ムソルグスキーの歌劇「ホヴァンシチナ」を聞く
作曲者 : MUSSORGSKY, Modeste Petrovitch 1839〜1881 露
曲名  : 歌劇「ホヴァンシチナ」(1872-80)
演奏者 : クラウディオ・アバド指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団, 合唱団, ウィーン少年合唱団, スロヴァキア・フィルハーモニー合唱団他
CD番号 : Grammophon/429 7582



暗く、ドロドロとした、とてもさわやかとは言えない、重たいストーリー。権力なんてものを持っていなくて、ホントに良かったと思えるオペラと言うべきか…(笑)
ムソルグスキーはこれを完成せずに亡くなったために、様々な議論(終結部に対してであるが)があると言うが、もともとはリムスキー=コルサコフが友人ムソルグスキーの未熟なオーケストレーションを「見かねて」和音やオーケストレーションなどに大幅な手を加えて世に出したことが原因だった。
リムスキー=コルサコフほどの人にも、ムソルグスキーの天才を見誤っていたということだろう。それほど19世紀においてムソルグスキーはぶっ飛んでいた…。
確かにオーケストレーションはあまりに稚拙なものもある。が、それでないと彼の音にならないというとんでもないものをムソルグスキーは持っていたのだ。友人思いのリムスキー=コルサコフを責めるのは気の毒だが、今日、そのリムスキー=コルサコフ版で演奏されることは滅多になくなったようである。
このクラウディオ・アバドの1989年のライブ録音もストラヴィンスキーやショスタコーヴィチが補筆し完成した版によっているようである。
とてもおどろおどろしいオペラで、終幕では集団自決などの悲惨な状況が出てきて、私のように気の弱い者にはちょっと辛いけれど、ムソルグスキーの音楽のあまりのすばらしさに、魅了され、ついつい聞いてしまうのである。
オーケストレーションは時折ショスタコーヴィチ風の配置が聞かれて、ニヤリとさせられるけれど、それがまた面白く、興味は尽きない。
マーラーやブルックナーの交響曲も良いだろうが、そればかり聞かないで、たまにはこうした音楽を聞いてはいかが?

写真はチューリッヒ湖畔のひなびた村、リュシリコン。チューリッヒ湖を行く船の上から撮った一枚。昔、ここを鉄道で訪れたこともある。何もない村だが、ここはブラームスが交響曲の第1番を書いていた時に滞在していた村なのである。
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by schweizer_musik | 2011-04-30 09:46 | CD試聴記
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