作曲者 : BOCCHERINI, Luigi 1743-1805 伊
曲名 : ディヴェルティメント Op.16 (1773) 第1番 イ長調 G 461 演奏者 : エッカルト・ハウプト(fl), ミー・キュン・リー(vn), シルヴィア・ヴァルハ(vn), ディームト・ポッペン(va), ルードヴィヒ・クァント(vc), ゲッツ・トイチュ(vc), エスコ・ライネ(cb) CD番号 : CAPRICCIO/10 456 考えてみたら、小学生の時にクラシック音楽に出会い、作曲家になりたいと「勘違い」し、以来40年あまり…。 音楽を聞くのがずっと楽しかった。仕事で聞くなんてことは辛いだけだったけれど、幸いなことにヤマハを辞めて以来、そんなことは一切なくなり、幸せな時間となっている。 聞き始めた頃、もちろんまだベートーヴェンの曲なんてほとんど知らなかった。だから彼の名作に出会うことは、喜びどころではなく、ただただ興奮と陶酔であった。 モーツァルトもそうだった。愉悦という言葉はまだ知らなかったが、その意味だけはモーツァルトによって知っていた…。 今でもその気持ちは全く変わらない。聞く曲は多少変わったかも知れないけれど、あの頃聞き込んだ曲は細部まで憶えている。 新しい作品を作るのが私の仕事であるし、もっと多くの人に新しい音楽を聞き、楽しんでほしいと思っているが、一方であまり知られていない作品でも良い作品はたくさんあるので、そうしたものも、真っ白な心と耳で聞いてほしいと心底思う…。 このボッケリーニのディヴェルティメントは古典派の時代にあって、あまり顧みることなく過ごされてきた名作の1つである。一年あまり前に手に入れてから、折に触れて聞いてきた音楽であるが、ボッケリーニの極めて上質な作品だと私は考えている。 こうした作品との出会いがあるから、音楽を聞くことを止められないのである。フルートに低音が少し分厚い弦楽アンサンブルの響きが何とも心地よい…。演奏が優れていることもありがたい。演奏が下手ではこの愉悦は味わえなかっただろう。 テーマの設定、構成、主題の展開など、古典の範疇を超えるものでは決してないが、ここに聞く響きは一人の才能のきらめきを感じさせる何かがある。疲れた時、いやなことがあった時、この音楽にどれだけ癒されたことか! 今も手に入るのかどうかは知らないけれど、ぜひ一度…お薦めである。 写真はチューリッヒ駅前の橋の上から撮ったリマト川の風景。この風景をかつてブラームスは毎日見てはヴィンタートゥーアの友人の家へと通っていたのである。そう思うとこの風景…なんとも良い味が出てくると思いませんか?
by schweizer_musik
| 2011-05-22 22:04
| CD試聴記
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