ウォルトンの交響曲第1番をデイヴィス指揮で聞く
作曲者 : WALTON, William 1902-1983 英
曲名  : 交響曲 第1番 変ロ短調 (1932-35)
演奏者 : コリン・デイヴィス指揮 ロンドン交響楽団
CD番号 : LSO/LSO0681



この曲については、以前チャールズ・マッケラス指揮の演奏をとりあげたことがあるけれど、今回はコリン・デイヴィスの指揮である。ロンドン交響楽団の自主制作盤で、6年あまり前の録音で、この曲だけで前に出ていたのだが、今回「ベルシャザールの饗宴」の録音を加えて、再発された。
ウォルトンの代表作2曲である。このカッコイイ作品は、スコアも大変なもので、なかなか読むのに時間がかかり、まだ1楽章の半分も読み切れていない。そんなことはともかく、これは素晴らしい演奏であり、録音である。アンドレ・プレヴィンやチャールズ・マッケラスなど、名演は多いけれど、このコリン・デイヴィス盤は決定盤と言っていいのではないだろうか?
この独学の鬼才は、生涯、委嘱された作品を書き続けた。無論ファサードなどの成功によるものであるが、この作品も指揮者ハミルトン・ハーティ卿の委嘱によるものであった。初演は、終楽章の出来上がりを待ちきれないままに、第1楽章から第3楽章だけ先行して行われたという逸話も残っているけれど、20世紀に書かれた交響曲の傑作であることは間違いない。
循環形式を一部に使っているけれど、あからさまな扱いでないので、気がつかない人もいるかも知れない。
コリン・デイヴィスの指揮するロンドン交響楽団は完璧だ。この曲でこれほど見事な演奏を聞かされると、それまでの名演の数々もちょっと霞んでしまった。
力強く、パンチにも富んでいて、第2楽章の malizia (悪意をもって)という意味も、こういう演奏で聞くとなるほどと納得させられる。
第3楽章の「憂鬱」も絶品…。録音が良すぎて、コリン・デイヴィスの唸り声やかけ声が聞こえてくる。力演でありながら、冷静さとのバランスが良い。天国のウィリアム・ウォルトン卿もきっと喜んでおられるのではあるまいか。
あまりに良かったので、仕事(「キエフの大門」の編曲)に入る前に全曲をアンコールしているところである。凄い名演だ!!

写真はツェルネッツ近くのレーテッシュ鉄道の車窓。あまり高くはなくとも、あの山の向こうはオーストリア、イタリアがある。
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by Schweizer_Musik | 2011-04-03 09:57 | CD試聴記
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