チェレプニンの ピアノ五重奏曲を自演盤で聞く
作曲者 : TCHEREPNIN, Alexander 1899-1977 露→仏→米
曲名  : ピアノ五重奏曲 ト長調 Op.44 (1927)
演奏者 : アレクサンドル・チェレプニン(pf), グループ・アンストゥルマンタール・ドゥ・パリ【リオネル・ガリ(vn), ミシェル・ノエル(vn), ブルーノ・パスキエ(va), ロベール・べー(vc)】
CD番号 : EMI/9 07256 2



1927年頃の作品で、パリでラヴェルやストラヴィンスキー、また6人組の作曲家たちと親交を結んでいた頃の作品である。独特のモードを使いつつ、古典的な形式で簡潔に表現していく姿勢は、当時でもかなり斬新に聞こえたのではないだろうか?
波瀾万丈であったこのロシアの作曲家は、プロコフィエフなどのようにロシアに戻らなかったが故に、その先進性が生涯ゆらぐことはなかった。
父がバレエ・リュスの指揮者をしていたという、音楽家としては恵まれた環境で育ち、豊かな才能を開花させた彼は、ロシア風というより、ずっとずっとインターナショナルな作曲家だった。
その彼が、戦前、アジアを訪問し、早坂文推や伊福部 昭らを見出し、彼らが世に出るのを助けたことは、我が国の音楽界においても最大級の出来事だった。
彼がいなければ、伊福部 昭らはもっと違った人生を歩んでいたのではないだろうか?
また、様式について、伊福部 昭に「ナショナルである事こそがインターナショナルである」と指導し、それが彼の作風の確立につながっていったと言われているが、その系譜に繋がる作曲家の多いこと!!
パリのウーブラドゥらと活動していた腕利きの演奏家たちと組んだこの曲を聞いていると、1920年代のチェレプニンがいかにモダンで先進的であったかがわかる。
このCDにはポール・トルトゥリエ親子たちとのトリオやピアノ独奏曲、さらに父ニコライ・チェレプニンの歌曲をニコライ・ゲッダの独唱でチェレプニンが伴奏して録音したものまであり、興味は尽きない。低価格で購入できるし、近現代の音楽に興味のあるファンにはお薦めである。

写真は再建なったルツェルンのカペレ橋。
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by Schweizer_Musik | 2011-04-06 11:06 | CD試聴記
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