : コリン・デイヴィス指揮 ロンドン交響楽団
CD番号 : LSO/LSO0694



つい衝動買いしてしまったもの。iTune-Storeで1350円だった。しかし、なんて良い演奏、録音なのだろう。そして作品の素晴らしさ!!
初演時に一部の聴衆を当惑させたという第2楽章も、今聞くとなんということもなく、聞こえてくる。この曲のドイツ初演はヴィルヘルム・フルトヴェングラーだったそうだが、ちょっと彼の指揮で聞けたなら聞いてみたいものだとも思ったが、こればかりはかないそうもない見果てぬ夢である。
しかし、私はこのデイヴィスとロンドン交響楽団による見事な演奏を聞くことができたのであるから、そうしたことを思わなくても今後はすみそうである。
確かに、ちょっと渋い曲であるし、親しみやすいタイトルもないこの曲は、私にはそれでもニールセンの最高の傑作だと思われるところがある。まだスコアを検討しながら聞いたこともないので、ただの聴取後の感想に過ぎないが、どこか遠くショスタコーヴィチの第8番などに繋がる音の世界がここにあり、影響の大きさ、深さを感じさせるからである。
デイヴィスがこれほどのニールセンを聞かせるとは意外だった。でもあれほどシベリウスが上手いのだから、当然と言えば当然なのだろう。今まで、ニールセンの録音が無かった(私が知らなかっただけかも知れぬが…)ことが不思議に思えてくる。
フランスでは未だにニールセンやシベリウスなどの北欧の音楽は無視されているようであるが、イギリスは受容が進んでいるようだ。日本でももっと聞かれるようになると良いのにと思う。
2楽章制であるが、清涼な響きに打楽器が不協和に絡む第1楽章と、それを更に推し進めた第2楽章に、表面的にというより、原理的な対比はない。が、内部における強い精神的な対立が、響きの上で表現されていて、第一次世界大戦を経験し、その不条理と悲劇に心揺さぶられた作曲者の心が現れている音楽だと私は考えているが、その意味で第4番と対になる作品とも言えよう。
オーケストラの自主制作の録音が、ネットでダウンロードして楽しむことが当たり前の時代となった。10年前、20年前では考えられなかったことだ。音楽産業の構造が大きく変わってきていることを痛感させられる…。

写真はチューリッヒのペーター教会の前の広場。もう六年前の写真であるが、夕暮れの大気が凜として心地よかった…。
c0042908_21331276.jpg

by Schweizer_Musik | 2011-01-25 21:33 | CD試聴記
<< ラヴェルのラ・ヴァルスをカサド... 都響のコンサートに行ってきた >>