ムソルグスキーの「展覧会の絵」をアンスネスの演奏で聞く
作曲者 : MUSSORGSKY, Modeste Petrovitch 1839〜1881 露
曲名  : 組曲「展覧会の絵」(1874)
演奏者 レイフ・オーヴェ・アンスネス(pf)
CD番号 : EMI/TOCE90104



この演奏は一部にホロヴィッツの編曲版が使われ、それを更にアンスネス自身が編曲しているもので、原曲とずいぶん違うところがある。
原曲そのままで充分野趣溢れる音楽となっているのだが、この演奏で聞くとずいぶん洗練されて聞こえるところもあり、そのあたりをどう評価するかで、好悪が分かれるのではないだろうか。
ピアニスティックに拡大され、効果をあげている点で、ホロヴィッツの編曲と大変似ている。「こびと」の最後のところなど同じアルペジオが挿入されていたりするので、やはりホロヴィッツ版の影響を色濃く受けた録音であると言えよう。
ただ、第10曲 サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレの後のプロムナードはホロヴィッツはラヴェル同様に省略しているが、アンスネスは弾いている。細かな点でホロヴィッツ版と異なるところもあり、やはりアンスネス版とするのが正しいようだが、私は原典でも良かったのではないかと思う。
ただ素晴らしいピアノの録音で、演奏も大変良い。彼のピアノの音は実に素晴らしく、ここでのEMIの録音は最高の水準である。
こんな良い演奏を聞いて文句を言うなどというのは、先日の中区民ミュージカルの素晴らしい公演を見せていただいて文句を言うに等しく、申し訳ないところもあるが、やはりピアノの原典の素晴らしさをもっと多くの人に知ってほしいと思っている。
無論、あまりに荒削りのあの原典はピアノの譜面は、手を加えなくてはという点もあるようだが、ロシア五人組の中で、ただ一人、とてつもない天才に恵まれていたムソルグスキーの書いた音なのだ。もっと尊重すべきというのが私の意見である。
ともかく、ピアノのCDとしては素晴らしいもので、ラヴェルの編曲しかしらないという人にはぜひ聞いてほしい一枚。ピアノ一台が奏でるオーケストラ・サウンドと評すべきだろう。アンスネスは素晴らしいピアニストである。

写真はスイス北部の小さな町ブルックの風景から…。
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by Schweizer_Musik | 2011-02-06 10:58 | CD試聴記
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