ブルックナーの交響曲第7番をロペス=コボスの指揮で聞く
作曲者 : BRUCKNER, Anton 1824-1896 オーストリア
曲名  : 交響曲 第7番 ホ長調 (1885/ノヴァーク版)
演奏者 : ヘスス・ロペス=コボス指揮 シンシナティ交響楽団
CD番号 : TELARC/CD-80188



ブルックナーはスペシャリストがたくさんいて、このロペス=コボスのものはついつい買いそびれていたが、iTune
-Storeで安く出ていたので購入し聞いてみた。
アメリカのオケとスペインの指揮者が奏でるブルックナー、本場主義者には異端と映ることだろうが、これが結構いけるのである。
ロペス=コボスは実に知的な指揮者で、感情的になったりすることはあまり記憶にない知情意のバランスに長けた人物という印象で、こうした作品では大変優れた能力を発揮する。
ただ、あまりにバランスがとれているので、特徴的な何かがない。盛り上がっていく時の「タメ」がやや少ないので、どっしりした印象よりもスリムで風通しの良い音楽となっている感じがする。
多分、これも一つの行き方として「あり」だなと思う。もちろん緩急の変化は要所要所で行われ、ポリフォニックな部分での旋律の受け渡しなども実に音楽的で美しいものとなっている。アンサンブルがとても美しいし、オケの響きもこんなに美しいとは!シンシナティ交響楽団てこんなに上手かったっけ?
弦の輝きというか、響きはドレスデン・シュターツカペレやウィーン・フィルと比べるとやや硬いというか、濡れたような艶やかさよりも、ずっと機能的で反応は良いけれど、冷たい感触がある。この辺りはアメリカの地方オケのイメージ通りなのだけれど、ロペス=コボスのもとでなかなか良い感じに仕上がっていて、不満を感じるほどではない。
ノヴァーク版の華麗さというか派手派手しさは、ロペス=コボスの指揮で幾分押さえられていて、やはり良いバランスで響いている。
こうしたバランス感と風通しの良い音楽的なアンサンブルこそが彼の魅力なのだろう。最近彼のヴェルディのレクイエムを聞いたが、それもとても素晴らしいものだった。ベルリン・ドイツ・オペラで優れた手腕を高く評価されたのも頷けるものだったが、それはこのブルックナーでも確認できた。
セッション録音らしく、個々のソロも良い感じでこれはとても良い演奏だった。ブルックナー好きの方は一度ご賞味あれ。

写真は春浅いアインジーデルンへと向かう車窓から見たチューリッヒ湖の風景。
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by Schweizer_Musik | 2011-01-28 04:59 | CD試聴記
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