タイトル(or 曲名) : プッチーニ 歌劇「ラ・ボエーム」
出演者 : ランベルト・ガルデルリ指揮 コヴェント・ガーデン歌劇場管弦楽団, 合唱団, イレアナ・コトルバシュ(sop/ミミ), ニール・シコフ(ten/ロドルフォ), トーマス・アレン(br/マルチェルロ)他 DVD番号他 : 小学館/C0873(魅惑のオペラ・シリーズ15) 先日、ニール・シコフの歌う椿姫を見て、ボエームでの彼の歌を思い出し、無性に聞きたくなり、AMAZONに注文をしていたのが届いた。3,800円也。安いか高いか分からないけれど、LDで持っていたもので、確か最初に買ったLDソフトだった。 これはホントによく見たし聞いたものだった。これが私のオペラ入門だったと思う。正確にはちょっと違うけれど、これを見てからオペラが好きになったし、LDをずいぶん集めたものだ。 以来、このオペラに関する映像はいくつも見た。演奏だけで言えば、カラヤンの映画版が図抜けて良かったけれど、映画で見るとどうも違和感が先立ってしまい、今ひとつの感銘度であった。 レヴァインとメトロポリタン歌劇場の公演は、テレサ・ストラータスのミミが胸に迫るものだったし、演出も凄かったけれど、他は今ひとつで、全体としての印象はこのコヴェントガーデンの公演に及ばなかった。 以後、いくつもの映像が出ている。2003年にミラノ・スカラ座で収録されたバルトレッティ指揮によるものも、ガイヤルド・トマスのミミが良かったけれど、全体に印象はこの最初の私の刷り込みとなった映像に感銘度は及ばなかった。 今朝、久しぶりにこの映像を見て(もう10年ぶりくらいになる…)、やはり私にとってのボエームの原点はここにあると思った。 映像としてはやや古さを感じさせるものの、音はまだ充分に良いもので不満は感じなかった。 第1幕のミミとロドルフォの出会いの場面てのミミのいじらしさ、ロドルフォの優しさ、鍵を探すところで鍵を先に見つけてそれを隠して、やがて「冷たい手」、そして「私の名はミミ」と繋がるところは、今日もまた二度、三度と見てしまった。 プッチーニのスコアの素晴らしさ。ホルンとハープのユニゾンのただの1音で月明かりを暗示したり、もう魔法みたいだ。 4幕が4つの楽章からなる交響曲、あるいは交響組曲のような設定で、Alleroの第1幕、スケルツァンドな第2幕。緩やかな第3楽章、そして全てを収斂するフィナーレの第4楽章というぐあいだ。 ガルデルリの指揮の見事なこと。ニール・シコフは私のロドルフォ像の原点ともいうべきもので、ここでの彼はまだ若く(収録は1982年だから彼はまだ三十代前半だった!!)、すでに引退してしまったイレアナ・コトルバシュも可憐でミミにピッタリだ。 マルチェルロのトーマス・アレンは、イギリスを代表するバリトンであるが、若い頃の映像としては他に残っているのだろうか。ここでのアレンの歌もまた素晴らしい。冒頭から一気に惹きつけられてしまうのは彼の歌があってこそである。 ムゼッタを歌うマリリン・チャウはこのオペラしか知らないのだが、不満はない。メトロポリタン歌劇場でレナータ・スコットが出てきた時はちょっと興ざめしてしまったものだが、(いくらなんでもあれはちょっと…)ここではそうしたものはない。他の水準が高いので、ちょっと凹んで聞こえなくもないが。 ショナール、コルリーネも良い出来映えで、この曲、オペラ入門に超お薦めのソフトである。 今朝はこれで始まった。良い一日になりそうだ。夕方は停電があるかもしれないと言われているので、昼寝は少なくして、夜は多めの寝酒で早く休むことにしようと考えている。 写真はヴィンタートゥーアの美術館ヴィラ・フローラ。
by Schweizer_Musik
| 2011-03-28 09:34
| DVD/スカパー!視聴記
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