コンサート解説シリーズ (7)
6月3日のノイエ・ムジカ東京の第一回定期演奏会のプログラムからイベールの木管五重奏のための3つの小品について。

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イベール 作曲 木管五重奏のための3つの小品

1890年にパリに生まれたジャック・イベールは、フランス近代を代表する作曲家の一人です。彼を評して軽妙洒脱、新鮮にして繊細…。パリ音楽院ではミヨーやオネゲルと同窓でしたが、六人組の仲間に入らず、独立独歩の道を進んで行きます。
ドビュッシーの影響がまだ濃厚な「寄港地」で世に出ましたが、エキゾチシズムにカフェの音楽の要素を加えつつ、独特な作風を確立していきました。
この木管五重奏のための3つの小品は1930年に書かれた作品で、ガーシュウィンなどのアメリカのジャズの要素をサラリと自分のものにしつつ(第1曲、第3曲の序奏はガーシュウィンへのオマージュではと思わせます)、他の誰のものでのない、イベール自身の音楽になっているところが、この作品の魅力なのではないでしょうか。
第1曲は勢いのある序奏の後、軽快にスウィングする主題が提示されます。ガーシュウィンの「ボギーとベス」の序奏を思い出させます。第2曲はフルートとクラリネットの親密で美しいダイアローグ。第3曲は序奏でブルーノート風の響きがまたまたガーシュウィンの有名な作品を思い出させますが、その後はフィナーレに相応しい軽快な音楽が続き、ワルツなどイベールらしいカフェ・ミュージックの雰囲気を少し取り入れ、再び最初の軽妙な音楽へと戻ります。
もちろん、オリジナル版による演奏で、高橋(fl)、笠井(ob)、櫻井(cl)、小谷(hr)、内田(bsn)の5名にて演奏いたします。


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写真は更に更に、ブリエンツ・ロートホルン山頂の風景。建物は一件だけのホテル。最終列車が出発した後のこのホテルの宿泊は得難い体験であった。今から20年近く前に、ここに飛び込みで泊まったことがあったが、すばらしい体験だった。部屋にトイレはなく、各階に共同のトイレとバスがあるだけであるが、清潔で大変気持ちの良い滞在だった。
九月の終わりで、宿泊客も少なく(私を入れてほんの数名…だった)、静寂とはこういうものかと思い知った…。あれからなかなか泊まる機会がないのは残念だが、出来ればまた泊まってみたいものだと思っている。
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by schweizer_musik | 2011-05-17 18:23 | 音楽時事
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